臨採日記【極熱の薬草】

葉月の二十五日、
机をきそひて仕るところ、
右の隣は酔ひの残り香あり
左の隣は汗臭く
正面より韮がごときにほひして
なほ後ろは沓ぬぎて足の臭いありけり。

翁も匂い無きとは言わざるも
あまりにあまりなるべし。

はいぱーせんしてぃぶやら
自閉すぺくとらむやら
障りなるあれこれの診断などを
すり抜けてまいりしかど
そこそこに鼻の効くに
目まひなど催す。

まして、
かれこれ臭いをなして
諸生の前にたつなるは
なかなか恥づべきことと存ずるなり。

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