第一章:屋敷依頼編

依頼主達とネックレスを巡る話。
 名指しで依頼を受け、依頼主の待つ屋敷へとやってきたたたたらとかぐら。二人はそこで屋敷に仕えるメイドから“主のネックレスの捜索と破壊”を依頼される。
 謎の青年による邪魔が入りつつもネックレスを見つけたたたら達。彼らはそれが『神器』と呼ばれる強力なものであること、負のチカラを溜め込んでしまっている事を知り、浄化を試みることに。
 
 それは、ネックレスに宿ったいつかの記憶。笑顔が好きだと笑い、けれど姿を消したソラという少年と、彼に救われその再会を願い続けたハルの、辛くて幸せだった二人の思い出。
 
 ネックレスは浄化され、たたらはソラと、かぐらはハルと対峙していた。彼女にはもう会えないと笑うソラと、彼をうそつきと詰りながらも嫌いになれなかったハル。そんな彼らに、二人は自身のこれまでとこれからを重ねるのだった。
 
 *
 
 ハルとソラを再会させたたたら達。だが、彼が「ハル」と呼んだ人物はフィクサーで、それは彼自身の近い未来だった。だから彼は、たたらにこう頼んだ。

「僕も、彼女も、この先へは進めない。だから……君に、僕達を終わらせて欲しいんだ」

 尽きない後悔を抱えたまま現世をさ迷うか、浄化されあるべき巡りへと還るか。それが、フィクサーとなり果てた者の末路。それがこの世の摂理だからこそ、スピナーたちは救済を信じ彼らを浄化する。そして、大きくなってしまった彼らもそれを望んだ。笑顔を、望んだ。だから……。
 呪いも、想いも巡るこの世界で。また巡り合うために、彼らはさよならをした。その空は晴れやかに澄み渡っていた。

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