秘境駅・小幌駅(室蘭本線)の冬
観光系デジタルマーケターの小坂です。
好きなものは数字で考えること、苦手なことは「イケてる」で物事を決めることです。
さて、そんな私は鉄ちゃん(乗り鉄&時刻表鉄)なわけですが、北海道に来て4年、まだ行っていないところがいくつかあります。
その中の一つが日本一の秘境駅と言われる室蘭本線の小幌駅。
小幌駅の場所
小幌駅は北海道豊浦町にあります。14振興局でいえば「胆振総合振興局」に属します。
豊浦町は地図では上記の緑色の場所です。「道央」と呼ばれる地域ですが、気象地域では「道南」、「太平洋側西部」となることもあります。
小幌駅は豊浦町西部にあり、室蘭本線と函館本線の分岐駅である長万部駅からは二駅(約15分)の場所にあります。
地図で行くと、札幌からまっすぐ行けば近そうですが、小樽・倶知安経由だと長万部まで4時間近くかかるのに対して、東回り(千歳線・室蘭本線)経由で東室蘭までは約1.5時間でそこから普通列車で約1時間10分です。
小幌駅への行き方
今回、私は下記のような経路で行きました。
行き:札幌駅を12:09に発つ特急北斗で東室蘭に13:38着
そこで13:56発の長万部行き普通列車に乗り換え、15:10小幌駅着
帰り:小幌駅を15:45に発つ東室蘭行き普通列車で16:51東室蘭駅着
そこで17:17発の特急北斗で18:47に札幌着予定で帰りました。
なお特急北斗で洞爺や伊達紋別で乗り換えも可能ですが、その場合も乗る普通列車は同じで、帰りも洞爺や伊達紋別で特急北斗乗り換える場合も同じです。
普通列車の本数が少ない地域でありますし、小幌駅通過の普通列車もあります。
そのため、東室蘭→長万部での小幌駅に到着・発車する列車は1日に4本、長万部→東室蘭での小幌駅に到着・発車する列車は1日に2本です。
今回私が乗車した小幌駅15:45発の列車はなんとその日の東室蘭方面始発になるのです。
小幌駅の時刻表
小幌駅 長万部方面のりば
上記の写真の通り、1日に4本あります。朝8時台にから今回私が降車した列車までは7時間近く空きます。その次は約2時間30分後であり、その後も同様で最終となります。この間特急列車や貨物列車は多く通過し、最終以降に長万部に向かう普通列車も通過します。
小幌駅 東室蘭方面のりば
上記の写真の通り、1日に2本あります。
なんと始発が私が乗車した15時台の列車。
朝6時ごろと7時台におそらく普通列車通過します。その列車は西隣の静狩駅を5時53分、6時47分に発車していますが、小幌駅には停車しません。
4時間後の19時台の2本目がその日の最終。
小幌駅訪問計画の注意点
この通り、列車本数が少なく間隔が空きます。
その中で滞在時間を唯一2時間以内にできるのが、今回私が使ったコースです。
東室蘭発で東隣礼文駅から来て15時10分に下車、長万部発で西隣静狩駅から来て15時45分に乗車です。
なお近くに岩屋観音や海辺もあるので、夏であれば散歩するのもありかもしれませんが、冬は全く駅から出ることができません。
国道が近くを通っているようですが、山を越える必要がありますので、冬は無理です。小川もありますが、そこたどっても大変です。
北が山、東西はトンネル(つまり山)、南は海という秘境です。
小幌駅の冬景色
ここからは写真で冬の小幌駅を紹介します。
小幌駅の大きさ
上は長万部方面、下は東室蘭方面のトンネルです。この二つのトンネルの間に小幌駅はあります。
この間はたったの80mしかありません。
その中の東室蘭側にホームが2つあります。
小幌駅の構内
写真で長万部方面ホームから東室蘭方面ホームへの導線を紹介します。
列車を降り長万部側を見ると除雪された通路がありました。
まっすぐ行くと右に踏み切り、左前に建物が見えます。さらに左奥にも建物が見えたので行ってみます。
左奥に行くとバイオトイレがあります。
戻り踏切に行きます。通過する列車がある場合は2分ぐらい前からアナウンスが流れ、しばらくすると列車が来るアナウンスが再度流れ踏切音と共に踏切が下がり、しばらくすると列車が通過します。
トンネルに挟まれているため、まったく来る列車が見えません。
アナウンスが流れたらホームで線路から離れるようにしましょう。風圧もすごいです。
