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Love Yourself. Love Your Life.

今日で娘が生まれてから16年が経った。
16年間、あっという間で、感覚的には3年くらいに感じる、と夫に伝えたら俺は6~8年くらいの感覚だよと言われた。

子供はできないと思う。と
医師に言われたのが20歳くらいの頃で、
そうなんだ、まぁ別に仕方がないか。
バイオレンスな家庭で育ったので、私に子供を育てることはできないと、体ごと判断されたのかもなぁ、くらいに思っていた。

結婚するときに夫に子供について話すと
「いいよ」と笑顔だったし、
結婚して10年間夫と泣いたり笑ったり過ごしてきて、子供ができないならとミニチュアダックスフンドを家族に迎えた。
子犬の蓮を
子供のようにかわいがっていたら、
今度は人間の子供がお腹の中にやってきた。

凄く驚いた。
私、子供産むの? 育てることできるの?
一瞬不安になったけれど、
気持ちの切り替えは早いほうなので
家族増えるんだ!っと夫と大喜びし、
二人で子供が生まれるのを楽しみにしながら、毎日毎日いろんな勉強や準備をして過ごしていた。

16年前の今日、
出産は大変で死にそうになったけれど、
自分がヨボヨボでも
「絶対この子を大切に育てるんだ」
そんな風に野生動物のように母性本能がモリモリ出てきた。
私の中にも、もれなく母性本能が備わっていた!と驚いたことを懐かしく思う。
両親に頼ることもできないし、夫も仕事が忙しく、娘が小さな頃は一人で子育てをしてきた。産後の肥立ちが悪く、立ち上がることができなくて、暗くなっても電気をつけることができず、真っ暗な中で娘と過ごしていたこともあった。それでも娘と過ごす二人の時間は今まで経験したことのない幸福感で満たされていた。
少しずつ立てるようになり、さらしで作ったオムツを、天気のよい日に外で干すのが爽快だなぁ~と感じたり、娘に関するすべてのことが新鮮で楽しかった。
助産師さんに「自分をいたわってあげて」と言われてもどんな風に休めばいいのかわからなくて、フルスロットルで育児をしていた。
娘が1歳になるまでは、出産で疲れ切った私の体はガタガタしたままで、本物の野生動物みたいに四つん這いで育児をしていた。鏡に映る自分が、オオカミに育てられた人みたいに見えて笑った。
どんなに大勢の人混みの中でも、娘の声を聴き分けることができるのも母親の能力なんだと、知ることができた。

娘は赤ちゃんの時はよく笑う子だった。
私と目が合うといつもニコニコしていたし、
夜泣きも一切しなかった。
幼稚園に行き出すと、よく泣く子になった。
自分がつらい、というより
、友達が泣いていてつられて泣く、とか
テレビや本で悲しいシーンがあると泣くとか。
のんびりしていて、優しくて、大丈夫なのか心配になったけれど、
先生が「そこがいいところです」と褒めてくれたことで心が軽くなった。

娘のおかげで、いろんな歳のママさんたちとも仲良くなれた。みんな子供が同じ歳という共通点だけで集まっている集団だけど、個性豊かで面白かった。
集団とか、グループを作るのは得意じゃなかったけれど、私のことを面白く思って仲良くしてくれる人たちがいたのは有り難かった。
夫と二人で過ごしていた時よりも
娘が家族になってからのほうが、
毎日毎日あっという間で忙しかった。
でも、どんな瞬間も
楽しくて嬉しくて
笑顔がどんどん増えていった。

「母ちゃん大好き」
娘に言われると、
心がくすぐったくて温かくなる。
こんな風に自分のことを損得なしに大好きって言ってくれる存在にはじめて出会ったように思えたし、今もそう思っている。
私は自分の母と関係が良好ではなかったので、娘から愛情をもらえることに、
今でもびっくりしてしまう。
そんな風に愛される資格がある人間なのか、と自分に対して
厳しくジャッジしてしまうのだ。
めちゃくちゃだった心の中が、
娘からの愛情をもらい
ゆっくり整っていくようにも感じた。

