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「建てられる」それがわかったから

私がはじめてAさまの家づくり診断の回答(以下、診断回答)に目を通した時、社長から「君ならどう判断する?」と質問され、私は「実現不可能だと思います」と答えました。

その診断回答から伝わってくるAさまの想いに、なんとかならないのだろうかと思いながらも、私は総合的に見て無理だと判断したのです。
このやり取りは、私が入社して間もない頃の出来事でしたが、入社し約1年が経とうとしている今、判断を迫られたとしても私はやはり「実現不可能です」と答えると思います。
それほど、診断回答当時のAさまの状況というのは、私から見て不安定なものに感じられました。
だからこそ、なぜ?そのタイミングで「家を建てよう」と思ったのかAさまに尋ねてみました。

Aさま:今の借家(築40年)は古いし、湿気・カビが酷いしで、このままこの借家に毎月7万円も、生涯支払い続けていくのはイヤだという思いがありました。
次女のアトピーは年々酷くなり、私自身も喘息が出たりしていて、やっぱり古い家はよくないなという思いもありました。
なので、なんとかして新築を建てられないかなと思い、色々と調べていた時に子育ての家の広告が目にとまり、資料請求のあと、家づくり診断を申込みました。
診断での様々なやりとりを経て、その結果「今の自分でも家を建てることができる」という事がわかったので、子育ての家に家づくりをお願いし、家を建てることを決意しました。

staff:今、娘さんのアトピーの事や、Aさまご自身の喘息の話が出ましたが、子育ての家を知る前から、住環境がそういった健康状態に影響を及ぼす可能性などについて考えたことはありましたか?
Aさま:この借家で暮らす前から、私の実家に行くと咳が出たりしていたので、住居が影響しているのかなとは思っていました。
しかし、子育ての家を知るまでは、原因は古いことにあり、新築なら問題ないとばかり思っていました。
けれど、子育ての家のブログやホームページをみていると、新築でも素材によっては問題がある場合があることがわかり、自然素材を標準使用する子育ての家にお願いして本当によかったと思っています。

現在の借家は、2階に子ども部屋があるものの、子どもたちは、ほとんどの時間を1階で過ごし、2階はほとんど使用していないというAさま。
そんなAさまに2階LDKの間取りを提案された時、どのように思われたのか尋ねてみました。

Aさま:2階にLDKがあることには抵抗はありませんでした。現住居では洗濯ものを2階のベランダに干しているのですが、その際に1階よりも2階の方が日当たりもよく、明るくて暖かいなと感じていたので、2階LDKを提案された時はすごく納得でした。

Aさまが子育ての家に家づくりをお願いしたきっかけは、家づくり診断で「今の自分でも建てられる」という結果を得られた事でしたが、今では、子育ての家のコンセプトにすごく共感しているとおっしゃいます。
そんなAさまに、「新居ではどのような暮らしをしたいと思っていますか?」と尋ねてみました。

Aさま:今の借家では、子どもたちがお友達のお宅に行くことはあっても、お友達を自宅に呼ぶことはないので、新居に移ったら、子どもたちが気兼ねなくお友達を自宅に呼べるようになったらと思います。
ウッドデッキにも外階段をつけてもらったので、庭の森化を進めて、私が仕事で自宅にいない時でも、子ども達やお友達に庭やウッドデッキで遊んでもらえたらいいなと思っています。近所の子どもたちなど、みんなが集まれる空間になればいいなと思います。

私がAさまからの診断回答をみて無理だと判断した多くの理由は、資金力の問題でした。
収入というよりは預貯金の額や、元の職場に復帰したとはいえ、まだ働きだしたばかりという状況だったことから、マイホーム購入自体が不可能なのではないかと思いました。
しかし、今回お話を伺い「色々な環境の変化があったこともあり、出来ることはやりたいと思った」というAさまの言葉を聞いて、家が建つか建たないかは貯金や年収の額の問題というよりは、これからの生き方を深く考え、お金をどう使うかという問題なのではないかと考えさせられました。

私はこの1年間、様々なご家庭の診断回答を拝見させて頂きました。
中には、古いアパートに十数年暮らし、預貯金も 1000万円近くあるにもかかわらず、いざとなると決断が出来ずに、そのアパートから抜け出せない夫婦もいます。

しかしAさまのように、暮らしを変化させる為に、これから得るであろうお金を家族が健康に心豊かに暮らせる住まいへ投資する人もいます。
私はこれまで、お金はしっかり貯金してたくさん持っていれば幸せになれるとばかり思っていました。
しかし、最近思うのは、いくらたくさん貯めていても、お金は使えなければ意味がないのではないかという事です。
今でも、もちろん貯蓄することは大切だと思っています。
ですが、一番大切なのはたくさん貯蓄することよりも、貯蓄したお金をどのように使うか、何に使うか、なのではないでしょうか?

日々の生活水準に目をつぶり、たくさんのお金を貯蓄し続け、将来への安心感だけを得て年を重ねる人生と、貯蓄が一回リセットされ、住宅ローンを背負ったとしても、早い段階で日々の生活がより豊かになり、家族が健康に暮らせる住まいで過ごす人生ならば、後者の方が長い人生を振り返った際、より豊かな人生だったと思えるのではないかと、私は考えます。

 

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