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SIerが人月で単価を決める馬鹿さについて

はじめに

SIerは人月商売だからダメーとよく聞く話だろうと思うが、実際に自分も同意見である

自分がSIerがダメだと思う根拠の一つが、ITの仕事ってそもそも効率化によって労働力を減らす性質があるのに、その価格設定を労働力で決めている点である


IT屋は他人の人件費を糧に生きている

そもそもIT屋は業務を効率化する、つまり、他人の労働時間を削減することを生業とするのがメインの仕事である
業務効率化とは言い換えれば、他人の仕事を奪う仕事であるので、悪い言い方をすれば、ITの仕事とは他人の人件費を糧にして成り立つ仕事だとも言えるだろう

つまり、その仕事をしていた他人がもらったであろう人件費の総額が、IT化による付加価値であるといえよう

つまり、IT化のための金額はその人件費の総額を上限として価格設定することが出来るだろう

例えば、年収400万円の人がレガシーな業務を専業していたとしよう
IT化でこの人の仕事を完全に奪ったとして、5年稼働したとしよう
このとき、このシステムの付加価値は2000万円であるといえよう
つまり、このシステムを売る価格は最大2000万円に出来るはずだ


人月で価格決定するSIer

しかし、世の中のシステム開発会社はこのような価格決定をしない

原価で価格を考えるという方法を取る

例えば上記の年収400万円のおじさんの仕事を奪うシステムは、20代の若手エンジニアが2ヶ月稼働して作れるとしよう

このときのこのシステムの価格は、若手エンジニアが働いた人件費の単価×働いた期間で決められる

基本的に、エンジニアの1ヶ月の単価は100万円で定義されることが多いので、ここでは単価100万円を使おう
2ヶ月稼働するので、このシステムの原価は200万円であることがわかる

原価200万円であるので、利益を上乗せして、販売価格を300万円として販売するのである

一見わかりやすい価格決定だが、よく見てみよう先ほどの付加価値は2000万円だったのに対して、販売価格は300万円である

かなりの割引をして販売しているといえよう


人月原価計算は割引販売になりがち

上記の例のように、SIerのほとんどが人月に基づく原価計算で価格決定を行なっており、割引販売されているのが現状である

なぜ割引販売になるにも関わらず、原価計算による価格設定をSIerは長らく伝統的に行ってきたのだろうか?

その疑問の答えは、ひとえに、クライアントへの説明のしやすさである

システム導入による労務費削減効果は導入後に正確な計算をして初めて計算できるものである
導入前に導入効果の値を正確に見積もることは困難を極める

よって、価格設定の根拠がより説明しやすい原価計算による算出によって価格を決めているのである

システム開発中の予期せぬ工数追加があっても原価ベースであれば利益を確保できるというリスクヘッジもある

しかし、これは一見良さそうな価格決定方法に思えるが、悪く言わせて貰えば、チキっていると表現することができる

原価計算による価格設定は、顧客に強く出られないSIerの後ろ向きな生存戦略が表出したものなのである

悲しいやつなのだ


ITコンサルの隆盛

しかし、みんながみんな一律にクライアントにヘコヘコしながら案件を受注してシステム開発をやっている時代はよかった
まだみんなと横並びだからである

しかし、昨今は事情が変わった

クライアントに対して強気に出られるITコンサルが隆盛してきたからだ

2000年代くらいからITコンサルが台頭してきて、レガシーなSIerのクライアントを奪いながら、システム業界を再編してきた

レガシーなSIerは既存顧客を取られながら20年もあぐらをかいていたことになる
これからもかきつづけるかもしれないが、、、

当然危機意識もSIerには存在していはするが、いつ聞いてもSIerからの脱却という同じ目標を手を変え品を変え言葉を変えて言っているだけで進歩は見られないため、永遠にこのままなのかもしれない

やはり、ITコンサルとの最大の違いは顧客に対して強く出られるか否かである
今まで下請け丸出しの消極的なサービス提供をしてきたものが急に上から金をもっとくれというのはかなり勇気のいることなのだろう

ほなら、なんか実態は知らんけどなんか良さげなITコンサルに鞍替えでもしてみるかのぉという話になりかねない

ITコンサルを標榜している企業の多くはSAPなどに代表されるパッケージの個社適用を生業とするため、SIerの下位互換であるにも関わらず、神秘のベールに包まれたブランドがITコンサルをなんか良いものに見せているのである

下位互換というのは言いすぎた

結局、ITコンサルは提供するサービスに価値を置いていて、モノなど役に立つならなんだっていいのに対して、SIerは製造業のように作るものにこだわりすぎているという違いがあるだろう
当然、いいものという観点でみたらSIerに軍配が上がるが、昨今の世の中は品質だけ良くても流行らないというのは周知の事実だろう
結局、楽させてくれる、儲けさしてくれるものが一番ウケるのである

そこを突き詰めているITコンサルがSIerを押し除けて隆盛するのは、もはや止められない流れだろう

モノだけ作れても意味ないというのが今の時代の悲しいところである


IT業界の宿命

ところで、ITコンサルが隆盛したもう一つの理由を語ろう

それは、IT業界のある種宿命に由来する

それは、IT業界という仕事は、効率化を進めれば進めるほど、次の効率化の難易度が上がるという点である

本来効率化は喜ばしいことであるが、クライアントワークで他人を効率化させて金をもらうという生業を始めた時に、IT業というのはいずれ破綻する

わかるだろうか?

なぜなら、最初に業務のIT化支援をした時に例えば、400万をもらったとする
しかし、我々は生きていかなければ、いけない
次の効率化の種を探す必要がある
基本的に効率化というのは簡単なものからやるのだから、次は効率化の難易度が先ほどよりも上がる
難易度が上がって収入が増えれば良いだろう
しかし、そうは問屋が下さない
基本的にはお賃金は据え置きになるものである

これがどんどん繰り返されることで、やがて世の中から効率化する飯の種が消える

IT業界とは、言うなれば焼畑農業のようなものなのである

SIerは専ら焼畑農業の専門家だったということだろう
豊かな地はほぼ全て、焼き尽くして新たな農地を開拓できなかった側の民なのである
しかも、豊かさにあぐらをかいて、本来よりも割引いた価格でずっとやってきたのである
当然ろくな貯蓄も蓄えられなかった

今後の難易度の上昇を見越さず、割引き価格で今も働かされるSIerはやはりだめだ

きちんと難易度に対する報酬を得る
この心得があるITコンサルに、我々若手世代は就職するべきだなとおもうのであった


おわりに

話がとっちらかって何が言いたいんだったかもうわからなくなった

とりあえず、人月商売のSIerはクソー

ちゃんちゃん

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ダイキっち
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