ピンク色を着るということ
今週、ピンク色は女の子の色だから着たくない!と男の子が言った、というう話をTwitterでよく見かけた。そういうジェンダーバイアスは誰も救われないし、開放されていくといいと心から思う。
ただ、わたしの自意識はもう少し拗れている。
わたしが子どもだった頃は今よりもっと女の子らしい・男の子らしいというジェンダーバイアスが歴然とあったし、それに疑問すら持たなかった。
そして、性別が女であるわたしは、子どもながらにいわゆる「女の子らしい」ものを身に着けることに気恥ずかしさがあった。ピンク、フリフリ、レースなど、絵本の中お姫様のイメージの物を避けてきた。本当は好きだったような気もするけど、わからない。容姿が可愛くないわたしは、いわゆる「女の子らしい」ものを好きだと言う事は絶対に許されないことだと思っていた。ジェンダーバイアスにルッキズムを拗らせている。だから、女の子を象徴する色である「ピンク」は断固、避けて生きてきた。
歳を重ねてそこそこたくさんの洋服を着て大人になると、「あえてのピンク」を着る、少々ずるい裏技的な方法を覚えた。とくに、ショッキングピンクはむしろ「女の子」「モテ」「男受け」的なものの対局にあると気付いたことで、むしろ好きになった。そのことに気づいたきっかけになる青みのある鮮やかなショッキングピンクのセーターは、洗濯でだいぶ縮んでしまったが5年ほど着続けている。
襟とカフスが貴族みたいなフリルの、ベビーピンクのブラウスも買った。それはユニクロとJWアンダーソンのコラボだったがあまり売れなかったようで、ワゴンセールで390円だった。フリフリをそのまま着るのはやっぱり恥ずかしいので、古着のジャンプスーツに合わせて着崩すことが多い。気に入っているのだが、洗濯するたびにフリルにアイロンをかけるのが手間なので出番は少ない。
「ピンク」を着ることについてのTweetを見ている間に、だんだん「あえて」という枕詞を取りたいと思うようになってきた。着崩すのが今の自分の気分に合うのであれば全然良いけど、フェミニンに着たければ真正面から着てもいい。とにかく、フラットな気持ちでピンク色の服を選べるようになりたいと思った。
そんなことをぼんやり考えつつネットサーフィンをしていたら、ピンクのコーデュロイのワイドパンツを見つけた。単純に、かわいい!ありそうで、なかなかないし、薄いピンクだから白やグレーに近い感覚で、意外と着回しがききそう。即、購入した。ニットに合わせたり、真白なブラウスに合わせても良さそうだ。届くのは12月になりそうだが、今からとても楽しみである。