【食べ物の話】洋食屋のドリア
先日ファミレスで久しぶりにドリアを食べた。
一緒に行った友人と「ファミレスぽい料理とは何か」という話になり、改めてメニューを見ていたらドリアが目に入った。
自分の中で特別な洋食といえばドリアだろうな、と思う。
小学生の頃、実家の近所にあった洋食屋で初めてドリアを食べた。
そこは夫婦で営んでいる小さな洋食屋で、シェフの旦那さんは物静かな方、フロアの奥さんはにこやかで人当たりのいい方だった。
実家の母親は色んな料理を作ってくれて、もちろん洋食もあったけれど、やはりお店で食べる洋食は全然別物だった。
そこのドリアはオレンジ色のライス(ケチャップライス?)にイカなどのシーフードが入っていて、その上にホワイトソースとたっぷりのチーズがかかっていた。
オーブンから出してすぐにサーブされる皿は熱々で、スプーンですくう一口目ももちろん火傷するくらい熱々だった。
もともと猫舌なのですぐ口の中を火傷するのだけど、ここのドリアを食べる時も例に漏れずいつも火傷していた。
熱いまま食べると火傷することがわかっていても、待ちきれずに口に運んでしまう。
そんな魅力がその店のドリアにはあった。
そのお店にはもう行っていないけれど、メニュー表を見るたびに思い出す、そんな味。