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短編小説「皆へ」
皆さんこんにちは😃
今日も元気なコースケです♪😚
さ、今日も短編小説を投稿します😆↓
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「皆へ」No,2/1000
第一章:笑顔の真ん中で
花村大樹(はなむらたいき)は、小さな地方の町に住む穏やかな青年だった。彼は地元の商店街で働きながら、週末になると地域の集会所で「笑顔の会」という集まりを開いていた。
「笑顔の会」は特別な目的があるわけではなく、ただ皆が集まって話したり、歌ったり、食べたりする場所だった。若者からお年寄りまで誰でも参加でき、特に難しいルールもない。ただ「笑顔でいること」が暗黙の約束だった。
ある日、常連の中学生、沙良(さら)が大樹に尋ねた。
「どうして『笑顔の会』なんて始めたの?」
大樹は少し考えてから、柔らかく笑った。
「小さい頃、うちの家族ってみんな忙しくてバラバラだったんだ。でも、みんなで笑顔になれたときだけ、家族が一つになった気がしたんだ。それがずっと心に残っててさ。」
沙良は少し考え込んだ後、小さな声で言った。「…いいね、それ。」
第二章:嵐の日
しかし、「笑顔の会」にも暗雲が立ち込めた。町の外に大規模な工場を誘致する計画が持ち上がったのだ。雇用が増えるという期待と同時に、自然環境の破壊や町の風景が変わることへの懸念が広がった。
会議で激しく議論する町民たちを見ながら、大樹は黙ってその場を離れた。集会所の外に出ると、重い雨雲が広がり、ポツポツと雨が降り始めていた。
「こんなときに、何が『笑顔』だよ…。」
雨の音を聞きながら、大樹はふと自分の無力さに苛まれた。
そのとき、肩を叩かれた。振り返ると、そこにいたのは沙良だった。
「笑顔があるときって、争いなんてないよね?」
沙良のその言葉に、大樹はハッとした。彼女の澄んだ目は、まるで「どうして笑顔を信じないの?」と問いかけているようだった。
第三章:心の再生
その夜、大樹は商店街で一人一人に声をかけた。おじいちゃんおばあちゃん、商店の店主たち、子どもたち。一人一人にこう伝えた。
「今度の日曜日、集会所に来てくれませんか?いつもみたいに、ただ集まって話したり笑ったりするだけです。」
町の人々は最初は戸惑っていたが、大樹の真剣な様子に押され、次第に顔を見合わせて頷き始めた。
その日曜日、集会所には久しぶりに大勢の人々が集まった。普段の「笑顔の会」よりもずっと賑やかで、初めて来る人もいた。お茶を飲みながら、町の未来について自然と話し始める人々。議論や意見の交換はあったものの、不思議と険悪な空気は漂わなかった。
「この町には、こうやって笑顔で話せる場所が必要だよね。」
誰かがそう呟いたとき、大樹は胸が熱くなるのを感じた。この町の人々には、違いを乗り越え、笑顔で共に生きていく力があると確信した。
終章:皆のために
それから数ヶ月後、工場誘致の話は一旦保留となり、町のあり方を改めて議論する場が設けられた。「笑顔の会」はさらに多くの人が訪れるようになり、町のシンボル的な存在となった。
ある日、大樹は会の終わりにこう話した。
「僕がここに来る理由は一つだけ。皆の笑顔が見たいからです。そして、皆の笑顔が、僕を幸せにしてくれます。」
その言葉に、集まった全員が拍手し、笑顔になった。
「ありがとう。お互い様で、お陰様。だから今日もおめでとう。」
大樹のその言葉に、誰もが静かに頷き、また一つの笑顔が広がった。
(完)
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ここまで読んでくれてありがとう🥰
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では、またお会いしましょう、良き一日を😌🍀