「母ちゃんが母ちゃんだから大好きなんだよ」
と、娘はよく言う。
「りぃりがりぃりだから大好きだよ」と
娘が小さな頃から言ってきたことを、
今度は娘から言われていることに気がついた。

娘のおかげでたくさんのことを学んで、
成長できたように思う。
素敵な母親になれている気は
全くないけれど、
面白い母ちゃんとして16年間過ごしてきた、と思う。
そして、
どんなときも娘とちゃんと向き合ってきた。
娘に助けが必要なときには、
全力で力になることを伝えている。
そして私もわからないことは一緒に考えたり、娘から教えてもらっている。
自分の子供の頃とは社会が大きく変わったから、日々娘から学ぶことが多い。
娘と向き合うことで、自分ともしっかり向き合うことができている。

誰かにかっこ悪く思われてもいいけれど、
娘にだけは、かっこよい人と思われたい。
だから、内面だけでも美しくいたいと思っている。
私が病気になってたくさんかっこ悪いところを見せてしまったし、
今も迷惑をかけることが多くて申し訳なくなる。
それでもどうにか気持ちを持ち上げて
毎日を楽しく過ごせているのは
娘の存在があるからだ。

16歳になった娘を見上げる。
身長は私より大きい。
大きくなったなぁ。私の子供なんだなぁ、
なんか嘘みたいって今も驚いてしまう。

あの赤ちゃんがあっという間に育ったよ。

夫も、いい夫だけでなく、
「素敵な父ちゃん」になっていった。
娘が赤ちゃんの頃から、
夜中のおむつ替えや、病気で吐きっぱなしの娘にいやな顔は一切せず、いつも優しく笑顔で接してくれていた。
私が病気になった後は、学校のことなどすべて夫が対応してくれた。
今も変わらずに娘に優しい夫。
夫が父親になるって20代の頃は想像つかなかったけれど、娘が生まれても、夫は夫のまま、威厳がある父親らしい、とかはあまりないけれど、大切に娘を育ててくれていて感謝している。

今は
娘のお姉ちゃん的存在の蓮が亡くなって、
娘の妹分である、カニヘンダックスフンドのロビンが大騒ぎしている毎日だ。
今、こうして過ごしている日々を、
夫と出会った頃には想像もしていなかった。
優しいだけの時間じゃなくて、
ハードでキツいこともたくさんあったけれど、家族がいたから乗り越えてこれた。

娘が16歳になり、
夫と私と娘とロビンで
いいチームになったなぁ、としみじみ思う。

娘がすくすく育ったのは、
出会ってくれたあたたかく優しい大人の方たちのおかげでもある。
娘のことを自分の子供のように
心を込めて可愛がってくれた。
いろんな生き方を見せてくれた。
今もこれからも、
本当に感謝の気持ちでいっぱい!だ。

娘が先日「両親が仲良すぎて嫌じゃない?」っと聞かれたらしい。
「昔っから仲良しだし、何も気になりません。私も父や母のような夫婦に憧れています」 と答えたそうだ。

なんて言うか、
日本人は結婚すると家族になってLOVEが薄くなるみたいだけれど、
好きな人と結婚したのならば、
私はこの世を去るときまで仲良くしていたいのよ。まぁ、私の考えだし、夫婦仲良しが嫌な人もいると思う。今はいろんな考えがあるから、自分の好きなように生きればいいよ。って娘に伝えた。

娘がどんな人と結婚するのか、考えると、楽しみでもあるし、ぐわーーーってなる。
これからもいろいろあると思うけれど、
疲れたら甘えたり頼ったりしてくれればいい。
娘がどんなに大きくなっても
私は娘の「母ちゃん」なのだから。
まだまだたくさん
家族で笑いながら過ごせる時間を
大切に過ごしていきたい。

娘の大好きな言葉
「Love Yourself. Love YourLife.」
を心に、私も毎日を
彩りながら生きていきたい。

私の娘に生まれてきてくれて
本当にありがとう。
今日も暑苦しく娘とハグをたくさんした。
夫とロビンと私と娘で
グループハグもたくさんした。

娘の16歳が
素晴らしい一年でありますように。






最後まで読んでいただき
ありがとうございます。

心から感謝の気持ちを込めて。

横山小寿々


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