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自己紹介❶タイ駐在員時代「俺ってグローバル」から葛藤の日々、そして起業を決意!

「俺ってグローバル」に酔いしれていた初期

帰国子女という生い立ちから「海外で仕事がしたい」という思いがありました。

国内仕事中心だった前職のコンサルを辞めて、当時スマホ市場で急成長してこれから海外に打って出ようとしていたスタートアップnobotに転職を決意しました。

と思った矢先、nobotはKDDIグループに買収され、入社当日はmedibaというKDDI系列のモバイル・スマホ広告を扱う会社に入ることに。

ただ、自分の「海外で仕事がしたい!海外事業を立ち上げる!」という目的には支障なく、不安定なスタートアップというよりもむしろ、給与・福利厚生充分なKDDIの人員として海外立ち上げの任務に就けることになり、晴れて2012年4月からタイ駐在員に。

当初は、海外出張できるだけで「オレってグローバル(感動)」に酔いしれ、タイの屋台でご飯を食べたり、BTSやシーロー(乗合タクシー)に乗ることで「バックパッカー時代思い出すなぁ、海外勤務だぁ」と喜んでいました。恥ずかしい...orz

当時は、IT系と言ってもSIer的な企業がほとんで、ウェブ系は楽天くらい。20代の駐在員も珍しかったので、どこに行っても特別感がありました。

フラストレーション

と、最初はタイにいるだけで感動していましたが、次第に事業を立ち上げる責任の重圧を感じ始めました(「最後までその本当の意味を分かっていなかった」と今は反省)。

まだタイではスタートアップという存在がほとんどなかったので、事業分野上そういう集まりを見つけては顔を出し、スマホ関連で事業をしているところも人づてで10〜20人会ったら主要人物は行き尽くした感じ。

そこで出会うタイ人は皆、経営者・起業家。

自分はタイ駐在員事務所の代表という立場で、提携話など一見「対等」な形を取りながらも、あちらの知見・実力・覚悟と比べて自分にはそれがなく、大企業の看板・資金・期限付きの割切で相手が相対していることに、自分が分不相応な待遇・ポジションにおり、存在意義を感じられないという気持ちが日々が募っていきました。

一方、日本本社からは与えられたのは、ごく限られた決裁権。採用はもちろん、PC1台、机椅子など事業活動の8割以上を日本に稟議を出し「すみません、次は法務の〇〇さんに回して頂けますか」とskypeとメールで日本にひたすら説明と承認を繰り返す日々。

ちなみに、市場としては「Googleが遠隔で営業員ゼロながらに圧勝の状況を、どう覆すか」という、冷静に考えれば日本と同事業では明らかに無理ゲーな環境でした。

「本社のやり方も、自分の実力も、市場環境も、このままでは誰得にもならない」

そのフラストレーションが半年ほど募っていました。

若井さんとの出会いと起業

いまタイでBuzz Commerce/流川製薬という化粧品分野のスタートアップをしている若井さんという友人がいるのですが、彼は僕が駐在で来たときに、裸一貫でIT分野で起業した唯一の日本人でした。

彼とは駐在開始前の出張時に出会ったのですが、事業の相談やタイのIT市場について話をできる数少ない仲間でした。

夜な夜なアソークのマックで彼の事業を伸ばすヒントや、僕の知る日本のスタートアップ情報などをgiveする一方で、自分がどうすべきか人生相談していると、彼がIT事業の経験もなくタイ語も話せたわけではないけれど、起業して当時タイで1〜2を争うタイの化粧品口コミメディアの地位を築いた話を聞きながら「自分も、自分の納得行く環境で挑戦したい」とムラムラとこみ上げてくるものを感じました。

悩んだ末...

「今の道ではない。帰るでも留学・転職でもない。ここでゼロから自分でやってみたい。」

と完全に勢いと勘違いで決意してしまったのでした。

ちなみに嫁さんは、やっと赤子を連れたタイ生活に慣れてきたところで「はー!?起業!?そんなつもりだったの!?」と言いつつも、駐在員として「死んだ魚の目」をしていた僕(嫁さん談)を見るのに辛くなっており、以下の3条件を守るなら良い、と許しを得ました。

1)貯金は半分しか使わない
2)失敗したら家族で田舎の豊根村に帰る
3)子どもに誇れる背中を見せる

今考えてもすごい人だなぁ、と感謝しかないですが、1)は半年で反故になりました(ホント申し訳ない。起業ってお金かかる現実)。2)は図らずも、2020年のコロナによる嫁さんの地元への長期帰省で部分的にできてしまったので笑、3)をあり続けられるように日々努めながら1)と同等の貯金を取り戻したら約束守ったことになるのかな、と頑張りたいところです。

当時の家族写真

こうして起業することになった越陽二郎、初期はどんな日々だったのか。
自己紹介❷起業初期“ないない尽し”の孤独な日々〜初めての出資獲得へ に続く…。


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