キラキラしたトビタテ生の中で劣等感の塊だった僕がいま、トビタテOBOGコミュニティづくりに関わっている理由。
トビタテ!留学JAPAN 4期生の西井孝輔です。
現在僕は「とまりぎ」という トビタテOBOGコミュニティで、関西を中心に10年後20年後を見据えたコミュニティづくりにコアとして関わっています。
僕がトビタテに採択されてからもう3年半以上経ちましたが、その3年間は正直しんどいことが多かったです。トビタテのコミュニティにいるのが苦しかった。
劣等感を感じて自信を失ったり、プライドを保つために自分を大きく見せたり、弱い自分を隠すために強いフリをしたり、、
そんな自分が、本当にたくさんの経験、出会い、挫折を経て、やっと最近ありのままの自分を認めてあげられるようになりました。
今回シェアしたいのは、3年前、キラキラしたトビタテ生の中で劣等感の塊だった僕がいま、トビタテOBOGコミュニティの運営をするようになるまでのお話です。
(この記事では、自分が今までほとんど話して来なかったけれど、今だからこそ発信したい、発信しなきゃいけないと思っているコトを綴っていきます。
正直どういう反応が返ってくるか不安で怖いけれど、これをシェアするためにnoteを始めたと言っても過言ではありません。誰か1人にでも何か伝わるものがあれば幸いです。)
自分はトビタテコミュニティに相応しい人じゃない。
2016年3月 当時19歳だった僕は、文部科学省講堂にて行われるトビタテ!留学JAPAN4期生壮行会に参加するために、人生で2度目の東京に来ていました。
当時の自分は世間知らずで中途半端な学生でしかなく、学部1年生でトビタテに採択されて調子に乗っていました。
「東京・霞ヶ関にいる」それだけではしゃいで、意気揚々と文科省に入っていった僕ですが、壮行会とアフターパーティに参加後の僕は、劣等感でいっぱいでした。
壮行会でもアフターパーティでも、僕はほとんど誰とも話せませんでした。
言い訳でしかないけれど、それまで大学以外のコミュニティには全く属しておらず、しかも単科大学に通っていた僕は、興味関心も違えば年齢も離れた人と話す方法がわかりませんでした。
しかも、軸があってアツく尖りまくっているトビタテ生の前で、僕はみんなの注目を引ける魅力を何一つ持っていなかったんです。
本当にカッコ良く自分の夢や留学計画について語るキラキラしたトビタテ生の中で、何も持たない僕は一人 みんなの話を聞いたふりをしていました。
『僕は未成年だから、お酒を飲んでアツく語ってるみんなにシラフではついていけない』
アフターパーティーではそう自分に言い訳して、弱い自分を正当化していました。
アフターパーティーの後、二次会の「に」の字も聞く前に逃げるようにしてホテルに帰ったのを覚えています。
その時に悟ったのは、
「自分はこのコミュニティに相応しいような人材じゃない。僕にはレベルが高すぎた。」
ということでした。
(こんな場所に来るのも初めてで、本当に何も話せなかった気がする。)
事前研修 -二度目の挫折-
今の自分から振り返ってみても、正直僕の留学計画はよく審査に通ったな、と思えるほど もの凄く幼稚なものでした。
トビタテには自分の留学計画をより良いものにするための研修があるのですが、そこでも僕の留学計画は散々ダメ出しをくらいました。
幸か不幸か、事前研修のグループは当時修士1年の先輩が3人と学部4年生が1人というメンバーで、そこに学部1年終わりの僕がポンと入った形でした。
他のメンバーの計画は、現地でのインターンや研究を含んだ本当にずっと話を聞いていたいようなカッコ良い内容でした。
それに引き換え自分の留学計画は、現地での実践活動先も決まっていなければ、留学先でやりたいことも曖昧。それっぽい理由を語っているだけで中身はスカスカ。
改善点を探したくても、どこをどういじれば良くなるのかすらわからないような内容でした。
(今の僕を知ってる人が見たら、本当に幼稚すぎてびっくりすると思います。笑)
(今見るとマジでやばい内容。汗)
就活でいう自己分析のようなワークもあったけど、本気で自分と向き合うのが怖かった僕は 自分の軸なんてわからず、貴重な時間を本当に無駄にしてしまったと思います。
それでもなんとか話についていきたい、見下されたくないという想いだけで、必要以上に自分を大きく見せようと必死でした。そんなことをしても自分は変わらないのに。
帰宅後、ドッと疲れたことを覚えています。
研修で普段話せないようないろんな人と話すのはすごく刺激にもなったし、本当に楽しかった。自分の世界が広がった実感もありました。
でもそれはありのままの自分としてではなく、ただの繕った自分でしかありませんでした。
上が当時書いてたモチベーショングラフと出来事、下が3ヶ月弱前に就活の自己分析で書いた人生のモチベーショングラフ(一部ぼやかしてます)。
久しぶりに見返してみて、事前研修の時は嘘ではないけど本気じゃないのがすげえわかる。多分やる意味もなかった。
留学へ
それでも留学は本当に楽しみでした。
もともとバングラデシュ人の友達が保育園の頃にできて、それ以来漠然と海外や英語に興味がありました。
