30 ホットレモン
眠い。頭が重く、奥の方が鈍く痛む。
AM7:17、セブンイレブンで買ったホットレモンをちびちびと飲む。早朝にかったため温めきれてないのかぬるい。口内炎に沁みる。
昨日はだいぶ久しぶりに遅くまで飲んだ。
福岡エリアでの高校の同窓会があった。50歳上の方が参加するような、私が最年少にあたるタイプのものだ。
幹事の方が気を利かせてくれて私と同世代の数人が自己紹介させてもらうタイミングがあった。
昨年まで野球の職員してまして、古本屋やりたくて転職しまして、今もダブルワークしてまして、朝と夜の変な時間だけやってまして~
人前で話すのが得意でないのでいつも要領を得ないふわふわとした話になってしまう。
私の前に話した二人は同世代なのに、家業を継ぐために会社で役員として働いているためか、「経営者」という雰囲気でちゃんとした話(まとまっていて笑いが少しあるやつ)をしていた。
まあやってきてる人はできるし、やってきてないやつはできないだけの話ではある。
「なんで古本屋始めたの?」
挨拶して回るときに聞いてくださる方もいる。
「本が好きなので」
と答える。(もう少し言葉は付け足すが)
相手はあまり納得しない顔で次の話を始める。
別にもったいぶったりめんどくさがったりしているわけではなく、明らかなきっかけや強烈な原体験があるわけではない。
目を輝かせて語れるような"熱い思い"があるわけでもないので、切り貼りして似たようなものを準備しても恥ずかしくて見てられない。
要するにそれっぽいことを語るのが恥ずかしいのだ。
たまたま同席した同期に言われた。
「なんで古本なのか、実店舗でないといけないのか、わざわざ始めたくらいなんやけ明確にあるはずやろ。それを言えるようにしとった方が、店の方向性決めていく上で自分の役に立つんやない」
さすが次期社長なところで、ちゃんと逃がしてくれなかった。
自分ひとりで運営はしてるとはいえ、色んな人に手伝ってもらい開店準備を行った。開業してからも足を運んでくださる方、仕入れやPRで力添えくださる方など色んな人を巻き込んでいる。
恥ずかしがってぐだぐだなまま破滅していくのはあまりに自意識過剰で自分勝手だ。(今まさに破滅の危機に瀕しているというわけではないが)
自分の思いや考えを掘り下げ、言葉にするのは難しい。
本心だと思ったものが単なる憧れであり見えたと思ったものが単なる装飾に過ぎない、ということはよくある。少なくとも私の場合は。
まずはそこから逃げない、ということだけはもっておこう、という要領を得ないふわふわとした話。
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