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One more time,One more chance

平日の休みの日の朝は息子を分団の集合場所まで送って行きますが、心配でコッソリ学校まで着いていくほぼストーカーです。

こんにちは、コッシーです。


さて、僕がプロのローストビーファーという事はご存知の方もいらっしゃると思います。(知らない方はこちらを見てね)#ローストビーファーって何

そんなローストビーファーの僕が今悩んでいるのが、ローストビーフ専用のナイフを買うかどうかと言う事です。やはり一流のプロと言うのは道具にも拘ると思うのです。

僕が今使っている包丁は100均で買ったパン切り包丁です。別に切りにくいというわけではないし、趣味のレベルであればそれで事足りるのですが、やはり今よりも更なる高みを目指すのならば、道具もそれ相応のレベルが必要じゃないかと思うわけです。

ただいくら僕がプロ級のローストビーファーだと言っても、仕事で作っているわけではなく、あくまで休日の楽しみの一つです。高いナイフを買ったとしても飽きてしまう可能性は否定できません。

A型特有の優柔不断を発動してしまい自分一人で考えていても答えを出そうにありませんでしたので、奥さんに聞いてみたところ、「買うか買わないかで悩むより、どのナイフを買うかで悩んだ方が楽しくない?人生は楽しんだもん勝ちよ」と男前な事を言っていました。ちょっと僕より良い事言わないでもらえますか。

でも確かに奥さんの言うとおりです。人生は前向きの方が楽しいに決まっています。僕はその日から買うのを前提にどのナイフを買うかを検討し始めました。

職場でもスタッフさん達の意見も聞いてみました。厨房の調理師さんが言うにはどうやら『ヴォストフのナイフ』が良いとのことでした。

早速ネットで調べてみると確かに良い感じです。しかしなかなかのお値段です。

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かっこいいが高い

ローストビーフだけのためにこんな高いナイフを買って良いんだろうかと迷いました。しかし一度良いと思ってしまうと頭からなかなか離れません。離れないどころか、もうこのナイフしか目に入りません。

寝ても覚めてもヴォストフのナイフの事しか考えられません。いつどこにいてもヴォストフを捜してしまいます。向かいのホーム、路地裏の窓こんなとこにいるはずもないのに。

悩みに悩みましたが、奥さんから言われた一言を思い出しました。

『人生は楽しんだもん勝ちよ』

このヴォストフのナイフを買った方が絶対ローストビーフ作りが楽しくなるに決まっています。人生は楽しんだもん勝ちです。奥さんは僕の背中をいつも押してくれます。

僕は決心を固め、仕事中のお昼休みについにヴォストフのナイフを注文しました!その日の仕事は楽しみ過ぎて手につきませんでした(めちゃくちゃ忙しい時でしたが!)。

仕事を終えて帰宅後すぐに奥さんに報告をしようとした時、奥さんから「そういえば前に言ってたナイフってどうなった?」と言われました。

やはり長年連れ添っていると僕がナイフを買った事が言わなくても伝わるようです。これぞ夫婦の絆です。

そうなんだよ!今日買ったんだよ!

と奥さんに伝えようとしたその時です。奥さんから、「実はこっそり買ってて、それが今日届いたんだよ!ほら見てすごいでしょ!」とヴォストフとは違うローストビーフ用のナイフと見せながら言われました。

なんというタイミングでしょう。僕が注文をしたその日に奥さんがサプライズで注文してくれてたナイフが届いたんです。これが長年連れ添った夫婦の成せる業です。これが本物の夫婦の絆です。

僕は迷いました。奥さんが頼んだナイフはいいナイフでしたが、ヴォストフよりは値段も性能も遥かに劣ると思われるナイフです。

やっぱりヴォストフが欲しい、ずっとヴォストフを捜していたんです。交差点でも、夢の中でもこんなとこにいるはずもないのに。

奥さんに全て正直に打ち明けせっかく買ってくれましたが返品をしてもらおうかと思いました。

ごめん、そう言いかけたその時、そもそも僕は何のためにローストビーフを作っていたんだっけ?と思いました。

僕は僕と奥さんがローストビーフが好きだから作り始めたんでした。奥さんが喜んでくれたからプロのローストビーファーになったんでした。#だからローストビーファーって何だよ


大きな過ちを犯すところでした。


「ありがとう!!超かっこいいじゃん!!」と笑顔で奥さんにお礼を言いました。「そうでしょ~!」と奥さんは喜んでいました。

大切なのはローストビーフを何で切るかではなく、誰のために切るかです。

ヴォストフはキャンセルしました。後悔は全くありません。むしろ奥さんが僕のために選んでくれたかと思うとめちゃくちゃ嬉しいです。

奥さんが選んでくれたそんなナイフがこちら。

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かっこいい!!


早速今度の休みにローストビーフを作りたいと思います。きっと今まで以上に美味しいローストビーフが作れるはずです。

なぜなら僕には新しいナイフと愛情というスパイスがありますから。


現場からは以上です。それではまた。

コッシー

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