【社会考】「金持ち世帯」の子どもの成績は高く、「貧乏世帯」の子どもの成績は低いのか?➀.
0.「今日の記事のポイント」
☆「金持ち世帯の子どもの成績は高いのか?と、家庭の社会経済的背景(SES)と学力の関係を見るよ」
☆「子どもたちの世帯所得を4つに分類しているよと、所得上位ほど子どもの成績は高いけど所得下位でも一定数は高いよ」
☆「親の最終学歴が高いと子どもの成績も高いよと、家庭に蔵書が多いほど子どもの成績は高いよ」
☆「世帯所得が低くとも挽回できるよと、死亡率も学歴格差があるよ」
☆「コロちゃんちは経済的不利を克服できていたのか?」
1.「金持ち世帯の子どもの成績は高いのか?」
昨日のブログ記事では、「スポーツ庁」の「体力・運動能力調査」を調べてみました。
その中では「少年コロちゃんと、現在の10歳児の身長・体重の比較」や、「現在の体力・運動能力」を見てみたのですが、これを見ただけでは面白くないですよね。
それで、話を「所得の格差と健康格差」に進めたのですが、「金持ち世帯が健康で貧乏世帯が不健康」の一言だけでは、何となく物足りませんね。
コロちゃんの関心は、やはりその事実の「社会的側面」や、事実が引き起こす「社会的事象」にあるのですよ。
昨日は、字数が6000字を超えていましたので、そこで一旦締めましたが今日は昨日の「金持ち世帯は健康で貧乏世帯が不健康」の続きを書いてみますね。
今日は「金持ち世帯の子どもの成績は高く、貧乏世帯の子どもの成績は低いのか?」を見てみましょう。
このテーマも、長くなりますので➀➁で分けて書くことにしますね。
2.「家庭の社会経済的背景(SES)と学力の関係を見るよ」
昨日の記事の「あなたは運動をしていますか?」を書く過程で、コロちゃんは「金持ち世帯は健康で貧乏世帯が不健康」のファクトをネットで調べていました。
その中で「金持ち世帯の子どもの成績は高く、貧乏世帯の子どもの成績は低い」を調べた、興味深い「調査報告」を見つけましたので、ぜひご紹介したいと思いますね。
その調査は「平成29年度:学力調査を活用した専門的な課題分析に関する調査研究」で、題名が「保護者に対する調査の結果と学力等との関係の専門的な分析に関する調査研究」となっています。
名前が長すぎて、とても1度読んだだけでは内容がわかりませんね。ようするに「金持ち家庭と貧乏家庭の子どもの成績の比較」ですよ。
この調査を行なったのは「お茶の水女子大学」で、「文部科学省」の委託により「お茶の水女子大学(代表:浜野隆教授)」が分析したとなっていました。
この「調査」は「所得上位世帯~所得下位世帯」の経済状況と、その「子ども(小6・中3)の成績」を調べているのです。
「親の所得が高い」と、「子どもの成績も高い」ことが予想されますが、その現状と最後には「経済面等で困難を抱えながらもそれを克服している家庭の特徴」も調べていますから興味が湧きますよ。
3.「子どもたちの世帯所得を4つに分類しているよ」
まずは「親の所得の区分け」です。コロちゃんは単に「金持ちと貧乏」に分けてしまいますが、専門的には「社会経済的背景(SES)」と言うようです。下に書き出しますね。
◎「生徒の家庭の社会経済的背景(SES)のグループ別記述統計(中3)」(1000円以下省略)
➀「Lowest :354万円」(下流)
➁「Lower middle:532万円」(中の上)
③「Upper middle:682万円」(中の下)
④「Highest :939万円」(上流)
⑤「全国平均:631万円」
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/07/10/1406896_1.pdf
(出典:文部科学省:保護者に対する調査の結果と学力等との関係の専門的な分析に関する調査研究より:10月16日利用)
上記の横文字の分類は、書くのが大変なのでコロちゃんが勝手に「下流・中の上・中の下・上流」と書き換えました。
さあ、次にはいよいよ「子どもたちの成績」と、上記の「世帯所得」との関係を見てみましょう。
4.「所得上位ほど子どもの成績は高いけど、所得下位でも一定数は高いよ」
この「調査対象」の子どもは、「小6と中3」の2学年です。ここでは「中3」のみを取り上げますね。
更に「調査対象学科」は、「国語AとB、数学AとBの4教科」です。ここでは「国語A」と「数学A」のみを取り上げます。
➀「子どもの成績は世帯所得と比例しているよ」
下記の表をご覧ください。内容は下に書き出します。
「文部科学省 家庭の社会経済的背景と子どもの学力(中3)」より
上記の表は、今回の「調査研究」が発表している「家庭の社会経済的背景と子どもの学力(中3)」です。
「国語A」と「数学A」のみを書き出しますね。
◎「世帯所得と子どもの成績」(小数点以下切り捨て)
➀「下流 :国語A(70):数学A(52)」
