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第六回【いい子を育てる6つの習慣】
勉強を見てあげたり習い事に行かせたり、いろいろ手をかけているのになぜか成果があがらない... そんな悩みをお持ちの方、一度ご家庭での生活習慣を見直して見ませんか?
家庭で身につけた生活習慣は、学力・運動・社会性など、あらゆることのベースになります。
そこに原因があると...いくら努力しても伸びるはずがありません。 よかれと思ってやっていることが本当に正しいのかどうか、いっしょに確認していきましょう。
習慣その5 基礎学力(算数編)
将来につながる本物の考える力を育てるために は、小さいうちからどんなことをするべきなので しょうか?
進学塾の名門、四谷大塚のリトルスクールで教壇 に立つ先生方の教える技術を参考に、今回のレポ ートをお届けしようと思います。
● 算数=計算力!?
四谷大塚でも最近問題となっているテーマが、計 算力の低下だそうです。例えば、九九...本来2年 生で学習するべきことが、4年生の保護者会のテ ーマになったそうです。
頭は決して悪くないのに、計算ができない子ども たち...記憶力を問うような問題であれば、平均レ ベル以上なのに、計算は苦手という生徒が急増し ているそうです。
その原因は、小学校の授業が減っていること... それは、もちろんですが、普段の生活の中で数と触れ合う機会が確実に減っていることが最大の原因だと思います。
例えば、少子化。昔の子どもは、ひとつのお菓子 を兄弟3人で分け合うことを自然に学習していました。そう、分数の概念ですよね。3分の1と いう、抽象的な概念を自分の体験に置き換えて、具体的にイメージする。この算数力上達の過程を 昔の子どもは自然に身に付けていたのです。
あるいは、肩たたき10円、風呂掃除30円...の ように、小銭を必死で集める体験も、自然に計算 力を身につける素地になります。
忙しい現代っ子の大きな特徴に、このような身近 なところから学習する機会の減少があります。言 い換えると、それを補う環境作りが必要になって くるのです。
レベルに応じて、数に触れる機会を作れれば一番 いいのですが、現在の公立小学校では成績評価は 横並びになりがち...その結果、子どもの正確な学 力が把握できないことも多々ございます。そうな んです!まずは子どもの正確な学力を把握する ことが大事なのです。
小学1年生で数を1から100まで数えられる か、小学2年生で繰り上がりと繰り下がりが理解 できるか。他にも、数をまとまりでとらえられる か、足し算・引き算の練習は十分か...
こういったことに常に目を配り、楽しく数と触れ 合うことが、算数好きの子ども育てることにつな がります。
● 算数力アップの5つの方法
机に向かってドリルを解かせることも計算力を 磨くという意味では有効ですが、基礎学力を身に つける意味での算数(特に小学校低学年)の勉強 は、「遊び」や「生活」の中に、たくさんのヒン トがあります。身近なところから、親御さんと一 緒に楽しみながら、「数」の考え方について学ぶ ことで、算数力アップを実現しましょう。家庭で もできることは、意外とたくさんありますよ。
1. ひたすら数を数える
数を数えることをバカにしてはいけません。数を かぞえることこそ、その先の算数力の礎となりま す。階段の数を数えたり、電車の車輌を数えたり と、キッカケはいくらでもあるはずです。
2. 子どもに物を分けさせる
家族でひとつのものを取り分ける作業が、意外な ほど数に触れる機会を増やします。キャンディー を均等な数に配ったり、ケーキを等分に分けたり することで、計算力のみならず、図形力までも磨 くことができます。
3. トランプやサイコロを使う
●●という数字に近い方が勝ちというルールで トランプ遊びをすることや、出た数の大きい方が 勝ちというルールでサイコロを使ったジャンケ ンをするゲームなどは、いかがでしょうか? また、2枚のトランプをひいて合計が大きい方が 勝ちとか、相手とのサイコロの数の違いの分だけ コマを進められるスゴロクなど、オリジナルルー ルの工夫は無限大です。
4. ティッシュの箱で展開図
ティッシュの箱を解体すれば、立派な展開図の完 成です。ティッシュの箱を捨てるときには、子ど もにお手伝いの一環としてやらせてみましょう。 ティッシュに限らず、工作は図形力を磨く最大の チャンスです。ハサミの正しい使い方を教えた上 で、積極的に使わせてあげましょう。
5. 自分で片づけをさせる
おもちゃ箱にきちんとおもちゃを収めるには、空 間把握能力が必要です。算数力の養成、自立心を 養うためにも、遊んだ後の片づけは自分でやらせ ましょう。 また、少し年上のお子さんには、料理の手伝いを させるのも効果的です。どんな手順で料理を作り、 いつ片付けを行うと効率的かを考えるために、頭 をフル回転させるからです。
このように、子どもの「算数力」をアップさせるための工夫は、身近なところにあふれかえっています。
家庭の中で算数力アップの工夫をしてみるのも いいかも知れません。
● 算数力を磨くために大切なこと
『算数』で大事なのは、物事を本質的に理解する 能力です。この力が不足していると、学年が上が ればあがるほど、算数が苦手教科になっていって しまいます。
難関大学に現役合格するような子でも、計算力強化には真剣に取り組むくらいなのです。
本質的な理解とは、抽象的な考えができるという こと。名門学習塾の先生は数字の理解一つにして も徹底しているそうです。たとえば「3」という 数字を数えるときに、指を折りながら「いち、に、 さん」と数えるのと、「3」という概念が頭にパ ッと浮かぶのでは、大きな違いがあるからです。
子どもはそのような抽象的なとらえ方を少しず つ身につけていきますが、家庭環境によってその 能力獲得時期がずいぶん異なります。それは、小 学校に入る段階で数をパッと把握できる子が入 学前の6年間をどう過ごしてきたのかというこ とです。そうでない子の5、6年と比べれば、差 は開く一方です。
生活習慣を変えることは手間がかかること、面倒 なことかもしれません。でも、この先の子どもの 可能性が広がるとしたら... ここは、一念発起してもいいかもしれませんよね。
いくらでもやり直しがきくのが、子どもの特権で す。特に、年が低ければ低いほど、気付いた時点 で努力さえすれば、追いつくことも、追い越すこ ともできるのです。