私たちの問題
私の問題があり、あなたの問題があり、私たちの問題があります。
話し合いでいつも大事なポイントだと感じるのは、「問題を相手に押し付けて終わっていないか」です。つまり、あなただけの問題にしてしまい、私たちの問題にできていないということです。
誰かが誰かを一方的に非難する場面を目にすると、私はそう感じます。それは本当に彼(彼女)だけの問題なのでしょうか。職員がミスをしてしまった場合、ミスをした職員に問題はあります。しかし、上司がその職員を一方的に叱責しているだけだとすると、それは少し違う気がします。ミスが起こってしまった背景には組織的な問題があることが多いですし、再発防止をするためにも、ミスをした個人だけでなく、私たちの問題と捉える必要があります。
「子どもが嘘をつく」と傷ついていたお母様がいました。親としてショックな話ですが、一方でこうも思います。私たち大人も嘘をつくのではないか。嘘とまではいかなくても、ごまかしたり、あえて伝えずに黙っていたりすることはあるでしょう。そして「嘘」のなかに、何かその人の真実を伝えようとしていることもある気がします。たとえば、親を心配させたくないという本当の気持ちがあるかもしれません。子どもだけの問題ではなく大人にも共通するテーマであると感じます。
もちろん、「私たちの問題」とすることで、他人の課題に介入し過ぎるリスクもあるでしょう。アドラー心理学でいう「課題の分離」ができない状況です。しかし、課題を分離するためにも、上から目線で相手にだけ何かをさせるのではなく、対等な立場で課題を一緒に探そうとすることが重要で、それが相互理解や解決につながると感じます。
自戒として記します。それは、彼(彼女)だけの問題でしょうか。あなたにも結び付いている「私たちの問題」ではないでしょうか。私とあなたの間に橋がかかっていないとしたら、どこにもたどり着くことができないのではないでしょうか。
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