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2024年、最も好きになったペンシルパズルの言語化【ダブルチョコ】
前書き
もう2月になってしまったが、僕が2024年にはじめて解いて最も面白かったペンシルパズル、「ダブルチョコ」を紹介しつつ、自分がどんなパズルを求めているのかについて言語化していこうと思う。
ニコリ本誌のものが一番良いと思うが、ネット上で見つけた問題にリンクを貼っておきます。
ルール
目的
盤面には白いマスと黒いマスがある。これを以下のルールに沿って塊に分割していく。全てのマスを以下の制約通りに分割できればクリアとなる。
クリアした時盤面のすべてのマスはいずれかの塊に含まれる。
制約
①1つの塊には1つの白いマスの塊(ホワイトチョコ)と1つの灰色のマスの塊(ビターチョコ)からなる。また、それらの形やマス数は同じでなくてはならない。
②数字が書かれているマスはそのマスが含まれるホワイトあるいはビターチョコのサイズに等しい
以下、感想、言語化
盤面を区切るパズル自体は他にも既に存在している。(「四角に切れ」、「フィルオミノ」等)
敷居の低さ
美点の1つ目は、他のレギュラーパズルと比較しても、「拍子抜けになるくらい浅い部分を作れる」事。レベルが最も低い難易度だと「書かれた数字と同じ数の色の塊」が普通にいくつか見える。これを括るだけで最初の進展がある。
元の状態から複雑にする事は選択肢を増やしたり、ルールを追加したりでできるが簡単な最初の一歩を後から作る事は難しい。
ルールがシンプルで直感的
美点2つ目。ルールがかなり簡単な部類。
文章だけで説明すると少し面倒ではあるが、解答例を横に載せるだけですぐにわかる範囲にとどまっている。
色んなパターンで繋がっていく
上でルールのシンプルさを褒めたが、ルールは単純で良くても展開は多様でなくてはならない。人間、同じことばかりだと飽きてしまう。だからパズルの進み方を2つ以上用意し、それをある程度切り替えながら進めるようなルールを組むことになるのだと思う。
例)四角に切れ
「この数字はもうこの四角形しか存在し得ない」
「このマスはこの数字の四角形に含んでもらうしかない」
例)スリザーリンク
「この数字分の辺を引くには…」
「これが1つのループになるという事は…」
ダブルチョコは「白と黒の塊が同じ形で接している」というルールがある事で片方の塊が決まると「じゃあ、これに接する白い塊は決められるかな…」とかなり作者の意図に誘導された形で次を見ている気がする形になる。
また、進み方が以下のように多様で飽きずに進められる
進み方
「書かれた数字の数と同じ塊があるな」
「できたチョコと接する同じ形はここにしか作れない」
「このパーツはこちらに伸びないと逆の色と接さないから・・・」
「このマスが入れるのはこの塊だけ」
やろうと思えば、後ろ向けに解く(仮定をして矛盾するものを削っていく)ような問題も作れるとは思うが、基本的には解けるところがどんどん出てきてテンポよく進むくらいの方が好き。
見やすい。そして面倒くさそうじゃない
白と黒(灰色)で塗分けられているためか見やすく、また数字があまり書かれていないため見た目があまり面倒そうじゃない(個人的にフィルオミノは見た目が苦手であまり手を付けていない)
区切るだけという課題のおかげであまり書き込む必要が無く、作業に感じられる(例えば数独で足りていない数字が何か確認しているような)時間が少ない。
終盤、「この塊はもうペアになっていたっけ?」と思ってしまうところは少し有るけれど
その他、言葉にならないメモ
ボドゲに活かせる?
今回、下記のような作品に似た要素を持つゲームが作成中なのもあって改めて言語化を行った。
・盤面を分割して取り合うゲーム
「レーベンヘルツ」や「ナゲット」
・「テトリスのような形をうまく敷き詰める」
「パッチワーク」等のローゼンベルク作品
正直、1個考えると次の考える事が出るという要素は答えを探すパズルでは美点だが、最高得点を目指すパズルゲームには向かないんだと思う。
答えが1位に決まっているパズルにおいて新情報はヒントだが、高得点を出すパズルゲームにおいては考えるべき制約である。2種のヒントどちらからでも解ける場合、片方は考えなくてもOKだが、2つの制約となると両方考えざるを得ない
ただ、「ここ同じ形がある(回転はする)」と気付いたときの良さみたいなもっと細かい感情で参考にはなるのかもしれない。