国家資格保有者が考えた、これからの資格取得
コロナウィルスの影響やリカレント・リスキリングといった時代の流れから考えて、今後『資格』を目指す人は増えると予想されます。
私が公認会計士を目指すきっかけは『就職氷河期』で、自分の希望していた就職ができなかったことにあります。コロナウィルスで就業できなかった新卒の方、あるいは不本意な就労をしていて、近いうちに転職を予定している人が多く存在するという状況は、私の経験した『就職氷河期』に似た環境にあるという印象を持っています。
いわゆる不況と呼ばれる期間には、資格とりわけ『国家試験』の受験者が増加します。逆に、景気が良い期間、受験者は減少します。現にコロナ前の約10年間(2010年~2019年)は、比較的景気がよく、また少子化の影響で新卒の人数も減少傾向にあることから、多くの国家試験で、軒並み受験者が減少傾向にありました。
ポストコロナ・ウィズコロナの兆しが見えかけている中、今回紹介する東洋経済だけでなく、PRESIDENTでも勉強法の特集が組まれるなど、今後数年間を視野に入れると、資格・検定にチャレンジする人は確実に増加します。
さらに人生100年時代を見据えて、これまでよりも長く働く必要のある40代~50代は年齢とともに、自分の仕事を見つめ直す必要があります。団塊の世代のように『その会社のみで使える能力』だけでなく、自分のライフステージに合わせた働き方が求められるようになるでしょう。そんななか、リカレント・リスキリングというワードが使われるようになり、これまでとは異なる新しい風潮での受験者の増加も見込まれます。
今後は、受験者の減少傾向に歯止めがかかり、増加に転じる可能性が高いのですが、国家資格については、合格率や合格者が大きく変動することはないので、受験者の増加に伴い、『不合格者』の層が厚くなると予想されます。合格率が10%以下になる国家資格は珍しくありません。ということは、勉強をスタートした段階で、自分の目の前には不合格となった人たちがすでに居て、それを抜かしていかなければなりません。個人的な意見でいうと、一度勉強している人を押しのけていくには、相当の労力が必要になります。ということは、いつか勉強しようと思っているのであれば、『不合格者』の層が薄いうちに始めるのが得策です。
今回紹介した東洋経済だけでなく、書店に行けば、資格に関する書籍が並んでいるので、一度手に取ってみて下さい!