どんな顔で見てもらっていたのかな?
僕はこの写真が好きだ。
カメラ目線でもなく、構図としても決してルールに則っているものでもない。でも、この子供にとっては貴重な一枚なんだと思ってる。
この撮影した前日に、彼(子供)は1歳の誕生日を迎えた。きっと、自分が今どんな気持ちで祝われているかなんてこの先覚えていないのだろうけど、両親のおかげで知ることができる。なんて羨ましいことだろう。たとえこれからどんなことがあろうと、彼が両親から1歳までの誕生日の期間、たくさんたくさん愛されてきたことがこの写真から解釈できる。
写真は何かを語りかけてはこない。写真は匂いもしなければ、音もしない。でも、「きっとこうだったんだろう」という思慮を深めることはできる。
この写真は東京ディズニーリゾートのホテルの一室で撮影をした。1歳の誕生日だからと、ママが張り切って装飾を計画し施した。もちろん、ホテル側の協力があってのことだけど。それでも、自分のことなんてほとんど覚えていないであろう1歳という年齢を、盛大にそして愛情いっぱいに祝ってくれる。僕からしたらこの上ない贅沢だし、いいなって思った。
どうしてこの写真が好きなのかというと、両親が彼のことを見てくれている写真だから。カメラ目線ではなく、彼目線になっているから。SNSに載せたところで、ものすごい評価がある写真ではないと思う。あくまで、このご家族にとって意味のある写真。
彼が見るもの触るもの、全てを受け入れてくれる両親がここにいるという事実を残せた。だからこの写真が好き。
彼に僕から送れる言葉があるとするならば、
「あなたはちゃんと愛されて、見てもらえている。」
そんなところだろうか。
いつか彼が、写真を見返してくれることを願います。
おれ、がんばれ。
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