結婚してないのに死別した
知り合った時、彼は仕事を辞め海の近くに工場(こうば)を借り個人事業主としてスタートしたばかり。まさか彼女を作ろうとか結婚とか考える時ではなかった。
そんな中で一緒に暮らすことになり、お金がないのが平常運転で、それでも貧乏なりにふたりで笑っていられたのはずーっとずっと先に続く時間をも共有できる安心感だったのかも知れない。
そんな彼が急に亡くなり、一緒の時間は丸14年と少しだけで途絶えた。
不思議と未だに心にぽっかりと穴が開かない。彼がいなくなって1ヶ月が過ぎたけれど、いまわかるのは私が失ったのは彼の笑顔と声なのかも知れないということ。
4歳年下の彼が52歳、もうじき誕生日の私が55歳。これからどんどん歳が離れていくんだね。今日までと明日から、ただそれが毎日繋がってる。