相手のニーズを捉える「具体と抽象」の使い方
こんばんわ。koshiです。
「具体と抽象」の使いどころについて、まとめてみます。
そもそも「具体と抽象」ってなに?
「具体と抽象」は結局なにに役立つの?
と思う方はぜひ読んでみてください。
極論ですが、「具体と抽象」の思考法は、日常生活のほとんどに応用できる考え方だと思っています。
その中でも今回は「ニーズに答える」という点について、考えたことをまとめてみました。
はじめに:「具体と抽象」ってなに?
具体とは、言葉の通り具体的であることです。具体的とは、ある一つのモノまで特定できることを指します。
例を挙げると、
・隣の佐藤さんが飼っている柴犬
・向かいの肉のハナマサで買った牛ロース
このようにある一個のモノ、コトまで特定できることが、具体的であることです。
もっと具体的にすると、
・隣の家の佐藤さんが8年前から飼っている柴犬のポチ
・家の斜向かいにある肉のハナマサで昨日買った国産牛肩ロース200g
となります。
抽象とは、抽象的であることです。抽象的とは、一つのモノを特定できない、グループ化された概念です。具体的なモノ、コトにラベル(分類)を貼ってまとめることです。
先程の例を抽象的にすると
・近所の柴犬
・スーパーで買った牛肉
となります。
隣の佐藤さん→近所としてグループ化すると、佐藤さんとは特定できません。
肉のハナマサ→スーパーとしてグループ化すると、肉のハナマサとは特定できません。
もっと抽象的にすると
・そこの犬
・買った肉
となります。
このように具体と抽象はグラデーションのようになっています。そのため、一概に「それは抽象的だ」「それは具体的だ」とは言えません。
具体的か抽象的かは、求めているものがどのレベルかによって変わります。求めている基準があって初めて、「具体的か」「抽象的か」が判断できます。
ざっくりですが、これが「具体と抽象」です。
会社の役割による具体と抽象の違い
次に、会社の役割における「具体と抽象」の考えをまとめます。
会社などの組織は、役職が上になるほど抽象的な仕事、下になるほど具体的な仕事になります。
例を挙げると
・社長:売上目標1000万を立てる
・専務:目標1000万を営業部2箇所に500万ずつ割り振る
・部長:与えられた500万を各課に100万ずつ割り振る
・課長:与えられた100万を各係に25万ずつ割り振る
・係長:係で目標を達成するために個人に5万ずつ割り振る
・一般:5万を達成する
思いっきり単純に「誰がいくら?」が具体的になっていく例を挙げました。極論、社長は1000万が達成されれば誰が何をしたっていいんです。でも一般社員からすると「誰がいくら分やるの?」となります。
このように組織における「指示」は、全て抽象→具体に落とし込まれています。このことを意識できると、全体感を持って仕事ができるようになると思います。
具体と抽象によるコミュニケーションギャップ
働く上での会話も、日常会話も、この「具体と抽象」のレベルが一致していないとギャップが発生します。
社長が「こういうデータ出せる?」と聞きたのなら、出せるか出せないか、という抽象的な答えで良いかもしれません。いくら時間がかかったとしても「見たいデータが出せればいい」し、それにかかる時間や細かいところを管理するのは社長ではないからです。
ただ、係長が「こういうデータ出せる?」と聞いたのなら「こういうデータを元にして、〇時間ぐらいで出せると思います」と具体的に答える必要があります。
係長は上からの指示をそのまま伝えたかも知れませんが、係長には部下が出すデータに見当違いが無いか、勤怠上問題ないか、他作業が滞ることはないかを管理する責任があるからです。おそらく「出せます」だけ伝えたら、どれくらいかかる?なんのデータ使うの?と追加で質問されます。
もし時間が沢山かかるようであれば、係長は上に伝えないといけません。
極端な例を挙げましたが、相手のレベルに合わせてどこまで具体に落とし込むのか?を考えてコミュニケーションを取る必要があります。
全然別の例を挙げます。
Aさんの「犬って吠えるからうるさいよね〜」という発言に対してBさんは「いや、うちの犬は吠えないからうるさくないよ」と返します。
Aさんは「犬」というグループに対しての一般的な話をしているのに、Bさんは「うちの犬」まで具体に落として返しました。
Aさんはおそらく「いや、それはわかってるけど、だいたい吠えるじゃん。」と。
Aさんは個別の具体的な事例は一旦無視して、総じての話をしてます。この場合は「犬」というレベルに合わせて「猫」とかの話を出したほうが良かったかもしれません。
ここまでの話を踏まえて、「ニーズを捉える」ための使い方を書いていきます。
具体→抽象でニーズを捉える
具体的な行動や言動に対して、一度抽象化をするように意識すると、ニーズを捉えられるようになります。
行動や言動も基本的には抽象→具体に流れます。
目的があって行動・言動に至る。これは目的は抽象的なことで、行動・言動が具体的なことです。
例を挙げます。
「肌をキレイにしたい」と男友達から言われたとします。そのまんまで捉えるとニーズは「肌をキレイにしたい」です。そのままですね。
これを抽象化していくと、肌をキレイにしたい→自分磨きがしたい→モテたい→パートナーがほしい→生活を充実させたい→より良い人生にしたい。
このように抽象化していくと、起点となるニーズまで遡ることができます。あくまで想像ですが、これをいろいろな方向で考えることで、あらゆるニーズを発掘できます。
抽象→具体でニーズに答える
抽象化したニーズに対して、様々な具体を上げていきましょう。具体→抽象化にしたものを、また別の具体に戻していきます。
そうすることで、相手も気づかないような潜在ニーズにまで答えられるかもしれません。
先程の例でいうところの「モテたい」というニーズに対しては、「筋トレ」や「話術」も行動の選択肢に入りますよね。「肌だけじゃなく筋トレした方がモテるかもよ!」という提案ができます。
更に抽象的な「生活を充実させたい」というニーズに対しては、「社会人サークル」や「没頭できる趣味」や「犬を飼う」ことだって入ります。なにもパートナーだけが生活を充実させることではありません。
このように、相手の言動・行動の目的を、できる限りさまざまなパターンで抽象化し、当てはまりそうな具体を考えましょう。
頭がいいと言われる人は「具体⇔抽象」が早い
「具体と抽象」を知ってから明確に気づきましたが、私の身の回りで頭いいなぁと思う人は「要するに〇〇でしょ(抽象化)?じゃあ、〇〇でいいじゃん(具体化)」が圧倒的に早いと感じます。おそらく「具体と抽象」を無意識に往復できるのだと思います。
そんな風になりたいですが、なれそうにありません。でも、意識的に続けることでいつか無意識の領域までいけたらいいですね。
とにかく、「具体と抽象」について、知ることができてよかったなと思いました。
以上です。