こんな機転いらない
気温が高い日などに首元に濡らして使うタイプの冷却タオルをよく使っていますが、100%襟が濡れるのでもうタオルなんて使わず最初から襟を濡らせば良いんじゃないかと思っています。#天才かよ
こんにちは、コッシーです。
さて、もう何度目になるかは分かりませんが明日から我が愛知県でも『緊急事態宣言』が発令される予定となっています。
ここ最近の感染者数の増加には目を見張るものがあり、むしろ遅いくらいだという意見もあるくらいです。
今回の宣言でどれくらい感染に歯止めかかるかは分かりません。もしかすると宣言を重く受け止めない方が多くあまり効果は期待できないかもしれません。
僕個人としても今更感は否めず、どちらかと言うと白けた目で見たりしています。
ただ、今の世の中が【緊急事態状態】なのは間違いないわけで、どれだけ政府に対して思う事があったとしても感染予防対策とは別問題です。
特に介護に携わるお仕事を生業としている僕らは、日々高齢者と接しています。高齢者は感染した場合重度化してしまう可能性が高いため、感染予防により気を配る必要があります。
うちの施設でも感染状況や県や市からの通達により対応等を考えて実行してきました。
その中で今回のような【緊急事態宣言】が発令される場合は、本当に心苦しいのですが、面会・外出は病院受診等を除き禁止としてきました。
入居者を感染から守るにはやはりそうせざるを得ないため、今回も面会・外出を禁止させていただくつもりです。
先日、夕食前に入居者全員にこのようにお伝えました。
「また緊急事態宣言が発令されます。僕らの住む市でも感染者数がどんどん増加しています。持病などを抱える皆さんに感染させるわけには行きませんので、本当に心苦しいのですが面会と外出を基本的に禁止といたします。ご協力をよろしくお願いいたします」
異を唱える入居者はほとんどいませんでしたが、ただ1人Gさんという男性の入居者だけはご納得されませんでした。
次の日曜日に数年前に亡くなった奥さんの墓参りにご家族と行かれる予定でした。
「俺はそれだけを楽しみに生きてきたんだ!あとは我慢するから母ちゃんのところには行かせてくれい!」
そう言って僕がどれだけ説明しても全く納得されず、ずっと懇願されていました。
Gさんのお気持ちはめちゃくちゃ分かります。その日は久しぶりに大好きなお孫さんに会えるとのことで本当に以前から楽しみにされていました。当日の天気予報を見て「晴れそうだな。良かったなぁ」と喜んでいました。
目標としていた日まであと数日というタイミングで「ダメです」と言われるのですから、そりゃ到底納得できないと思います。必死でお願いされる気持ちは痛いほど伝わってきます。
どうしたものかと迷いました。その日だけ許可しようかとも考えました。
しかし当たり前ですが、これはGさんだけの問題ではありません。他の入居者の中にも外出したいけど我慢している人はたくさんいます。Gさんは良いけど他の人はダメです、なんて事が通用するわけありません。
ではいっそのこと外出禁止を止めて全員OKにするか、いやそれこそ感染リスクが拡大しますし、スタッフやご家族で納得されない方は多いでしょう。
今回はGさんに涙を飲んでもらうしかないと思いました。その場では全く納得されず感情的になってきてしまったため、一旦説得を諦めました。
こういう場合において1番良い方法はやはりご家族を頼ることです。
いやプロなんだから自分たちで解決しろや!と思われる方もいるかもしれませんが、こういう時にご家族を頼れる関係性を日頃から築いておくのもプロの仕事だと思います。
Gさんの娘さんに連絡をすると、どうやら娘さんたちの中でも中止にする方向だったらしくGさんにどう伝えるべきか迷っているとのことで、逆に相談を受けました。
娘さんから伝えてもGさんが納得してくれない可能性が高いような気がしまして、大好きなお孫さんから伝えてはどうかと提案をしました。
お孫さんからGさんに万が一のことがあってはいけないからと言ってもらえれば頑ななGさんの心も氷解するかもしれません。
娘さんは快く了承してくださり、その日のうちにお孫さんからGさんへ連絡してもらいました。
次の日にGさんから「昨日は申し訳ありませんでした」と言われたため、きっとGさんはお孫さんの言葉に納得してくれたことでしょう。
Gさんの件は何とか丸く収まりましたが、全然釈然としませんでした。
どうしようもないこととは言えGさんに謝罪までさせてしまって本当に不本意でした。
長く続いているコロナ禍によって、上手に入居者を我慢させる方法がどんどん上達していく自分に嫌気がさします。
こう言えば納得してくれる、こうすれば我慢してくれる、そういう機転ばかり利くようになって、入居者の気持ちに寄り添うことが出来なくなってきている気がします。
責任者としては失格ですが、自分の決断に「本当にこれで良いのか」といつも迷っています。
入居者の気持ちが1番だ大事だ!と思って規制を緩くしようと思っても、クラスターが起きてしまった周囲の事業所の状況を目の当たりにし、結局入居者に我慢してもらう道を選んでしまいます。情けない限りです。
望みは薄いかもしれませんが、今回の緊急事態宣言が最後になること、出来る限り以前のような日常が取り戻せることを心から祈っています。
そして現場で頑張る皆さんの苦労が少しでも報われることを願っています。
結論がなく取り留めのない話を長々と申し訳ありませんでした。
現場からは以上です。それではまた。
コッシー