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ファシリテーターの服を着る

近年、私と出会った方々は、私のことを穏やかな人間だと思ってくれている人が多いようです。「小杉さんって、怒ることあるんですか?」と質問されることもたびたびあります。ありがたいことです。そういうイメージを持ってくれている方々は、ぜひそのままでいていただき、読むのはここまでで大丈夫です(笑)。

しかし、昔からの私の知り合いは、私が怒りの感情をあらわにするファイターであることを知っています。たとえ上司や立場が上の方であっても間違っていると思えば、率直にモノを申す場面が多々ありました。という表現はあまりに自分を美化しています。オブラートに包まない表現をすると、「上司に食ってかかって」いました。それを目撃した方々も多いことでしょう。素の自分はこちらなのでしょう。今でも素が出てしまうことがありますが、かなり減ったなと思います。

この変化の要因は3つあります。
1つ目は、関係性です。生意気な自分のことを受け止めたり、許したりしてくれていた方々には本当に感謝です。諦めず、粘り強く私と関わってくれた方々のおかげで、怒りをぶつけるのでなく別のコミュニケーションで関係性を構築することを少しずつ学ばせていただいたと思います。
2つ目は、動機です。怒ってみたものの、「私が怒っている」ことは相手に伝わりましたが、「私の言いたいこと」が相手にあまり伝わっていないことに次第に気づいたのです。怒ることのコミュニケーション効果が薄いことへの気づきです。
そして3つ目は、技術や知識です。ファシリテーターとしての技術を身につけていったことは大きいと思います。怒りをぶつけるのでなく、まずニュートラルポジションになる技術が少しずつ身についてきたと思います。これを「ファシリテーターの服を着る」と表現することがあります。素の自分は置いておいて、まずは服を着てみるのです。借り物だった服が、今は自分の服として馴染んできた気がします。また、『7つの習慣』の第5の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」といったことや「アサーティブ」を学べたことも大きいです。

ここまで書いてみて、ダニエル・キムの成功の循環モデルに似ていると気づきがありました。「関係の質」の向上が「思考の質」を高め、続いて「行動の質」「結果の質」につながり、またそれが「関係の質」を向上させるという循環です。

今まで関係をつくってくれた方々への恩返しで、私も関係づくりをしていきたいです。

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