救急医の厳しさに触れ在宅医の優しさに触れた1日
ドラマ【Drコトー診療所】に出演してた時の神木隆之介は多分天使の生まれ変わりだったと思います。#それぐらい尊い
こんにちは、コッシーです。
さて、僕は看護師の資格は持っていませんし当然医師免許も持っていないため、医療の知識に関しては素人同然です。そのため医師や看護師の意見や助言に関してはたとえ疑問を持ったとしても口出しせず素直に聞くことにしています。
ただその意見が入居者にとってはあまり良くないと思った場合は、勇気を出して聞いてみたりします。医師や看護師という医療のスペシャリストの方々ですが、入居者の生活の全てを把握しているわけではありません。入居者の生活スタイルと照らし合わせた時に不具合が生じる場合もあり、その時にはやはり僕が意見を言うべきだと思っております。
昨日の朝から入居者のHさんの血圧が高く、そして食欲が無くご飯をあまり食べません。お昼になっても状態は変わらなかったため、かかりつけ医の女医の先生に連絡をして相談しました。
先生は日曜日でお休みに関わらず、訪問してくださりHさんを診察してくださいました。
「降圧剤を処方しました。今日は日曜でクリニックが休みなので明日クリニックの方に来てください。脳梗塞の可能性があるので念のためCTを撮りましょう」
そう言ってくださり施設を後にされました。
そして今日の朝になってもHさんの状態は変わらず血圧が高く食事を食べません。先生に言われたようにHさんをクリニックに連れていきました。
CTの結果、脳に出血は見られませんでしたが、先生の診察ではやはり脳梗塞の疑いを消せないということで、大きい病院の救急科でMRIを撮った方が良いということになりました。
すぐに紹介状を書いてもらい救急病院を受診しました。
救急病院ではMRIと血液検査を行いましたが、その結果特に異常は見られませんでした。担当された若い先生から、「異常ないんで帰っても良いっすよ」と言われました。
検査結果に異常が無かったとしても、Hさんの状態は変わっていないため、食事を摂らない可能性があります。うちの施設には看護師がいないため点滴などを施設で行えないため、再度病院に行く必要が出てきます。
もしかすると先生はうちの施設に看護師が常駐していると思っているかもしれません。その上で「帰っていい」と言ってるかもしれません。
「先生、実はうちの施設には看護師がおりません。もしHさんが食事を食べない場合は点滴をすることができないですが、このまま帰って大丈夫でしょうか。」
念のため先生にうちの体制をお伝えしたところ、若い先生からビックリするような事を言われました。
「じゃあ、入院の必要は全くありませんが入院させろってことですかね!?」
まさかそんな風に言われると思っていなかったので本当にビックリしました。
医療介護の世界ではやはり医師というのはとても重要なポジションであり、そんな方の言葉には非常に重みがあります。
その医師から強い口調でキツイ言葉を言われると、情けない話本当にビビります。自分がとても悪い事を言ったような気持ちにさえなります。
「いやそういうわけではありませんが…」
「こちらではもう出来ることはありません。あとは施設の問題でしょう」
本来であれば、入居者のために「先生!そう言ってもHさんの状態を考えたら入院も一つの方法なのでは!?」と言うべきだったかもしれませんが、予想もしない先生の口撃に僕の心は折れてしまい、「わかりました…」と言ってしまいました。
僕を不憫に思ったのか看護師さんが、「先生、脱水気味なので点滴はしましょう」と言ってくれました。
点滴が終えるのを待つ間、僕の心はHさんを守れなかった罪悪感と医師の言葉に屈してしまった情けなさでいっぱいでした。
ただそんな中でもやるべき事はやらないといけません。
紹介状を書いてくださったかかりつけ医の先生に結果を連絡しました。すると先生からこれまた思いがけない言葉が返ってきました。
「帰宅されるんですね…それは心配でしょう。では明後日に一度訪問します。その時までのHさんの食事量と水分摂取量を記録しといてください。」
せ、先生~!!
同じ医師でもこうも違うのかと思うくらい優しい対応に折れた僕の心が見事にくっつきました。#単純
医師のような専門家の言葉や対応に患者やその家族は希望を見出したり、逆に絶望を感じたりします。
今はコロナ禍で多忙を極めているのかもしれませんが、責任のある立場を理解してもらいもう少し配慮をした言動に努めてもらうと、僕はすぐ好きになっちゃうのになぁと思いました。#別にお前に好かれたくない
現場からは以上です。それではまた。
コッシー