川柳で若い世代にエールを送りたい 23/11/7
1.川柳の一言コメント
「おばちゃんって酸いも甘いもあるみかん」
「おばちゃん」と聞いて私がすぐにイメージするのは、大阪のおばちゃんです。何事にも動じず、言いたい事をずけずけ言う。しかし人情もろくておもしろい。そんなイメージです。
親戚のおばちゃんが大阪に住んでいる訳ではありませんが、私の出身地・和歌山県にも、大阪のおばちゃんみたいな方が居ます。人生経験豊富で、間違った事すると叱られますが、困ったときは助けてくれます。
そんなおばちゃんを、みかんに例えてみました。今の時期にスーパー等で出回っている温州みかんです。
昨日買ったみかんは、ほどほどに甘かった。12月頃になるともっと甘くなるはずです。9月頃に出回る緑色の酸っぱいみかんは、このみかんと同じ種類ですが、甘くない頃に市場に出したものです。
まだ若い頃に摘み取られたみかんは酸っぱいけれど、ゆっくり時間を掛けて樹上で黄色や赤っぽくなると甘みが増します。人生経験が豊富になると、懐が大きく深くなるおばちゃんみたいに。
2.私の経験で思う事
郷里の和歌山に住んでいた子供の頃、いちばん世話になったおばちゃんは、おばちゃんになった母ですが、親戚のおばちゃんや近所のおばちゃんにもいろいろお世話になりました。
夫婦喧嘩で母が一時的に家を出て行ったときは、親戚のおばちゃんが食事を作ってくれました。近所のおばちゃんで、「子供が可哀そうだから、もう少し我慢してあげて」と、父を説得してくれた人も居ました。
田舎は人間関係が濃いので煩わしく感じることもありましたが、濃いが故に助けてくれることもありました。よそのおばちゃんに叱られたこともあります。いや、「叱ってくれた」と言うべきでしょう。
もちろん郷里にはおじちゃんも居ましたが、子供にとっておじちゃんは怖い存在で、おばちゃんは身近な存在でした。おじちゃんと話す機会より、おばちゃんと話す機会の方が圧倒的に多かったです。
成長して社会人としてのスタートは大阪からでした。大阪の商店街はおばちゃんでごった返しています。品物を売るおばちゃんも、それを買うおばちゃんも、大きな声を響かせていました。私にはそう感じました。
大阪で客は、物を買う時に値札以下で買おうとします。売り値が幾らであれば仕入れ値が幾らか考えて、「これ欲しいけど、ちょっとまけてくれへんかな」と交渉します。
大幅な値引きが期待できなくても、少しでも安くしてくれるとか、値段は変わらなくても何かおまけを追加してくれるとか、お得感を感じられれば満足するのです。東京では値切ると恥ずかしさを感じるのに、大きな差です。
相手の顔色を見ながら値引き交渉しますから、大阪のおばちゃんは人間観察力があると思います。海千山千のしたたかなおばちゃんが結構居ます。東京に住む中高年の女性で、大阪のおばちゃんみたいな人が居ない訳ではないですが、やはり割合は少ないと思います。
困ったときに味方になってくれるおばちゃんが居たら心強いです。何気ない一言で心が楽になることもあります。まあ、困ったときは大阪のおばちゃんに限らず、人生経験豊富な人生の先輩で親身になってくれる人なら、相談してみる事です。
自分一人で、困った困ったと頭を抱えている時は、思考が狭まって良いアイデアが浮かばない事が多いです。信頼できる人に相談すると、その人が一人なら自分も入れて頭が二つ、二人に相談すると頭が三つになりますから、良いアイデアが出てき易くなります。
3.川柳からイメージした絵を描いてみた
いつもならここで、漫画家の瀬川 環さんが描いてくれた絵を紹介させて頂くのですが、瀬川さんの絵は一ヶ月に一枚のペースで描いて頂いていて、そろそろ紹介させて頂ける絵が少なくなってきました。
そこで、私の描いた下手な絵も載せる事にしました。絵を見て「ほんとうに下手だな」と感じた方は遠慮なく笑って下さい。
「おばちゃん」と言うより、「お婆ちゃん」みたいになってしまいました。まあ、最近は70代や80代の女性でも元気な方が多いですから、「おばちゃん」でいいでしょう。「お婆ちゃん」って言ったら叱られます。