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2020年4月のエッセイ 「イタリアで迷子」 連載24
All roads lead to Rome (すべての道はローマに通ず)
20代、地理的センスには絶対の自信があった。
結婚前、東京で大学生だったつれあいと東京の街を遊んでいても、方向感覚が欠如しているつれあいを、理詰めで目的地まで導くことができた。どっちを向いていても、正しい道を選べた。
残念ながら、この能力はあっさりとなくなった。
イタリアで2回、迷子になった。フィレンチェでは、サバチーニで夕食を一番最後まで食べていた僕たちはホテルまでの帰り道を2人だけで帰ることになった。
ホテルまではさほど遠くない。ただ遠くないけど迷う時は、迷う。
ホテル近くまできたが、最後にわからなくなった。なにしろ街並みは似てるし、
今日着いたばかりなのだ。ただ、このときは数分余計に歩いただけで事が済んだ。
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本当にピンチだったのはローマだ。
ローマではローマ三越からホテルまで、やっぱり2人だけで戻ることに。
距離はそれなりにあり、まずいことにタカをくくっていてホテル周辺の外観を全く覚えていなかった。そして途中から???になりパニックになった。
テルミニ駅の近くなんだけどな。。。どうしたか?
1つだけわかっていたことは、自分を信じてはいけない、ということ。
それが分かってたから、ひたすらお店で地図を見せて、つたない英語で聞きまくった。こんなときは自分が何人でも関係ない。ジモティに実直にきくのがいい。
幸いなことにイタリア人は親切だ。4回くらい訊いた末になんとかたどり着いた。
ポケトークも持っていたけど、わざわざイタリア語で翻訳してリズムが悪くなるより単語の羅列でもナマの声で話したほうがいい。やれやれ。老いとはこういうことなのね。
そうそう、ポケトークだけど、
正直、必要なかったかな。本当に必要だったのはWIFI。ポケトーク自体は優秀。
いろんな言葉を翻訳するだけで楽しい。
でもイタリアは観光立国で、基本親切な人ばかり。
単語をつなげた英語でも十分。
ワインリストプリーズ、チェックプリーズ、プリーズコールタクシー?
フエァイズトイレット?このくらいでOK
![](https://assets.st-note.com/img/1656509422386-1GTmcr3rEa.png)
でも酔っぱらった時にこの機械は威力を発揮する。
聞いたことのない言語に訳して遊ぶと、酔いも手伝って無性に楽しい。
この機械はサイコーだ。
と、言い聞かせている。もう一度言う。この機械はサイコーだ。
たぶんね。
2022年6月現在 当時を振り返って
すでに特別編のイタリア旅行記の中でも触れているけど、悲しいかな方向感覚はどこかに置いてきてしまったらしい。特に外国では理詰めの地理感覚では通じないことが多い。でもよく帰ってこれたな、それが感心。人間いざとなれば思わぬ力を発揮できる。イタリア人にも平気で話しかけられるし、五感をフルに活用できる。
ポケトークね。。。
いざという時に使えなかった。イタリアの山道の途中でどうしても必要だったがグローバル通信は通じなかった。やれやれ。でもたまに今でも家でWIFI環境なら翻訳機としては優秀だし、酔った時のいいおもちゃだ。
ではそろそろ、チャオチャオ!