➁「中の下:国語A(75):数学A(61)」
③「中の上:国語A(78):数学A(67)」
④「上流 :国語A(84):数学A(77)」
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/07/10/1406896_1.pdf
(出典:文部科学省:保護者に対する調査の結果と学力等との関係の専門的な分析に関する調査研究より:10月16日利用)
うーむ、上記を見ると見事に「世帯所得」と「子どもの成績」がシンクロしていますね。「上流」が一番高く、「下流」が一番低いですよ。
( ̄へ ̄|||) ウーム
なんか予想通りで面白くないですね。コロちゃんは自身が「低所得層」との意識がありますから、なんか不愉快。
( ゚д゚)、ケッ
➁「貧しい家庭でも成績が良い子どもは一定数はいるよ」
上記では「学力のばらつき」も調べています。上記表の「変動係数」です。以下に書き出しますね。
◎「世帯所得と変動係数」
➀「下流 :国語A(0.28):数学A(0.45)」
➁「中の下:国語A(0.23):数学A(0.37)」
③「中の上:国語A(0.21):数学A(0.31)」
④「上流 :国語A(0.16):数学A(1.24)」
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/07/10/1406896_1.pdf
(出典:文部科学省:保護者に対する調査の結果と学力等との関係の専門的な分析に関する調査研究より:10月16日利用)
上記の「変動係数※」は、「①下流」が一番高くなっています。
(※データ同士のばらつきを相対的に評価するための値)
「下流世帯」において、この「変動係数が高い(学力のばらつきが多い)」と言うことは、低い「世帯所得」の子どもたちに一定数の「成績が高い子ども」がいることを示しているというのですよ。
へー、コロちゃんは知らなかったなー。こんな調査方法があるんだ?
この「調査報告書」の「成果と概要」では、以下のように記載していますよ。
「概ね世帯収入が高いほど子供の学力が高い傾向が見られる。ただその関係は必ずしも収入が多ければ多いほど子供の学力が高くなるという直線的な関係ではない」
「Lowest SESにおいて学力のばらつきが大きいということは,低いSESという『環境』に学力が決定されるのではなく,不利な環境を克服し,高い学力を達成している児童生徒も一定数存在することを示唆している」
うんうん、コロちゃんは「貧乏な家庭」から「頭の良い子どもがのし上がるようなお話し」は大好きですよ。
(*ᵕᴗᵕ)⁾⁾ゥンゥン
何ともこの点は「夢のある調査結果」でしたね。だって「所得格差」がそのまま「成績格差」になるんじゃ、救われないと言うか夢がないでしょ。
そうですよね。「不利な環境を克服し高い学力を達成している」なんて、小説のテーマで昔からよく取り上げられていますよ。
コロちゃんは「貧しい家庭の子どもたち」にはみんな頑張ってほしいと思っていますよ。
(コロちゃんは貧しい家庭の出身で低学歴です)
5.「親の最終学歴が高いと子どもの成績も高いよ」
次に「親の最終学歴」と「子どもの成績」の関係を見てみましょう。コロちゃんは、なんかこれは「比例している」ような気がするなー。
上記のデータと同じに、「小6と中3」の内の「中3」のみを取り上げます。
そして「調査対象学科」は「国語AとB、数学AとBの4教科」ですが、ここでは「国語A」と「数学A」のみを取り上げます。
下に書き出しますね。ご覧ください
◎「父親の最終学歴と子どもの成績(中3)」(小数点以下切り捨て)
(国語A) (数学A)
➀「小学校・中学校 :(67):(50)」
➁「高等学校 :(74) :(60)」
③「短大・高専・専門:(77):(65)」
④「大学 :(83):(74)」
⑤「大学院 :(86):(81)」
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/07/10/1406896_1.pdf
(出典:文部科学省:保護者に対する調査の結果と学力等との関係の専門的な分析に関する調査研究より:10月16日利用)
うーむ、上記を見ると「父親の最終学歴」が高いほど、子どもの「学力」も高いですね。完全にシンクロしていますよ。
( ̄へ ̄|||) ウーム
コロちゃんちは例外だったかー。だってコロちゃんは「低学歴」だったですけど、子どもたちは・・・ん?・・さほど高くはなかったような?
(。・_・?)アレ?
いやいや「優秀」でしたよ。
とっても「優秀」で、
とても「優秀」で、
凄く「優秀」でしたと言うことで、お願いいたします。
Σ( ̄Д ̄;)ヤバィ
しかし「親が高学歴だと子どもの成績が高い」という、その理由は何なのでしょうね。
親の「成功体験?」ですか?
