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マンガ・アニメ「モブサイコ100」が大人の私に教えてくれたこと※一部ネタバレあり注意

こんにちは

今回は私の大好きな作品「モブサイコ100」の紹介です。

簡単なあらすじ

主人公の男子中学生・影山茂夫、通称モブが強大な超能力の持ち主であるにも関わらず、生きていく上で自身の特別な能力は不要だと考えており、地味で目立たない学校生活を送っていた。その一方で師匠と崇める大人霊幻新隆の元で除霊のアルバイトを務めており、超能力以外に得意なものが一つもなく不器用で、モテない主人公モブが自分を変えるために葛藤し成長していく青春物語である。

何故モブサイコを紹介したいのか

web漫画界で人気のある漫画家ONEさんの作品の一つである「モブサイコ100」。ONEさんの作品はコミカルなタッチでギャグ要素も強いのだが、人間の強さと弱さが分かりやすく描かれており道徳の教科書のような印象をいつも受けます。特にモブサイコ100は、人生に迷った時、弱気になった時にいつも読みたくなる作品です。

私がこの作品に出会ったのは、アニメが放送された2016年、、、8年前です。
漫画は6周くらい、アニメは数えきれないほど何度も観てきました。
しかし、最近もう一度大好きだったアニメの回を見返した時に気づきました。私が生きやすく健康な日々を送るためにあらゆる方法で勉強して実行していたことが「モブサイコ100」に沢山詰まっていたのです。

好きで好きで、勇気が与えられていたはずなのに、何故わたしは世に絶望して体調を崩していたのか。

今思うと不思議でしたが、やはり漫画の世界は漫画の世界、現実は現実と分けていたのですね。

ONE先生がこんなに分かりやすく描いてくれているのに、、、、悔しかった。笑
なので忘れずにここに紹介したいと思いました。

アニメ モブサイコ100 2期 4話・5話より

今回は私が大好きなアニメ2期の4話・5話を紹介します。世界観に入るために最初から観ることをオススメしますがこの2話だけでも特に世界に絶望している人、病んでいる人に観てもらいたいと思っています。

台詞に沿ってお話しします。

最初に社会に絶望し自死した最強の霊能力者の悪霊、最上啓治が主人公モブにかける言葉です。

幸せに暮らしている人間と苦しみにもがいている人間
どちらの方が強い感情が育つと思う?
正解は後者 より強いのは負の感情だ
ストレスを抱え込んでいる者ほど内に秘めたエネルギーは濃い

アニメ モブサイコ100 Ⅱ  最上啓治 台詞より引用


大人が子供にかける言葉にしてはかなり重いですよね。
さすが悪霊です。
だからこそ負の感情を使った方が人間は強くなれると諭すのです。
実際に人間はネガティブ感情の方が危険を察して脳をフルに使おうとする生き物なので間違いなく思えますが、イコール人間は強くなれると結びつければ人間社会はどうなってしまうのか。

その後、大人に残酷な世界を見せつけられて主人公は以下のような言葉を投げかけます。

あんたの言う通り 世界は残酷で間違っている部分もある
流石に考えが変わったよ。
僕は幸せ者だ もっと周りに感謝しよう

アニメ モブサイコ100Ⅱ 4話 モブ 台詞より引用

モブは、闇堕ちせずに感謝することを選びました。感謝は私が元気になる中で大きなテーマとしている一つです。そして、周りにいる自分へ酷い扱いをする人間たちを見て以下の言葉を放ちます。

人は人との関わり合いで変わることができる
みんなのおかげで僕は変わった
一人で生きる僕より少し強い僕になったんだ
僕が変われたのならきっと誰でもそうなんだ
だったら価値のない人間なんていない

アニメ モブサイコ100Ⅱ 5話 モブ 台詞より引用

モブは自分に良くしてくれた人、悪くした人・虐めた人を思い浮かべて全ての人間を自身が成長させてくれる存在として考えたのです。

過去のわたしはいつまでも、わたしの中で悪とみなした人間を心の中で飼っていました。悪霊側と同じ考え方です。悪は悪です。怒りを恨み・辛みで沈めたいと思っていました。人から犯罪同等のことをされ裏切られたこともあります。しかし、ここまで生きてきてやっとモブと同じ考え方をすることで肩の荷が落ち穏やかに暮らすことができました。


最終的にモブは自分の超能力で最強の悪霊を退散させます‼︎その裏側にあったものはモブの相手の負の感情に負けない正の感情でした。

何ひとつ人の役に立たないと思ってたこの「力」で人を生かすんだ。

アニメ モブサイコ100Ⅱ 5話 モブ 台詞より引用

そして、この回に出てきた「悪」側の存在から

人は変われることを学んだ

相手を許す心を学ぶのです。

自分を虐めた人間に「会えて良かったよ。」と放つのです。

果たしてモブの強い力=超能力なのか

作品では主人公モブが強い超能力で悪を成敗し説教するシーンが多いです。
確かにモブが中学生にも関わらず圧倒的に最強の超能力を持つものだから
物語が進んでいることが多いのかもしれません。しかし、紹介する4話・5話では彼の超能力の先の人間性が勝利の要因のようでした。

他の場面でも、超能力を使う前には彼は毎回当たり前のことを言います。

・物を盗んではいけません。
・働いている人に感謝しなさい。
・たまには傷ついて学びなさい。

まるで大人が子供に諭すように。
これをどんどん成長していく中学生のモブが
世の中に絶望する大人、力を持って人を傷つける大人
現代の言葉で言えばアダルトチルドレンのような人間
説教していく構図がまるで皮肉のように感じます。

モブの強さはただ強大な超能力を持っているという訳でなく
その、人として当たり前の教えを他人に寄り添い
説くことができること。
それこそが人間としての真の強さなのではないかと思います。

まあ、金でも権力でも力に溺れると碌でもないことになっていくんだ

アニメ モブサイコ100Ⅱ 5話 霊幻新隆 台詞より引用

そしてそのモブの成長に大きく影響を与えている、超能力を持たない一見良くない大人に見える師匠、霊幻新隆もずっと良い仕事をしている。

誰も見捨てないハートフル作品

超能力者とはいえ一番心が不安定な中学生時代の主人公や同級生の子供らしさと成長をしっかり描きつつ、目の前の大きな力(モブの超能力)に何かしらの感情を抱き寄り添う大人、社会に恨みを持ち犯罪に手を染める大人たちや、この世に恨みを残す悪霊までも巻き込んでいくストーリー。

そんな様々なキャラクターに「人は変われる」といったメッセージで
誰も見捨てずに寄り添い人間として大切なものとは何かを教えてくれるような作品です。

また、私としては超能力を持つ人間=現代のなんでもすぐに手に入るIT化した社会下での人間とも重ねて考えてしまいました。
この漫画では大きな力よりも筋トレやコツコツと努力して手に入れた成果を大切にしている部分があります。そしてその中での人と人との関わりを大切にしています。

霊幻師匠は金や権力と発言しているが、そこを掘っていくと今のIT技術やボタン一つで荷物が届く環境も当てはまっていくのではないのかなと思います。

そうすると、最近上映されたラストマイルにもわたしの中で繋がってくるものがあります。

是非私の大好きな作品モブサイコ100を漫画・アニメで楽しんでいただきたいです。

kosoboso

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