私のVERTICAL KILOMETERトレーニング(2018年)
2018年はスカイランニングにおけるVERTICAL KILOMETER種目を中心に取り組んできました。そのために自分なりに考え試してきたトレーニングメニューを紹介します。来シーズンに向けた自分への覚え書でもあります。
ちなみにSKY RUNNING(スカイランニング)とは「山岳や超高層ビルを空に向かって駆け登るスポーツ」のことで、VERTICAL KILOMETER(バーティカルキロメーター、以降VK)は「1000mの獲得標高差があり、傾斜がある様々な路面にまたがる、コース距離が5km未満のレース」です。種目の詳しい定義は国際団体であるISF( https://www.skyrunning.com/rules/ )または日本語ならJSA( http://skyrunning.jp/skyrunning/ )のサイトにあります。
日本では「スカイランナージャパンシリーズ」( http://skyrunning.jp/2018/01/22/2018-skyrunner-japan-series/ )というシリーズ戦があり、VKは2018年に5戦が全国で開催されました。私自身は趣味レベルとはいえ、モチベーション高くかつ楽しく取り組むためこのシリーズ戦で上位を狙うべくトレーニングしてきました。出勤前や休日の多くの時間をトレーニングに費やしています(VKにかける想いをここで綴ると言葉が尽きないのでまた別の機会に記事にします)。
最終的にはシリーズ戦のポイントを取得し(各大会で上位20位以内に入るとポイントがもらえる)、ポイントの合計で争われる総合ランキングで25位という結果でした。初挑戦としては悪くない結果だったと思います。
前置きが長くなりました。この結果を出すためにやってきたトレーニングを紹介します。
2018年のトレーニング内容
レースのない時期における1週間のメニューがこちら
月:休足
火:天白山階段 8本 [+80m × 8]
水:太郎山 2本 [+500m x 2]
木:休足
金:天白山階段 8本 [+80m × 8]
土:太郎山 2本 [+500m x 2]
日:ハイキング(2時間以上の山歩き)
それぞれ詳しく説明します。
天白山階段
標高差+80m、500段近くの階段を3〜4分ほどで一気に登り、4〜5分かけてゆっくり下ります。階段を使ったインターバルトレーニングです。
(この記事の見出し画像が天白山の階段です)
全部で8本やりますが1本ごとに内容は変えていきます。
・1本目はウォーミングアップ。一段ずつ歩いて登る。
・2本目は全力で歩く(一段飛ばし)
・3本目は全力で走る(最初と最後の100段は一段飛ばし)
・4〜7本目は2と3を2回繰り返す
・8本目はクールダウン。登りの感覚を確かめながら一段ずつしっかり歩いて登る。
このトレーニングで脚力と心肺が鍛えられます。特に急勾配での早歩き(スピードハイク)はかなり楽にできるようになると思います。
注意点として、脚への負荷が大きいので下りはゆっくり歩く必要があります。自分は何度か下りの途中で大腿四頭筋の肉離れを起こしました。また逆に言うと、下りが走れるぐらいだと脚と心臓への負荷のかけ方が足りないかもしれません。
太郎山
標高差+500m、水平2kmの山道を30分前後で登り、比較的抑えて20分で下るを2回繰り返します。
1本目はアップを兼ねて比較的ゆっくりと。2本目は全力で登ります。調子が悪い時でも1本目は32分、2本目は28分ぐらいになります。
脚と心肺への負荷を一定に保つので登り版ペース走の要素はありますが、実践形式のタイムトライアルでもあります。
前日の階段で身につけた脚の運び・フォームなどを確認し、どうすればタイムが縮まるかひたすら考えながら登ります。このためコースは変えません。同じコースに何度も挑戦してタイムを縮めていきます。階段練習もそうですが同じコースを飽きずに何度も登ることが上達のために必要だと考えています。
ハイキングと休足
ハイキングは積極的休養、休足は消極的休養です。垂直方向に対して負荷の高いトレーニングをしているので、ある程度休養は必要です。
山好きであればハイキングは精神的な休養にもなります。山で癒されてきてください。人によってはLSDやジョグでも良いと思います。
休足もジョグで良いかもしれません。自分は垂直方向への耐性がそれほどでもないし、ランニングが好きでもなかったので休足をしていました。
その他のメニュー
レースが近づくと練習量を落とすテーパリングをします。普段の練習の代わりに陸上トラックへ行き、400mのインターバル走や5,000mのタイムトライアルをしていました。はっきり効果は分かりませんでしたが、脚を休めて怪我をせず、一方で心肺を鍛えることはできたように思います。
また、山に対するモチベーションを高めるために山登りを控えることもありました。これは怪我を防ぐためでもあります。
まとめ
マラソンの練習で例えると
・階段はインターバル走
・太郎山はペース走 or タイムトライアル
・ハイキングはLSD or ジョグ
と考えれば、方向が垂直か水平かの違いはありますが、よく行われている内容と同じです。
VK種目の確立されたトレーニング方法というのは、調べてもなかなか出てきません。ですが、マラソンのように多くの知見がある他のスポーツと共通する点も多いはずです。そう考えて日々メニューを作っています。
こうやって色々考える楽しみがVK種目にはあります。これからも試行錯誤を続けて折をみて記事にしていきます。