踏切を私には少し時間がかかります。真ん中に除雪されていないエリアがありますが、ここは以前は線路があった場所で、今は使われていません。つまりピークは3路線あった可能性があり、東室蘭側には現在ある2つのトンネルの穴の間にトンネルがふさがれた形跡があります。
反対側か見た長万部方面側のホーム。一両しか止まれません。
踏切渡ったところから見た東室蘭方面のホーム。
踏切渡ったところから入口までは一両分歩きます。
列車が通過するときは左側に寄っていた方がいいです。
私がいる15:10~15:45の間は15:19頃に貨物列車、15時35分頃に特急が東室蘭方面へ、その後長万部方面への特急も通過していきました。
東室蘭方面へ行く特急、ホームの前を抜けるとあっという間にトンネルに消えていきます。
東室蘭方面ホームから、反対側長万部に向かう特急を取った動画です。狭さがわかりますね。
小幌駅の利用者数
東室蘭から長万部行きの列車に乗った時、乗客は約25名でした。1両編成なので、やや空けながら全員座れる感じです。
高校生、地元の方、観光客がそれぞれ1/3ずつという印象でした。この区間は伊達紋別や洞爺には特急が停車しますのですが、東室蘭~伊達紋別などの利用者もいるようです。
途中、伊達紋別や長和、洞爺、礼文などで少しずつ降りる人がいて、礼文を出て小幌に向かう際に乗っていたのは6名。
もしかして全員降りるのかなと思いましたが、冬だからでしょうか、そのまま通り抜けしたい方が多かったんでしょうか降りたのは私一人。
小幌駅から東室蘭に戻る際、乗客は20人弱いました。みんな写真撮っていました。この時は観光客ぽい雰囲気の方ばかりでしたが、東室蘭で特急を待つ人は少なく、改札に向かうか苫小牧行きに乗り換えるような人が多かったので、観光客と言っても遠方ではないのかもしれません。
そういえば札幌から来て東室蘭で降りたときも、そこから長万部行きの列車を待つ人は少なかったです
また鉄道好きであれば、東室蘭~室蘭の間の乗車を考える人も多いのかも。私も乗る前に室蘭往復考えましたが午前中予定があり断念していました。
小幌駅の地域振興利用について(小坂案)
職業柄考えてしまいますが、下記4つはどうでしょうか?
SNSを活用した目的別情報発信
・グリーンシーズンのおすすめ地域周遊2時間コースの案内をウェブサイトやSNSで行う。夏は数十人が1日に利用するというデータもあるようなのでそれを増やす施策です。
豊浦町役場の方いかがでしょうか?
バス+鉄道のツアー
・長万部駅から行きはバス(もしくはタクシー)+徒歩で行くルートを紹介、そこから秘境駅に向かうコースの紹介。場合によってはツアーにしてもいいかと思います。グリーンシーズンでもそこまで混まない期間に行う。長万部に新幹線が来た際に、札幌からも新函館北斗からも長万部は30分ぐらいで結ばれると思いますので、胆振地域の振興もかねて行う。
胆振総合振興局の方いかがでしょうか?
タクシー会社の売りにしてもいいかも。
クラウドファンディングの返礼品を増やす
・既にクラウドファンディングで駅の維持費用を集めているようですが、それを増やすために、季節ごとの小幌駅の絵葉書もしくは動画を返礼品として募集を募る。
トレイルの整備(歩く観光との連動)
・トレイルの整備 長万部から小幌は約17km、洞爺から小幌は約24kmだそうです。遠ければ、隣の静狩から豊浦駅まででもいいかも。
静狩は長万部から朝早く来る列車もありますし、豊浦は東室蘭に向かう列車がもう少し多くなります。豊浦駅の近くには温泉もあるようですし。
かかった費用
札幌から東室蘭まで特急自由席、乗車券は札幌~小幌で片道は5,900円。往復で11,800円になります。
スキー1回分(リフト・レンタル・移動費)、プロ野球観戦3試合分ぐらいでしょうかね。
いかがでしょうか?
グリーンシーズンは人気の秘境駅・小幌駅ですが、冬は冬で「閉ざされた駅」を楽しむこともできますよ。
鉄道と観光を考える
先日は北大大学院の事業の一環で中頓別に2泊3日で行き、天北銭跡地を利用した地域振興で、スノーシューイングを体験しました。
趣味は旅行、仕事はデジタルマーケティング、NPOで歩く観光、学習興味は地域資源を活用したデスティネーションマネージメント。
この辺を連携した仕事もありますが、増やしていきたいと思っています。