わかってる!わかってて良いことわからない良いこと
学びを楽しく教育エンターテイメント
いーちゃんこと、岩崎弘資(こうすけ)です。
今日のテーマは「わかってる!わかってて良いことわからない良いこと」です。
このテーマの時点でだいたい察しがついている気もしますが、
「アレですよね!わかったフリすんなよみたいな、そういうことを言いたいでしょう?わかってますよ!」
「どうせ『わかってるって勘違いしないようにしよう』みたいなことを言うんでしょう?」と思っているかもしれません。
半分そのとおりなのですが、今回はもう少し深く考えて、ぼくたちが「わかってると思っている」ことによるありがちなミスや弊害、
自分に対して「わかっていないのでは」と考える強さと、「わかってる」ことによる弱さがあることをお話していきます。
自分との会話でも人との会話のなかでも、自分が「わかっている」と思うのもある程度はいいのですが、
人と接するなかでこの「わかっちゃってるよ感」があふれていると、嫌われやすいときもあれば、運や人の力を借りる、つまり他力を使うときに、損しやすいときもあります。
マウントを取ったり「おれ、知ってるよ」という雰囲気を出していく方が強く感じ、リーダーになる人もその姿勢の方がよいのでは、という人もいます。
もちろんそういった「わかってる」というリーダーにも憧れますし、ある面ではいいなと思いますが、
ぼくが仕事を通じてリーダーポジションを率先してつかむ中で、ぼくなりの結論は、
「わかってない」ほうが得をする、です。
哲学者のソクラテスが「無知の知」を見つけました。
ソクラテスはある神様に会っていわれました。
「おまえは、世界で1番頭が良い」
ソクラテスはびっくりして、
「いやいや!私より頭のいい人はたくさんいます!大尊敬している人もいて、私なんか全然、たいしたことないのです!」
でも自分に対してそう思うと同時に、
「神様のアドバイスを無視するのも変だ」と思いました。どうして神様はそんなことを言うのだろうと、自分より頭が良いと思う人に会いに行きます。
そうすると、やはりみんな頭がいいなとソクラテスは思い、神様はなにをいっているのだろう、みんなたくさん物事を知っているじゃないかと、
さらに何人もの人にソクラテスは会いに行き、その結果気づきました。
神様がぼくに対して1番頭がいいと言った理由は、この人たちはみんな「わかってる」「すべてわかった」と思っているために、探究心や、もっと知識を深めていこうとする姿勢を失っている。
「知らないということを知っている」のは、とても大事だと、「無知の知」という考えが生まれたのです。
みなさんも感じているとは思いますが、
上から目線になってしまうのは「全部わかっている」と決めつけてしまうときです。
ある程度、模範解答を「わかってる」ことは大事です。
たとえば社会においても、ビジネスマナーや丁寧な言葉づかいなど、基本的なことをあらかじめ覚えるのは大切です。
ビジネスマナーがしっかりしているのは素敵なことですが、丁寧な言葉づかいがかえって人との距離をとってしまうこともあります。
そのときには、あえて言葉を崩していくのです。
そのとき変に「ビジネスマナーを私はわかっている」とするよりも、このプロジェクトを前進させていくには、「型どおりの言葉」ではなくラフな言葉を選択するのがいい、と切り替える柔軟さも大切です。
逆に「自分はわかっているので」と自己完結すると望む結果は得られません。ぼくも今まで「わかったフリ」をして、何度も失敗を経験しました。
「わかったフリ」でえらそうにして、少しうまくいけば天狗になり、一時期人間関係がしっくりこないなと思い相談をしたら、「自分が変に勝ってしまう状態」が良くないなと教えていただきました。
ただ「自分がわかってないフリをする」のではありません。一緒になって考えることが大事です。
わかってないフリをしても、人は感じ取り、気づきます。「この人わかってないフリしてるなぁ」と。
聞いている方もはぐらかされてるようで、本当のことを話しづらい人になってしまいます。
わかってないフリをしましょうねという話ではなく、
同じ目線で一緒に考えるのです。
そこに親近感や信頼、一緒になって考えてくれる人なのだというメッセージが伝わります。
その方が、強みになりやすい時代です。
インターネットもなかった昔は「わかっている」ことは強みだったのです。
ただ今は調べれば何でも出てくる時代で、わかっていることの特権が強さを発揮しづらいです。
だからこそ、一緒になって考え、目標をどうしたら成し遂げられるか、ともに悩みながら進める人がとても強いのです。
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