だから、海外に行ったことは1回もなかったけど、大学生になったら留学したいなあ、なんてぼんやり考えたりはしていました。
(バングラデシュ人の友達と僕。懐かしい。)
偶然でもその夢が叶うチャンスを掴んで、留学先では本当に楽しかった。
友達のホームパーティーに参加したり、現地の小学校でボランティアをしたり、カリフォルニアの田舎の満点の星空を眺めたり、街で市民と話したり。
見るもの全てが新鮮で、たくさんの刺激に囲まれて留学ができました。
もちろん苦しいことや難しいこともいっぱいあって、悩んだこともたくさんありました。でも、それでも今思い返すと本当に楽しかったなあ、と思えます。
現地で20歳の誕生日を迎えたけど、アメリカは21歳から飲酒可能なのでお酒が飲めなかったのはいまだに心残りですが、、苦笑
事後研修 -留学で自分は何を成し遂げたんだろう-
それなりに楽しかった留学生活から僕を現実に引き戻したのは、やっぱりトビタテでした。
事後研修の場で、留学での学びを最大化するための振り返りを行うのですが、僕は何も成し遂げていないことに気付いたんです。
同じグループのメンバーは、「研究で論文を書きました!」「インターンでこんな成果がありました!」「結果は出なかったけど、こんな学びがあったので、それを今後に活かします」などと、何かしらの経験を自分のものにしていました。
一方僕は、目に見える結果も無ければ、何かを成し遂げたとさえ思えなかったんです。
今にして思えば、定量的な成果こそ無いに等しかったかもしれないけど、確実に留学先で感じたことが自分の糧になっていると思えるし、トビタテでの挫折経験も同じように今の自分になくては困るものです。
でもやはり、当時の自分には劣等感ばかりで自分に自信を持てませんでした。
自分の留学生活を否定してしまい、留学に行った意味があったのかな、などと自問自答を繰り返していました。
たくさんの出会い
時間は前後しますが、壮行会・事前研修で感じた劣等感が、僕にはとても悔しかった。
狭いコミュニティに属していて、自分はまあまあできる方だと思っていました。なのに、たった1,2歳か あっても5つくらいしか違わない人と自分の間にめちゃくちゃな差がある。その事実が悔しくて仕方ない。
意外と頑固で負けず嫌いなところがある自分には、本当に悔しかったんです。
その中でも圧倒的に衝撃だったのが、理論物理学で博士課程にいた1期生のトビタテ生との出会いでした。
彼は1年生から研究室に所属して研究を続け、ノーベル賞学者とも話したことがある、本当に自分とは全く違うレベルだと思えるような人でした。
僕が彼を尊敬している1番の理由は、専門である物理学だけじゃなく、古典から政治、社会学などあらゆる知識に貪欲で、誰のどんな話題にも付いて行って議論できるところでした。
彼は元の能力も高いかもしれないけど、それ以上に努力を重ねていたんです。
そんな彼を間近にして、元々のスペックも高くないのに自分に言い訳する時間があったら、少しでも勉強して彼に近づく努力をしようと思うようになりました。
研修が終わってから留学に行くまでの数ヶ月で100冊くらい本を読み、いろんな記事やニュースを読み、たくさんのトビタテ生にそれぞれの専門の話を聞きに行きました。
今、それなりにいろんな人の話に付いていける(と思っている)のは、この期間があったからで、本当にその先輩には感謝していますし、今もまだまだ その後ろ姿を遠くで追いかけ続けています。
加えて、たくさんの人のお話を聞けたのは、自分の能力は置いといて『トビタテ生である』という肩書きがあったから。
トビタテの集まりで聞けた いろんな専門を持つトビタテ生の話は本当に面白いかったし、自分の幅を広げてくれました。
このような気付きとチャンスを与えてくれたトビタテには、本当に感謝してもしきれないくらいに感謝しています。
(今、この写真に写ってる人と、どんな話ができるんやろう。)
目立つ人だけが目立つコミュニティは面白くない
トビタテ生の集まりにたくさん足を運んで、いろんな人のお話を本当にたくさん聞きましたが、その中で 今でも1番大切にしている言葉があります。
それは、
目立つ人だけが目立っているコミュニティなんて面白くない
という言葉です。
これは2016年までトビタテコミュニティ作りに奔走しておられた、故押鐘氏にかけられた言葉でした。
留学直前にの何処かのタイミングでお会いして、その時にどんな脈絡だったかは定かではないのですが、彼のおっしゃっていた言葉がこれでした。
それが今でも強く心に残っています。
走り続けて、ふと気付いたこと。
そんなことがあったりしながら、帰国後も懲りずにトビタテのコミュニティに顔を出し続けました。やっぱり悔しかったし、もっと成長したいと思っていたから。
奈良に住んでいたけど、京都にも大阪にも神戸にも行って、いろんな人と会って話を聞き、いつの間にかたくさんの人と話せるようになっていました。
やっと飲み会の場に慣れてきたのか、それなりに最低限の教養が身についたのか、ただ単に知り合いが増えたことで色々話せるようになったのか、何れにしてもトビタテ生の集まりでも うまく場に入っていくことができるようになったんです。
