見出し画像

活用されていない幾つかのスペースと活用されるゴミの話

5月14日 くもりのち晴れ

本日のBGM David Benoit


新緑もぐんぐん伸びる盛りで
母が庚申窯前の木を切っておりました。

画像1

庚申窯にはポテンシャルが高いのに
メンバーたちの無精により
活用しきれていない幾つかのスペースがございまして
そのうちの一つが こちらのガラスのショーケース。

画像2

前に生えてる木の方が目立つので
このショーケースがあることを
来た人のほとんどが気づかないと言う体たらくです。
いいかげんバッサリ行っとこうと思ったようで
私も少しだけ手伝って
一応中が見えるようになりました。

画像3

ただこのガラスが太陽ののぼる方向と
正対しておって、普段は真っ白に反射して
やはり中が見えないので
フル活用への道は遠いですね。

画像4

まとめると結構な量に。
庚申窯ではそのまま裏で燃やせるので
ゴミ問題にはなりません。
燃やした灰で釉薬も作れるしね。


そして昨日の続きでくすりかけを日中していて
今日の主なうつわはこの2種類。

画像5

この2つ分の写真を撮ったら
写真の量がとても多くなったので
今回は小皿の釉薬のかけ方だけご紹介します。

その小皿の釉薬をかけるのに使う器具がこちら。

画像6


中世の拷問器具のような いかつい見た目なので
青空バックで爽やかさを補っておきました。

これ名前なんていうのか わかんないのですが
こんな風に素焼きの小皿を挟みまして

画像7

釉薬の中へ浸けてしまいます。
この釉薬はナンバー6の
水色とかピンクとかになる釉薬です。
釉薬の時はこんな感じですね。

画像8

画像9

画像10

画像11

こういうお皿だと、普段は
指でお皿を掴んで、手のひらごと
釉薬の中へダイブするのですが、
それをやると指で掴んだ部分の釉薬が
多くなって そこだけ色が濃くなります


今回の小皿は卸(おろし)用なので
あまり指の跡と分かってしまうのは好まれず、
この拷問器具を使っている次第です。

まあこの掛け方でも釉薬の濃さにムラができて
多少の色の揺らぎが出ますが、
それはまあなんというか
いい感じの手作り感で、
ガチの天然だとうっとうしいけど
ちょうどいい具合の天然キャラなら可愛いみたいな
そういう感じです。

計算と気遣いが必要なんですね。


釉薬をかけた後がこんな感じ。

画像12


爪の痕が3か所と液ダレのたまりがありますね。

釉薬にもいろいろタイプがあるので
このくらいの液ダレでも そこだけ色が濃くなる釉薬もあれば
あるいは全く分からなくなる釉薬もあります。

この釉薬はどちらかというと色が濃くなる方なので
この液ダレ部分は「ちょうどいい具合に」
削ってあげる必要があります。

まずこの爪痕は指で揉んであげると馴染んでくれます。

画像13

指で揉んで馴染むかどうかも
釉薬のタイプで異なりますが、
この釉薬なら割と融通が効くので
このやり方で大丈夫ですね。

画像14

次に液ダレの部分は
このプラッチック製のナイフで削ります。

画像15

これは使い捨ての食事用のナイフだと思いますが
このプラスチックの硬さがちょうどよく、
私が大変愛用しているゴミになります。
このゴミがなくなってしまうととても悲しいですね。
これからも大事にしたいと思います。

んでこのナイフの刃の部分で
液ダレのたまりを他の面より
少しだけ厚いくらいにまで削ってあげます。

画像16

この後の写真を撮ってなかったみたいなので
ここまでですが、このやり方とは他に
前回出てきたコンプレッサーを使って
釉薬を均一にかけるやり方もあります。
完全さを求めるなら
コンプレッサーの方がいいかもしれませんね。


私の釉薬のかけ方では
ほぼ必ずコンプレッサーの出番が来るので
使わずに済むなら
コンプレッサーなしの方法を選択しております。
ということで
この小皿のくすりかけは まだ終わっていなくて
上から別の釉薬をコンプレッサーで
かけることになりますが
それはまた明日。


おれ

高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目


いいなと思ったら応援しよう!