読書ときどき音楽も#137
「ネットはなぜいつも揉めているのか」津田正太郎(ちくまプリマー新書)
「炎上」は絶対にしたくないけれど気になってしまうので昔から関連書籍を読んだりするのが好きだった。言葉は悪いが「野次馬的興味」で、流行っていた時に結構買い集めて読み、「うわあ、馬鹿なことしてるなあ」という感情で面白く読んでいたのであった。さすがに自分も年をとり、更にここ数年は炎上自体も特殊な事例でなくなったのと、痛ましい結末になることも増えているので昔ほど無責任にまとめている書籍は激減してしまい、これはこれで健全だけれどちょっと寂しくなっていたので、久しぶりに新刊新書として見つけたので興味を持って購入。
冒頭から著者自身が意図せず炎上の当事者となり、自分だけではどうしようもなくなるところで読むのが止まらなくなった。全編を通して表現の自由から社会の不寛容まで「なぜ炎上が起こるのか」を丁寧に説明してくれているので(これだけでも祭りと化していた過去の事例とは扱いが違っている)、決して特殊な事例じゃなく誰にでも起こりうることとしてまとめられているので面白く読めた。といっても現実ではやっぱり書き込むことが怖いなあと思うチキンな自分がいるのであった。