経腸栄養管理パンフレット
経腸栄養を在宅で実施する際に心配されるご家族の方が多かったのでオリジナルでパンフレットを作成していました。共有します。ご活用下さい。
口から食物を食べることができない、または体に必要な栄養素を口からでは十分に取り入れることができない場合に、胃ろうや栄養チューブを使って、栄養素を胃や腸に直接補給する方法をいいます。
1.鼻から栄養チューブを入れて補給する方法
鼻から細い栄養チューブを胃や十二指腸まで入れて、栄養補給をする方法です。
2.胃ろうや腸ろうを作って補給する方法
胃ろうや腸ろうは手術をして作ります。短いチューブやボタン型チューブを胃や腸に入れて、栄養補給をする方法です。比較的簡単に取り扱うことが出来ます。
胃ろうや腸ろうにはチューブに種類がいくつかあります。
1.栄養剤や内服薬の注入
医師の指示で決められた回数(例:1日に3回)、決められた量の栄養剤や内服薬を注入してください。注入の方法は訪問看護師と確認してください。
2.栄養剤の準備
栄養剤は医薬品として処方されるもの(例:エンシュア、ラコールなど)と、食品としてご家族に購入していただくもの(例:メイバランスなど)の2種類があります。食品として購入していただく場合は、どのように購入したら良いかかかりつけ医に相談すると良いでしょう。不明な場合は訪問看護師へご相談ください。
3.看護師に連絡してほしい時
栄養チューブが詰まった時、下痢が1日3回以上ある時、嘔吐してしまった時、栄養チューブが抜けてしまった時や栄養剤がもれ出てしまう時は、訪問看護師へご連絡ください。
何かありましたら、訪問看護ステーションまでご連絡ください。
栄養剤を注入するスピードはどのように合わせたら良いですか。
使用していただく専用接続チューブは、20滴でおよそ1ml注入されるチューブになります。例として500mlを4時間かけて注入する場合は、10秒間に約7滴落ちるスピードで注入してください。注入開始はスピードが変化しやすいため、こまめに確認するとよいでしょう。
栄養剤はどのように保管したら良いですか。
高温多湿を避け、冷暗所に保管してください。また使用期限や賞味期限がありますので、期限を過ぎてしまったものは使用しないよう注意してください。
注入している時にたんが絡みます。吸引しても良いでしょうか。
吸引して大丈夫ですが、吸引の刺激で誤嚥や嘔吐することがありますので、栄養剤の注入を一度中止してから吸引してください。吸引後は注入の開始を忘れないように注意してください。
下痢が続いているのですが、どうしたら良いでしょうか。
注入するスピードが速いと下痢症状を起こしやすくなります。下痢が見られるときは、注入するスピードを遅くする(例:4時間を4時間半など)と改善することがあります。1日に3回以上下痢が見られる場合は、訪問看護師へご相談ください。
栄養剤を購入するために、何か補助金などはありますか。
残念ながら補助金や減免などの制度はありません。医師から処方される栄養剤は、健康保険が適応となりますのでそれぞれの負担額(1割~3割)で購入することが出来ます。
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