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USELESS MEMORANDUM YSL(for men)Before Hedi Slimane後編

後編はトリビア編。 最初に紹介するのは 今回の調査で個人的に最も興奮した 此方のエピソードから。 恐らく言及されるのは世界初だと存じます。 〜伝説のカーディガン〜 無駄に大袈裟なタイトルで つけた自分でも笑ってしまいますが…。 皆様は中編で Yves Saint LaurentとBidermann社の アメリカ市場最初のパートナーとして 紹介したManhattan Industries社を 覚えておいででしょうか? ひょっとしたら 初見からこの名前にピンときた 音

    • USELESS MEMORANDUM YSL(for men)Before Hedi Slimane中編

      Yves Saint Laurentメンズラインの生産において プレタポルテ・ライセンス問わず 最も深く関わったのが フランス最大手の紳士服製造業者の一つ Bidermann社と言えるでしょう。 Bidermann社は1969年 rive gaucheメンズの立ち上げ直後に メンズラインの生産を担当する様になります。 (レディースラインはC.Mendes社が生産を継続。 両者の関係は1978年まで続きます) 更にBidermann社は当時 Pierre Cardin社とラ

      • USELESS MEMORANDUM YSL(for men)Before Hedi Slimane前編

        今回取り上げるブランドは Yves Saint Laurent。 タイトルの通り Hedi Slimane就任(最初の就任である1997年)以前のメンズラインを 可能な限り解き明かしていきたいと思います。 前回の記事のテーマとなった Christian Dior Monsieurと同様に ライセンスビジネスと深く関わっていた 当時のYves Saint laurent。 此方もそれ故か世間から軽視され 全くと言っていい程、まとまった情報が存在しません。 実際、本not

        • USELESS MEMORANDUM Christian Dior Monsieur⑦「あとがき〜トリビアを添えて〜」

          元々筆不精というか そもそも面倒くさがりな私が この度一連のnoteを書こうと思い立ったのは Twitterが切っ掛けでした。 所有しているChristian Dior Monsieurの ジャケットを Twitterで紹介していた折 ふと 「ネットではChristian Dior Monsieurについて 情報が少なく、間違いも多いので 自分が知っている事をまとめてみようかな」 (意訳) と呟いた事に 相互のフォロワー様が興味を持って下さり その方々から温かいリプライを頂

          USELESS MEMORANDUM Christian Dior Monsieur⑥ 「イギリス編」

          さて ひとまずの区切りとして 最終章のイギリス編となります。 イギリスとChristian Diorとの関係は Christian Diorが 1947年秋ロンドンのサヴォイホテルでファッションショーを披露した事に遡ります。 そして1950年 Queen Elizabeth(The Queen Mother)の 依頼により ブレナム宮殿でプライベートファッションショーを開催。 翌年には彼女の娘Princess Margaretの21歳の誕生日パーティーの為の衣装を作成しまし

          USELESS MEMORANDUM Christian Dior Monsieur⑥ 「イギリス編」

          USELESS MEMORANDUM Christian Dior Monsieur編⑤「アメリカ編」

          Christian Dior Monsieurにとって 最大の市場といっても過言ではない アメリカ編です。 「パリはドレスを芸術品として扱い ニューヨークは消耗品として扱う」 これは Christian Dior自身の言葉ですが アメリカは正にライセンスビジネスに 最適の国でした。 1948年アメリカに支社である Christian Dior New Yorkを設立し 1949年にライセンスビジネスをスタート。 1970年代からアメリカを重要な市場と認識し 注力したメン

          USELESS MEMORANDUM Christian Dior Monsieur編⑤「アメリカ編」

          USELESS MEMORANDUM Christian Dior Monsieur④「日本編」

          Christian Diorと日本の関わりは 1953年に遡ります。 切っ掛けは紡績メーカー鐘紡の絹織物に Christian Dior本人が興味を持った事でした。 この年 鐘紡、大丸、文化服装学院がそれぞれ主催となり 立て続けにChristian Diorのファッションショーが日本で開催されます。 文化服装学院はフランスから モデル7名を含む12名を招聘し 本場の製品(83点)を披露しますが 大丸は上田安子、鐘紡は田中千代 共にパリで服作りを学んだデザイナーに 型紙の買

          USELESS MEMORANDUM Christian Dior Monsieur④「日本編」

          USELESS MEMORANDUM Christian Dior Monsieur③「フランス編」

          始めに告白しておくと 実はChristian Dior Monsieurにとって フランスという国は根拠地にも関わらず 最初から然程重要な市場ではありませんでした。 何故ならラグジュアリーブランドにとって プレタポルテ〜ライセンスの事業は当初 戦後、赤字まみれだったオートクチュールの 売り上げ補填と事業継続を目的として 主に手垢の付いてない新興国に向けたものだったからです。(目的は香水事業も同様ですね) Christian Dior Monsieurも レディースプレタポ

          USELESS MEMORANDUM Christian Dior Monsieur③「フランス編」

          USELESS MEMORANDUM Christian Dior Monsieur②「歴代デザイナー編」

          Christian Dior Monsieurのブランド設立は 1970年。 聡い読者の方々はお気付きでしょうが メゾンの創設者Christian Diorは 1957年の時点で既に 白玉楼中の人となっています。 このブランドの初代デザイナーは Marc Bohan。 かのYves Saint  Laurentの後任者であり 長くメゾンの屋台骨として活躍した 彼の手によりChristian Dior初のメンズラインが スタートしました。 ※()内は在任期間 余談ですが

          USELESS MEMORANDUM Christian Dior Monsieur②「歴代デザイナー編」

          USELESS MEMORANDUM Christian Dior Monsieur① 「序文 挨拶に替えて」

          本noteに御興味を持たれた諸氏ならば 御承知の事と存じますが 2001年パリメンズAWコレクションで 名門Christian Diorの新メンズラインとして Hedi Slimane手掛けるDior Hommeが 鮮烈なデビューを果たしました。 Hedi Slimaneが提案した ロックミュージシャン然とした 耽美な少年性を宿したスタイルは モード界の重鎮Karl Lagerfeldを始め 多くの熱狂的なフォロワーを生み 流行を牽引する存在となりました。 その後、この

          USELESS MEMORANDUM Christian Dior Monsieur① 「序文 挨拶に替えて」