27 ピザまん
ピザまんがうますぎることに最近やっと気が付いた。
これまでピザと肉まんは別々で食うわいと謎の意地と偏見から、生まれて32年手を出したことがなかった。
逆にすごい気がする。
寒くなってきて朝からお店を開けると、あたたかいもの(かつ匂いが店内に残りにくいもの)を食べたくなる。
そのため近所のファミマで肉まんを一つ買い、店内でコーヒーか紅茶を淹れて朝食とするようになった。
こんな朝に看板もない古本屋に来てくださる方はあまりいないので、ボケーっとしながらゆっくり朝食をとることができる。(望ましい状態ではないので朝からきていただけるようなお店にしたいとは思ってます)
毎日肉まんを買っていたのだが、肉まんが売り切れている日があり、しぶしぶピザまんを手にしたのが最初の出会いだった。
きっとピザまんも私に悪印象を持ったことと思う。
最寄りのファミマから歩いて3分、お店につき、水を温めコーヒーを長年使っているマグカップへ淹れる。
一口コーヒーを口にして口内を温めたあと、胃をなだめるためだけだとピザまんを口にした。
衝撃だった。うますぎる。
これ、普通にピザまんという料理だ。
焼きそばパンを私はあまり好きではない。違う料理を合体させただけではないかと思う。(おいしい焼きそばパンに出会ったことがないだけかも)
「焼きそば+パン=焼きそばパン」という味であり、1+1=2にしかならない。
おそらくこの辺の経験から異種合体系B級グルメへの偏見を持ってしまった感がある。
ピザまんは違う。
厚くふわふわの皮に、餡はピザソースとチーズだけなのに、皮の甘味とソースの酸味、チーズのなめらかな舌触りが完全に調和している。
だいたい考えたらふざけた原材料だ。原材料として金のかかるものは使ってないのに150円くらいする。
それでもその小兵集団が一丸となりピザまんという完成度の高いチームを作っている。
2002年アスレチックスが20連勝したときのように。
1970年大阪万博のテーマ「人類の進歩と調和」、それはピザまんに帰着した。
ピザまんは私に偏見の怖さを教えてくれた。
焼きそばパンの経験からピザまんを同類とみなし口にもしなかった自分の愚かさ。
今尻込みしていること、イメージで拒んでいることも一度やってみるという姿勢を思い起こさせてくれた。
まずはちょんまげ小僧の動画を最初から最後まで見てみたいと思う。
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