【来日記念】映画音楽以外のジョン・ウィリアムズ作品も聴こう!演ろう!
2023年9月に、30年振りの来日を果たしたジョン・ウィリアムズ(1932〜 /91歳)。手掛けた映画音楽が名曲ばかりなのは言うまでもないが、実は映画音楽以外にも数多くの作品が書かれてきたことをご存知だろうか?(なんとミュージカルまで作曲している!?)
英語ではConcert Works(訳すと演奏会用作品)と分類される作品にも魅力的な音楽がたくさんあるので、なるべく多くの人々に聴いていただきたく作品を聴けるリンクを年代順に並べた。ただし、ファンファーレと祝典音楽(オリンピックなどのイベントのための作品)だけは、最後に別掲でまとめている。
ひとつだけ注意が必要なのは1960〜70年代は世界的に前衛芸術の全盛期。ジョン・ウィリアムズも演奏会用作品においては尖った作品を書いている(60年代のシンフォニエッタやフルート協奏曲など)。ところが70年代に作風が変わっていき、80年代になると映画音楽と演奏会用作品の作風が似通ってくる。……なので普段、クラシック音楽や現代音楽を聴いていない人には80年代以降の作品が聴きやすいはずだ!
1960年代
前奏曲とフーガ
Prelude and Fugue (1965)
弦楽のためのエッセイ
Essay for Strings (1965)
交響曲第1番
Symphony No. 1 (1966)
※音源不明(情報をお持ちの方はコメント下さい。)
ウィンドアンサンブルのためのシンフォニエッタ
Sinfonietta for Wind Ensemble (1968)
フルート協奏曲
Flute Concerto (1969)
1970年代
ア・ノスタルジック・ジャズ・オデッセイ
A Nostalgic Jazz Odyssey (1971)
ミュージカル『トーマスと王様』
Thomas and the King (1975)
ヴァイオリン協奏曲第1番
Violin Concerto No. 1 (1974–76年作曲/1998年&2016年改訂)
オススメは、23:02から始まる第3楽章。
1980年代
テューバ協奏曲
Tuba Concerto (1985)
1990年代
クラリネット協奏曲
Clarinet Concerto (1991)
チェロ協奏曲
Cello Concerto (1994/2021年改訂)
*初稿
*改訂版
ファゴット協奏曲
The Five Sacred Trees (Bassoon Concerto) (1995)
トランペット協奏曲
Trumpet Concerto (1996)
チェロと管弦楽のための哀歌
Elegy for Cello and Orchestra (1997)
管弦楽と声楽のための歌曲集《セヴン・フォー・ラック》
Seven for Luck (1998)
※下記の動画は終曲をピアノ伴奏で演奏したもの。
セイジを讃えて!
Tributes! (for Seiji) (1999)
2000年代
ヴァイオリンと管弦楽のためのツリーソング
Treesong (2000)
チェロと管弦楽のための抒情的素描《ハートウッド》
Heartwood (2001)
無伴奏チェロのための3つの小品
Three Pieces for Solo Cello (2001)
ホルン協奏曲
Horn Concerto (2003)
サウンディングス
Soundings (2003)
ヴァイオリンとヴィオラのためのデュオ・コンチェルタンテ
Duo Concertante for Violin and Viola (2007)
エアとシンプル・ギフト
Air and Simple Gifts for Violin, Cello, Clarinet and Piano (2009)
※エアはイタリア語のアリアに相当。バラク・オバマの大統領就任式のために編曲され、演奏された。
ヴィオラ協奏曲
Viola Concerto (2009)
ハープ協奏曲《オン・ウィローズ・アンド・バーチェス》
On Willows and Birches (2009)
2010〜20年代
オーボエ協奏曲
Oboe Concerto (2011)
ラ・ホイヤ四重奏
Quartet La Jolla (2011)
※音源不明
青少年のためのチェロ入門
A Young Person’s Guide to the Cello (2011)
※題名は、ブリテンの《青少年のための管弦楽入門》のパロディ。
ギターのためのラウンズ
Rounds (2012)
ピアノのための《会話》
Conversations (2013)
※各曲には会話を想像したジャズミュージシャンなどの名が冠されている。
第1曲はフィニアス・ニューボーン・ジュニアとエリザベス・フリーマン(マムベット)、第2曲はクロード・ソーンヒルとセロニアス・モンク、第3曲はチェット・ベイカーとマイルス・デイヴィス、第4曲はビリー・ストレイホーンとデューク・エリントンとブラインド・トム・ウィッジンズ。
前奏曲とスケルツォ
Scherzo for Piano and Orchestra (2014)
※あとから追加された前奏曲 Preludeは2022年に初演
金管のための音楽
Music for Brass (2014)
Just Down West Street … on the left (2015)
※音源不明
ヴァイオリンと管弦楽のためのマーキングス
Markings (2017)
チェロ、ハープと管弦楽のためのハイウッドの亡霊
Highwood’s Ghost (2018)
※バーンスタイン生誕100周年を記念した作品
ヴァイオリン協奏曲第2番
Violin Concerto No. 2 (2021)
ファンファーレと祝典作品 Fanfares and Celebratory Works
1980s
Jubilee 350 Fanfare (1980)
Fanfare for a Festive Occasion (1980)
Pops on the March (1981)
America, the Dream Goes On (1982)
Esplanade Overture (1983)
Olympic Fanfare and Theme (1984)
Liberty Fanfare (1986)
Celebration Fanfare (1986)
A Hymn to New England (1987)
“We’re Lookin’ Good!” (1987)
Olympic Spirit (1988)
Fanfare for Michael Dukakis (1988)
https://www.johnwilliams.org/compositions/concert/fanfare-for-michael-dukakis
To Lenny! To Lenny! (1988)
Fanfare for Ten-Year-Olds (1988)
Winter Games Fanfare (1989)
1990s
Celebrate Discovery! (1990)
Aloft … To the Royal Masthead (1992)
Sound the Bells! (1993)
※オリジナルは金管と打楽器のための作品
雅の鐘 Sound the Bells!(管弦楽版)
Satellite Celebration (1995)
Happy Birthday Variations (for Seiji Ozawa) (1995)
Summon the Heroes (1996)
after 21st century
Call of the Champions (2002)
Fanfare for Fenway (2012)
For “The President’s Own” (2013)
A Toast! (2014)
Overture to the Oscars (2021)
※冒頭の画像は©Choodcree