アンラーニングのススメ
はじめに
この記事は 10X 創業6周年アドベントカレンダー の16日目の記事になります。 昨日は品質管理部のブロッコリーさんが、入社1ヶ月目でやったこと 〜ソフトウェアテストプロセスに基づいたテストケース作成を行ってみた〜 という記事を公開しています。
この記事では今年1月に10XにEngineering Managerとして入社した私が業務を進めていく中でアンラーニングの重要性について感じたこと、気をつけたことなどをお伝えします。
自己紹介のPodcastやブログ、過去の登壇資料を載せておきますので、気になる方は御覧ください。
アンラーニングとは
なぜアンラーニングが必要なのか?
新しい環境に挑戦するにあたり、過去の成功体験や経験則が必ずしも通用しないという事を認識することは、非常に重要な一歩です。
環境が変わることで直感や経験則が通用しない部分が増え、それまでの立場や過去の実績により溜まっていた信頼貯金もなくなることになります。
自分の認識は様々な観点が抜けている可能性が高く、それをいかに補完してもらえるか、教えてもらえるかといったことが重要となります。
自分自身の例でいくと前職が8年以上在籍していたこと、VPoEを努めていたことなどもあり、ある種環境に対して過剰適応と言ってもいい状態でもあったのではないかと思っています。
その中で久しぶりの環境変化であることもあり、同じスタンス・マインドのままではうまくいかない可能性が高いと思っており、アンラーニングをすることで自分の中に新たなメンタルモデルを構築し直す必要性があるだろうと考えました。
何をアンラーンし、何を活かすべきなのか?
とはいえどこまでアンラーニングをすればいいのでしょうか?
それまで経験したこと、獲得したスキルは無意味なものではなく上手に資産として活かすべきものです。
気をつけるべき点としては、過去の成功体験を単純に正解として取り扱ってしまうことです。前提や環境が異なるため正解である確率はどうしても低くなりますし、対象に対する解像度が低いままでは説得力も当然低くなります。
一方で過去の経験を要素分解し、前提条件や成功・失敗要因を理解しておく事は非常に意味のあることです。
その上で、新しい環境においても同様に要素分解し経験と照らし合わせて仮説を構築していくことでより良い結果に繋げていくことができるはずです。
アンラーニングの際に気をつけるべきこと
決断や行動も大事なのですが、先にインプットを重視するべきでしょう。
インプットを行った上で、自分の知識や経験を元に様々な仮説をたてるわけですが、このとき自分の知識や経験が十分に抽象化されているか、汎用化されているかを要素分解をしつつ丁寧にチェックを繰り返すことが重要です。
インプットの際にはドキュメントを探し読み込むことも行いますが、より重要なのは様々な立場の人と対話を行い課題感や思っていることを聞き出すことです。
意見を言うときは一般論や経験則であることを伝え、現状の課題にフィットしない、観点が欠けている可能性があることを自認していると伝えることで自分にはない視点や知識を補完してもらえる可能性が高くなります。
また、情報収集を先に行いドメイン知識やカルチャーを理解し考え方の元となるメンタルモデルを自分の中に徐々に構築していくことで余計なハレーションを避けられる可能性が高まります。
もう一点、インプットは重要なステップなのですが期待値を先に確認して調整しておくことをお勧めします。
求められる成果と期間を先に確認し、そのための準備期間としてどのぐらいかけられるのか、かけたいと思っているのかといったことをすり合わせておくことで計画を立てることができるようになります。
実際に自分がやったこととしては、数十名と1on1を行ったり、上長とオンボーディングについて何度も話し合い期待値をすり合わせるといったことを行いました。
このプロセスを通じて認識のすり合わせを進める事ができ、最初の頃はピントの外れた行動もいくつか合ったと思いますが今ではある程度自信をもってコトを進める事ができるようになってきました。
まとめ
結論を急がないこと、直感や経験をそのまま当てはめるのではなく改めて経験と環境の両方を要素分解し、対話を通じて共通認識を作っていくことが大事。
新たな環境での成功を築くためには、自分の経験と新しい環境の両方を理解し、それらをバランス良く活用することが重要です。
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