予知とイメージ 集中力の世界

2024年、テニスの個人レッスン、最終日。
「自分の球が2メートル先まで飛んでいく。そこまで見てから相手に視線を戻して。」

そう言われて、練習がはじまる。

球が来る。構える。手札から打ち方を決める。フォームをイメージする。実際に打つ。2m先まで球を見ている。一瞬の残像が残る。相手に視線を戻す。

球が来る。構える。手札から打ち方を決める。フォームをイメージする。実際に打つ。2m先まで球を見ている。一瞬の残像が残る。相手に視線を戻す。

球が来る。構える。手札から打ち方を決める。フォームをイメージする。実際に打つ。2m先まで球を見ている。一瞬の残像が残る。相手に視線を戻す。

無駄なくなめらか、行きつ戻りつ「いまここ」に没頭して、その動きだけに焦点をあてつづける自分。
繰り返すうちに、他の思考が介在しない一瞬が訪れる。「知らないテニス」をしている状態を、内面のセンサーが外部から感知する。
一連の動作を流れる時間の中に「余白」ができたような。あるいは「緩急」のコントラスト。

「その状態のまま、どこにどういう球を打つのかをイメージして打ってみて。ネットのどこを通る? 軌道は? 山なり? 鋭角? 勢いは? 球はどの方向に回転している? 風をどう切って進んでいる? 着地したらどう跳ねる?」

球が来る。構える。コンマ以下数秒後に飛んでいる球のイメージを「ここに」先取りする感覚。どこに向けてどのように打つか「決める」。実際に打つ。2m先まで球を見ている。一瞬だけ残像を捉えた感覚が残る。相手に視線を戻す。

球が来る。構える。コンマ以下数秒後に飛んでいる球のイメージを「ここに」先取りする感覚。どこに向けてどのように打つか「決める」。実際に打つ。2m先まで球を見ている。一瞬だけ残像を捉えた感覚が残る。相手に視線を戻す。

球が来る。構える。コンマ以下数秒後に飛んでいる球のイメージを「ここに」先取りする感覚。どこに向けてどのように打つか「決める」。実際に打つ。2m先まで球を見ている。一瞬だけ残像を捉えた感覚が残る。相手に視線を戻す。

「なんだ、これ??」

そのうち、いままでどうやってテニスをしていたのかが、わからなくなる。
当たり前のように、まったく違う球の捉え方をしている。
当たり前のように、打つ球のイメージが決まっていく。
当たり前のように、直後に起こることを先取りしている。
うまくいくかいかないか、結果は二の次で。

いわゆる「一般的な集中力」のそれとはまったく異なるところへ、訪れてしまった感覚。
本来の集中力ってこれを指すんじゃないの。
選択したイメージで頭を満たして、決断にためらいのない状態。
打つ前の自分が、「打ったらどうなるのかを『知っている』感覚」でいること。

実際には、そうならない。
結果としてイメージの50%に収まることもある。
でも、関係がない。
打つ前から、打った後がどうなるかに『確信を持っていること』が本質。

これは和時計の時間の進み方だ、と思う。
決める。物事がやってくることを知っている。通り過ぎていく。結果が残る。
決めた瞬間、もう知っている。
決めた瞬間、もう知っている自分が立っている。
そうなることを知っている自分が『先に在る』。
自分が的になる。
すべてが向こうからやってくる。

洋時計のそれは、時や物事が既にそこにある。そこに向けて針である自分が前に進む。通り過ぎて結果が残る。
それとは真逆の世界観。

大事なのは『こうすると決める=そうなることを知っている』時に脳を満たしているイメージと、その純度だ。
似て非なるものに「自分を100%信じられている感覚」が挙げられるけど、そんなものはとうに超えている。

「こうする」と決めた瞬間、「そうなる」と知っている自分が同時に立ち現れてくる、この感覚。
『未来、俺はこういう自分でいるんだろうな』というところから「今」がはじまる。すでにそうなることを知っている自分から。

直感。これはテニスの話だけじゃない。
あらゆるシーンで「2メートル先を見る」ことができるし、「イメージを先取りして、決める」ことができる。
ずっと探していたものの一つ。不意に発現したセレンディピティで獲得した自分。「ここから生きていきたい」と思ったゾーンの入口。

コーチ曰く「3段階ある集中力ステップの第1段階」とのこと。
え? これでまだ2段階も先があるの??
まじすか??笑笑

脳が擦り切れて心が折れたところからはじまって、取り戻して再構築するトランジションのひとつとして意図的に注力したテニスの締めくくりに、これ以上はないギフト。
気づけば8年近くお世話になり続けているコーチとの出会いにも心から感謝。
テニスと深い関係にあるコーチングをはじめたのも偶然ではないよなと最近になって気づいて、恐れ慄く 笑

本と編集、テニスとコーチング、思想と在り方みたいに、本当にゆっくりじっくりすぎてもどかしいけど少しずつ繋がったり連なったりしていってるのは確か。
もはやスピードも感じられなくて忘れることも多いけど、いつかすべてが統合したらと思うと、とても楽しみ。

壮大なるカナダはユーコン川の旅とリーダーシップジャーニーが次に来るもの。
頭のおかしな投稿も増えていきます。。。笑

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