最初は偶然と悔しさから関わることになったコミュニティだけど、結果的に自分を大きく大きく成長させてくれたトビタテには本当に感謝していて、その恩返しのつもりで事前研修や事後研修などのお手伝いに行ったり、地元の中学校で講演をやったり、大学で説明会を開催したりもしました。
ただ、その中でふと気付いたことがあったんです。
自分と同じように、このコミュニティに居づらさを感じる人はいるんじゃないか。
研修のお手伝いに行っても 楽しそうな人たちの中にしんどそうな顔をした人がいたり、飲み会の場で あまり話せず居心地悪そうにしている人がいたり。
その時に思い出したのが、先ほどの押鐘さんの言葉でした。
”目立つ人だけが目立っているコミュニティなんて面白くない”
それなりの倍率を勝ち抜いてきた それぞれ強い想いを持つトビタテ生は、社交的か内向的か、人と話すのが得意か不得意はおいといて、みんな本当にアツくて素敵な人ばっかりなんです。
例外なくみんな面白いし、それぞれ別の得意を持っているし、何よりアツい気持ちを持っている。
将来このコミュニティにいる人でコラボできれば日本を変えていけると本気で思う。
なのに、自分の話をするのが苦手だったり、周りに圧倒されて自分を出せない人がいて、そのせいでコミュニティから離れてしまうのは本当にもったいないと思ったんです。
過去の自分と同じような人がいて欲しくない。
だったら、自分がそんな人たちの支えになろう。
そう決意しました。
とまりぎ
そんなタイミングで、「とまりぎ関西のコアメンバーとして動いてみないか?」とのお誘いが、当時の関西代表の方からありました。
とまりぎ → https://tobitate-net.com/
迷わず参加を決めました。
今 大事にしていること
そんな僕が大事にしているのは、トビタテのコミュニティを
目立つ人も目立たない人も、いつでも誰でも好きな時に、安心して帰ってこられる場所。
にすることです。
こんなにアツくて素敵なメンバーでいっぱいのコミュニティ、自分を成長させてくれたコミュニティを、もっともっと良いものにしたい。
10年後、20年後も刺激を与えあって、日本を変えられるようなコミュニティにしたい。
トビタテを、最高のコミュニティにしたい。
そのためには、目立つ人だけが目立っているコミュニティじゃダメだと思う。
自分に自信がなくて、トビタテのコミュニティに顔を出しづらい人もいるかもしれない。
留学で結果を出せなくて、引け目に感じている人がいるかもしれない。
飲み会での交流が苦手な人もいるかもしれない。
自分はGIVEできるものを持っていない、と感じている人がいるかもしれない。
「自分はトビタテに相応しくない」と感じている人がいるかもしれない。
そんな風に思っている人でも、安心して顔を出せる場所にしたい。
時期によっていろんなモチベーションの人がいるだろうし、今は会社のコミュニティや家族との時間、大学のサークルだけで十分だと思う人もいると思う。
そういう人でも 例えば3年後、「トビタテに帰ってきたいな」と思ったら 気軽に帰ってこられる場所にしたい。
それを大事にして、精一杯動いています。
これまでと、これから
実際に関西で1年半動いてきて、飲み会に50名以上集められたり、6月におこなった最新のイベントでは新規参加者が10名以上いたり、ゆっくりと多くの人を巻き込めるようになってきていると思います。
でも、多くの人を巻き込むのが目標ではなく、『目立つ人も目立たない人も、いつでも誰でも好きな時に、安心して帰ってこられる場所』にすることが目標です。
だからまだまだ、その目標のために頑張っていきます。
今後はトビタテの価値を外部に発信していきたいと思っているし、支援企業を巻き込んでの仕掛けもやっていきたいと思っています。
もしたまたまこのnoteを読んだトビタテ生がいれば、たまにはトビタテコミュニティを思い出して、フラッとイベントや同窓会に参加してください。
何か一緒にやりたいって人は、声をかけてください。
同窓会→ https://www.facebook.com/events/2752537884787641/
とまりぎHP→ https://tobitate-net.com/
最後に
僕はトビタテで挫折も経験したけど、今ではその経験がなかったら今の自分もないと思っています。
もし今、苦しい状況やしんどい時間にいる人も、いずれその時間があってよかったと思える日が来るかもしれません。
その時を待って、時には少し休んだりしながら、それぞれのペースで頑張りましょう。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
追記:同窓会リレーブログにも同じようなことを書きましたので、よかったらこちらもぜひご一読ください!
【TOBITATE祭リレーブログ第3弾】ありのままでいられるトビタテコミュニティを、未来につなげていきたい。
https://tobitate-net.com/2019/07/03/post-3573/
note読んでいただき ありがとうございます! 頑張って執筆していきますので、よかったら次の記事も読んでみてください!