23. MIDORIの仕事/ Trabajo de MIDORI(5)
財政的なミドリの最初の危機をなんとか乗り越えた。
委託販売を開始したおかげで、
ミドリの売り上げと知名度は一気に上がっていった。
人はあまり増やさず、
その分、機械に投資を行うようにした。
右肩上がりに成長していった。
だけど、同時に問題も増えた。
売れるということは、消費者も増えるわけで、
クレームも増えた。
単純に準備不足だった。
今思えばどれもいい勉強だった。
特にきつかったのが、
3回ほど、顧客や取引先から、
「訴える」と言われたことだ。
近年、世界一と言われるほど、パラグアイの森林伐採は深刻で、
自然環境保護の観点から、パロサントも例外ではない。
保護の対象となっている。
敏感な人がいるのは理解できるが、
訴えられてしまっては、うちも困る。
その時のストレスはひどいものだった。
すぐに、パロサントに関する情報を調べ直し、
環境省にも問い合わせた。
国内でパロサントを扱ってビジネスをする分には特に問題ないことがわかった。
特に、手工芸品に関しては、全く障壁がない。
*原料としての取り扱いには規制有り
材料を仕入れている業者は皆、環境省のライセンスを持っているので、
許可証の写真をコピーさせてもらった。
この時は、まだ取得できなかったが、
今では、環境省の「貴重野生種取り扱い業者」のライセンスも僕の名義で取得した。
何より僕らのコンセプトとして、
廃材を再利用した製造過程が売りなので、そこを理解してもらうことに注力した。
*残念ながらまだ100%がリサイクルではないのが心苦しいが、可能な限り100%に近づけていきたいと思っている。
最善を尽くして、改善に努めた。
クレームは徐々に減っていった。
正直、パラグアイでは僕(日本人)はよそ者なので、
こういったシビアなテーマに対しては風当たりが強いと思う。
日本人がパラグアイに来て、
貴重なパロサントを利用して金儲けをしている。
インディヘナを搾取して、商売をしている。
なんてふうに捉える人もゼロではない。
これらをどのように、いい方向に理解してもらえるかが、
今後の僕らの課題だ。
パロサントの植林事業なのか、
インディヘナコミュニティへの支援なのか、
環境保護活動を行うのか、
考えていこう。
明日は、もう一つの問題、人材管理について書きたいと思います。
写真:パロサントの苗
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