こしあん犬

教育関係に傾倒したアカウントです。嘘発見器として仕事をしています。一件500円〜100…

こしあん犬

教育関係に傾倒したアカウントです。嘘発見器として仕事をしています。一件500円〜1000円で嘘を発見します。1日2件の依頼で食べていける算段です。家賃は払えません。今日も雑草を食べて飢えを凌いでいます。

最近の記事

予習は有害である ーでは、どうすればよいのかー 永野重史著

<感想>昭和52年初版発行 予習とは、問題の答えを前もって提示することであり、それによって学校の授業を答えをなぞる作業にしてしまい、(学習において最も大切な)好奇心や探究心を摘んでしまう。それは子供にとって有害である。という内容の本である。 文章としてみれば「そんなのは当たり前」だと思うかもしれないが、親が子供への言葉かけや働きかけについて振り返るには良い本である。 それはそれとして、教員の立場から考えると、現実的に“有害な“予習をしてくる子供は多くいるのだ。もちろん、それを

    • 見えない違い ー私はアスペルガーー 花伝社

      <感想> アスペルガーを理解するための分かりやすい良著である。さらに理解を進めたい方に向けて、文献が示されているところも良い。 この本の特徴は「女性の」アスペルガーにスポットを当てているところだろう。アスペルガーと言うとなんとなく男性をイメージしがちであり、なんとなく「しかたないなあ」「まったく(笑)」のような雰囲気で話されがちである。しかし、この本はそういった軽いノリではなく、考えさせられるようなエピソードをいくつも盛り込んでいるところが、アスペルガー症候群に対する理解を深

      • 学級経営OVER35 加固希支男 著

        感想 私はこの本を知った瞬間、とても興奮したことを覚えている。学級経営系の書籍には初心者向けのものは溢れているが、中級者向けのものはほとんどないからだ。中級者向けのものは、教科別の専門書ばかりだ。 さて、翻ってこの本は「初級者のまま対して勉強もせず、ラッキーで35歳まで生き残れた、実力据え置きの中堅教師に捧げる本」であった。つまり、OVER35の初任者に向けて書かれていたのだ。35歳までたいして勉強せずにうっかり生き残ってしまった、うっかり中堅におすすめなので、是非とも読

        • COMIX家族でできる7つの習慣 PHP研究所

          感想 「相手に理解されたと思えたらだれだって心を開くそして相手のことを理解しようとする(p.178)」この言葉が一番心に残った。漫画というコンテンツの良さとして、その時の感情や雰囲気を伝えやすいというものがある(書き手の技量にももちろんよるが)。上記の言葉が出る場面の空気感がとてもわかりやすく、文字だけでは理解しづらいところが明確に伝わってくる。原書を読む前の試し読みとして、とても良い本だと考える。  題材もアイドルになりたい中学生とそれを取り巻く家族という設定で、大多数が表

        予習は有害である ーでは、どうすればよいのかー 永野重史著

          職員室のモノ、1t捨てたら残業へりました 丸山瞬 著

          感想  おわりににも書かれているが、この本の主張は「片づけで学校は変わります!」ということだ。これだけ見ると、よくありがちな意識改革本というか、自己啓発本というかに見えてしまうが、この本の読者へのアプローチの仕方は真逆であり、ひたすらに具体的である。それこそ、この本が一冊あれば片づけができるのだ。それを追求したことこそがこの本の特異性であると考えられる。  「片づけ」を想像すると、みんな同じことを想像しそうだが、その内容にはおおきな乖離があるように思う。そこに徹底的にスポット

          職員室のモノ、1t捨てたら残業へりました 丸山瞬 著

          ICTいるかいらないか論争の無駄さについて

          久々にICTいらない的なツイートを見たので、これについてまとめておく。 今回はICT=実物投影機とプロジェクターとスクリーンの3点セットと設定して話を進める。 まず、ICTとは授業の腕を瞬時に上げてくれる魔法の道具ではなく、授業のわかりやすさをちょこっと底上げしてくれる上底シューズのようなものである。 良く引き合いに出されるのが、ICTを使わないベテランの上手な授業とICTをよくつかう若手の授業である。それらを比べて、ベテランの授業の方がわかりやすい。だからICTを使う必要が

          ICTいるかいらないか論争の無駄さについて

          まんがで身につく伝える力 池上彰 著

          感想 『「このくらい、相手もわかってくれるだろう」と勝手に考え、自分の思いを一方的に話してしまうのです。』こうならないためにどうするかが詰め込まれた本だ。 この本から学べることは、「相手の気持ちになることの大切さ」だと考える。我々は気を抜けばすぐに自分主体になってしまう。それが良いか悪いかというのは別問題にして、「相手に何かを伝える」という場面に限定すれば、足かせになることは確実である。そのようなときにどうしたら良いか、解決するための一助になる本である。仕事でも人間関係でも

          まんがで身につく伝える力 池上彰 著

          マンガ 死ぬこと以外かすり傷

          感想 「あなたはもっとデタラメだ」この本の主張はコレに集約される。 率直な感想として、この本のレビューにあまり意味を感じないが、それはそれとして続けようと思う。 意味を感じない理由は、この本は「熱狂」を伝えようとしているからだ。しかし、本質を伝えることは難しいとは言え、そのエッセンスは幾分か伝えられるのでは無いかと思う。 この本は面白い。 それは、破天荒な漫画のキャラクター(実際に漫画版なのだが)をひやひやしながら見ているような感覚になれるからだ。これを現実に人がやって

          マンガ 死ぬこと以外かすり傷

          プログラミング教育について

          ⭐︎簡単なまとめ世の中で言われていることってたいてい的が外れています。大切なのは3つ。1コンピューターってどうやって動いているのかがなんとなくわかること。2プログラムの働きの良さや、コンピューターってこんなところで使われていて便利だよねーがわかること。3色んな教科で「効果的」に使える方法を探してやっていこうってこと。コレを抑えればマトは外さずに済みます。いろいろ大変だけど、楽しんでやってみよう! ⭐︎背景society5.0(政府広報の動画を参照)を迎えるに当たり、コンピュ

          プログラミング教育について

          まんがでわかる地頭力を鍛える

          感想  この本には、「完璧主義病」や「ないない病」を治療する効果がある。前記の病気については字を見れば明らかだが、後記の病気は常にできない理由を探してしまう病である。両方共、罹患してしまうと、行動が鈍化してしまい、場合に寄っては行動できなくなってしまうといった状態に陥る。思考を変化させ、この二つの病気に対する抵抗力をつけるのがこの本の大きな効能である。  副作用として反応速度が上がる効果も期待できる。30分程度で読了できるので、ちょっとした時間に読むことをお勧めする。  最後

          まんがでわかる地頭力を鍛える

          働き方改革の影について(公立教師バージョン)

          この記事がどこに向られたものなのかはわからない。しかし、言葉が激しく一人歩きしている感がある、働き方改革の影についてはいずれ書きたいと思っていた。 働き方改革について、なにかを主張される予定がある方は、この内容を是非とも押さえた上で「わかってるわかってる」といった余裕の笑みを浮かべながら、なにがしかの主張をしてほしい。 内容が内容だけに、予め私の立ち位置を明記しておく。 「私は働き方改革はすみやかにされるべきだし、それにより教員の就労環境が保障され、それは即ち教育の質の

          働き方改革の影について(公立教師バージョン)