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備えあれば憂いなし

「備えあれば憂いなし(患いなし)」
万一に備えて、あらかじめ準備をしておけば、事が起こっても少しも心配事がないこと。主に災害に対しての「備え」として使われる言葉の印象が強い方が多いと思う。
その一般的な意味に加えて、僕はメンタルでもこの考えは大切だと感じている。それを強く感じたきっかけは、今シーズンの京都戦。

この試合は、欠場者が多くいつもの違う状況でプレイしなければならない試合だった。自分はベテランとしてこういう困難な状況でこそ活躍しなければと思い、活躍して試合に勝つ良いイメージをもって試合にのぞんだが、結果は思い描いていた通りにはならなかった。
特に目に見えるスタッツなどの結果だけでなく、理想と現実のギャプに焦り、常にイライラした状態で最悪のメンタルでプレイしてしまった。
試合後に改めて自分の状態を振返ってみて、自分のキャリアのうまくいかなかった試合を振り返ると得点をたくさん取ろうとかビックショットを決めてやろうとか100点満点の出来をイメージして、現実とのギャップに引っ張られ結果に執着していた事が多く、逆に良かった試合は特に気負いはせずに自然体でプレイし、プロセスにフォーカスできていたことが多かったと気づくことができた。
そこからは常に満点を狙うのではなく、最低限70~75点の出来はキープするという意識を持ち、プロとしてできる仕事の最低限のラインを定めて、試合中も「今のところ満点ではないけど、まだ最低のラインまでは落ちていない」という考えでプレイするようにしてみた。すると、理想とのギャップにイライラすることも少なくなり、落ち着いたメンタルでプレイできるようになったので、今その瞬間に自分がやるべき事に集中できるし、チームメイトの表情や周りの状況も落ち着いて見れるようになった。最終的にはシュート確率などスタッツなど目に見える結果としても現れるようになってきた。

もしかすると一般的には成功する自分をイメージして、試合後のインタビューの言葉やガッツポーズまでも具体的に考えておくことが良いイメージトレーニングとされているかもしれないけど、僕には考えられる最低の状況を想定しておくほうがメンタルの振れ幅を保つには合っていた。
Bリーグは毎年競争力が増し、負ける事もあれば、連敗することだってある。今の僕は、対戦相手の実力などを冷静に分析して考えられる最悪の戦績を想定に入れるようにしている。人によってはプランBを持つなんて言い方をする人もいるかもしれない。それは決して負けてもOKということではなく、その結果も想定した上で、勝ちを取りに行くという感覚だ。
1つの勝ちや負けに対して感情を入れすぎないことで、大敗したとしても落ち込みすぎなくなったし、大勝したとしても驕らすまた次戦へ準備することができるようになってきた。

一見するとネガティブな印象も受ける方もいると思うが、ポジティブでいる為、自分のメンタルの振れ幅を少なくするためにこの考え方は僕にはあっていた。心の振れ幅が大きくなることが自分にとっては一番よくないことなので、とにかくその幅をできるだけ小さくすることにフォーカスしている。
選手によっては常にポジティブでプラスのイメージを持って感情を爆発させてプレイする方がパフォーマンスが出せる選手もいると思う。
大事な事は自分にあったアプローチを見つけることだ思うので、僕の考えが絶対だとは思っていない。でも、スポーツだけでなく仕事での大事な商談やプレゼン、人生を長い目で見た時に生かせる場面はあると思うので、参考になれば嬉しいです。             石井 講祐

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石井講祐(ishii kosuke)
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