山を走りに行く前に・2 水分補給について
必要な水分量と持てる量を考える
暑い日が続きますね、山に走りに行くなら当然水分を持っていく必要があります。でも一体どれくらい持った方がいいんでしょう?
以下の計算式は登山の場合なので、あくまでも山を歩く場合ですが、
(体重+荷物の重さ(kg)) × 行動時間(h) × 5 = 登山中必要な水分量(ml)
※鹿屋体育大学の山本 正嘉 教授による
というのが参考になるかもしれません。しかしトレランは登山よりも運動強度が高いことが考えられ、ランニングの場合30分に200ml程度の水分補給ができることが推奨されています。
水って重いんですよね…1リットル=1 kgですから。
トレランザックって小さいし、他の荷物もあるので普通に持つとなると多くても2リットルには収めたいところです。
なので途中で補給することを考えるなど、事前の計画が重要になります。補給できる場所が事前にわかるのであれば、1リットル持って行って途中で補給をする、というやり方も可能です。
個人的には真夏にゆっくり走って20 km行く場合2リットルは必要で、途中で補給できる場合は最低1リットルは持ちます。真夏は持っている水が自然と温くなってしまうこともあり、補給できる場合は冷たい水を補給するようにします。
水だけ飲んでいたら危険
運動部やランニング経験者は知っているかとは思いますが、運動時に水だけ飲んでいたら体内の塩分・ミネラルが薄くなりすぎて、低ナトリウム血症や電解質不足での足攣りが起こります。
水分は水だけではなくスポーツドリンク、塩熱タブレットを摂取するなどして塩分やミネラルも補う必要があります。
行動中に汗で失われる塩分やミネラル分を減らすために、暑い日にいきなり夏山に入って走るようなことはせず、あらかじめ安全な場所で夏に運動して暑熱順化を済ませておくことも重要です。
水分の飲み方
ヒトが一度に吸収できる水分の量は200 mlともいわれており、からからにのどが渇いたからといって一気に1リットルも飲んだところで、吸収されずに排出されます。
つまり、水は行動中にちびちび飲むのがポイントです。
しかしだからと言って、走るのをやめてザックを下ろして水筒を取り出して、みたいなことを走行中何度もするのは面倒ですよね。
なので多くのトレイルランナーは、胸ポケットにウォーターフラスクを入れていたり、ハイドレーションという水分が入った袋をザックに入れて、伸びるチューブを胸元につけておきいつでも行動しながらちびちび飲めるようにしています。
また、前日夜からちびちび水分を摂り続ける「ウォーターローディング」をいうのも、真夏の暑い季節にお勧めです。筋肉には水分を貯めることができます。
熱中症に注意して楽しもう
と、色々と真夏の水分補給対応策を書きましたが、その日の体の調子もあるので準備をしていても熱中症になってしまうことはあり得ます。
一番大事なのは、決して無理をしないことです。
少しでも気持ちが悪い・調子が悪い、視界がおかしいとなったら、その時点で離脱・下山するのが賢明です。山の中で急に倒れると、滑落やけが、遭難の危険性があります。
鍛えているからと言って、山では過信は禁物です。
特に夏の初めは体がまだ暑さに慣れていないことが多く、暑熱順化ができていないと、普段走って鍛えている人でも熱中症になりやすいので注意です。
ゆるトレランでもきついトレーニングでも、自分の体と常に相談しながら、気持ちよく山を走れるといいですね。
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