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この時代になぜ印刷なのか?

壮大なテーマにしてしまいましたが、普段感じていることを少し。

様々な印刷屋のパターンがあると思いますが、当社は基本的に既存のお客様をまわる、いわゆるルート営業の会社です。なので、新規での印刷物をご発注頂く場合より、定期刊行物の発行や、会社案内の増刷などといった、実績のあるお仕事を繰り返しご発注頂く場合が多いです。

もちろん、そのようなお仕事の規模は小さくなってきています。これは当社に限った話ではなく、業界全体として、その市場規模は年々縮小しています。その理由は色々な要因があるかと思いますが、一番個人的に感じるのは、webへのシフト傾向です。

わざわざ紙に印刷しなくても、webにアップすれば良いよね、って考え方です。

この物価高の中でもコストは安く済むし、物理的なスペースも取らない。ページ数も制約が無く、沢山の情報を掲載することができる。というかそもそも紙の文章なんて、紙離れの時代なんだから誰も読まない。古臭くて取っ付きにくい。沢山の資源を使って環境にも良くないよね。印刷なんて必要ない。

だったら、webでいいんじゃない?って考え方は、普段営業をしていて痛い程分かります。かく言う私自身も、webは便利だと常々思いますし、否定することは有り得ません。

一昔前は、大量の印刷物が存在していました。何十年も人生を送っている訳では無いですが、それこそ「刷って捨てる」程の印刷全盛時代があったのだろうと思います。

ただ一方で今は、この現象がwebで起きているのではないか?とも思います。身の回りにはインターネットが当然のように存在し、常時接続されている時代です。webこそ「アップして捨てる」程、膨大な情報が溢れているのではないかと。紙なんか要らないよねっていう時代なのに、だからと言ってwebもどうなんだろう?と思うことがある訳です。便利なもののはずなのに、かえって不便に感じる逆転現象が起こっているのではないか?そんなことを感じています。

だからこそ、紙という発信方法を選択し、わざわざ印刷をして、物体として形に残すことは、とても重要なことだと思う訳です。紙だからこそ意味がある、印刷をするからこそ伝わるものが、この時代には確かに存在していると。そう信じている訳です。

当社は総合印刷会社で、webのお仕事も承ります。場合によっては、印刷しないという選択肢をご提案することもあります。印刷機は最新鋭の設備ではないし、出来ることには限りがあるかもしれない。ですが、そんな考え方を忘れずに、印刷を選ぶお客様には、できる限り全力で向き合っていきたいと、そう思っています。

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