うーんみんなが皆成功したわけではないでしょうけど、自分と同じような道を歩いて欲しいと言う「親心」でしょうか?
なお、この「調査研究報告」には「母親の最終学歴と子どもの成績」も記載されていますが、「父親の最終学歴」と全く同じ傾向となっていますね。
「学歴と所得」は平均を取れば必ず「比例」していますから、「最終学歴が高い高所得層の世帯」からは「成績の高い子ども」が育つとなっていますね。
「親子の学歴」は連動していて「格差の連鎖」ですね。
うーん、つまんないなー、学校の成績には「ハングリー精神」は通用しないのかな?
コロちゃんは、ちょっと残念ですよ。
(コロちゃんは貧しい家庭の出身で低学歴です)
6.「家庭に蔵書が多いほど子どもの成績は高いよ」
皆さんの家にはどのくらいの「蔵書」がありますか?
コロちゃんちは、今は100冊ぐらいでしょうか? コロちゃんは10年前に「大腸がん※」が発症した後に、300冊ほど「断捨離」をしてしまいました。
(※大腸がんは5年後に治癒となりました)
今思えば、「蔵書処分」は早まったなー。まさか生き延びるとは思わなかったからなー。
おっと、話しがそれました。ゴーインに戻すと・・・。
まずは「家庭の蔵書数と子どもの成績の関係」ですよ。
(電子書籍は含むが,漫画や雑誌,教科書,参考書,子供向けの本は除く)
上記のデータと同じに、「小6と中3」の内の「中3」のみを取り上げます。
そして「調査対象学科」は「国語AとB、数学AとBの4教科」ですが、ここでは「国語A」と「数学A」のみを取り上げます。
下に書き出しますね。ご覧ください
◎「家庭の蔵書数と子どもの成績(中3)」(小数点以下切り捨て)
(国語A) (数学A)
➀「0~10冊 :(70):(55)」
➁「11~25冊 : (75) :(62)」
③「26~100冊 : (79): (67)」
④「101~200冊:(82):(71)」
⑤「201~500冊:(84):(71)」
⑥「501冊以上 :(85):(75)」
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/07/10/1406896_1.pdf
(出典:文部科学省:保護者に対する調査の結果と学力等との関係の専門的な分析に関する調査研究より:10月16日利用)
おー、蔵書数は、成績と見事にシンクロしていますね。
へー、コロちゃんちは「⑤201~500冊」に入りましたよ。だけど本の種類は、ほとんど安い「文庫本」でしたけどね。
+(*゚O゚ *)+オオー
だけど、そんなに「成績」は上がらなかったような・・・?
( ̄b ̄;)シーーッ!!
これだったら、ブックオフで安い本を500冊以上購入したら「子どもの成績」は上がらないかな? 「塾通い」よりはお安くなりますね。
多分こんなやり方でズルしてもダメだろうなー。
((乂°∀°))ダメダヨー
7.「世帯所得が低くとも挽回できるよ」
これで最後になります。「大都市において経済的不利を克服している家庭の特徴」です。
そうそう、これが知りたかったのですよ。だって「所得を上げる簡単な方法」なんてないんですから、「低所得の家庭の子ども」には成績上昇の術がなければ救われませんよ。
この「調査研究」では「家庭の経済的不利がありながらも高い学力を達成している子供は一定数存在する」としています。
いいね、いいね。
(((σ゚∇゚))σ イイネ! イイネェ!!
そして、それらの子どもの家庭が、どのような特徴を持っているのかを調べているのですよ。
「年収300万円未満世帯」の児童の「学力A層(高い)」では、次のような保護者の行動が多いとしています。
◎「大都市で経済的困難等を克服している家庭の特徴」
➀「毎日子供に朝食を食べさせている」
➁「携帯電話やスマートフォンの使い方についてルールや約束をつくっている」
③「子供に本や新聞を読むようにすすめている」
④「子供と読んだ本の感想を話し合ったりしている」
⑤「子供と何のために勉強するかについて話している」
⑥「美術館や劇場,博物館や科学館,図書館に行く」
⑦「蔵書数,子供向けの本の数とも,多い」
⑧「保護者がテレビやインターネットで政治経済や社会問題に関するニュースを見る」
⑨「新聞の政治経済や社会問題に関する記事を読む(新聞は,電子新聞を含む)」
などなどが記載されていました。どうでしょうか、「世帯所得」が少なくとも上記の内容ならば「まだまだできる」とお思いになるご家庭もあるかと思われますね。
たとえ「世帯所得が少なく」とも、子どもたちの将来にはまだまだ大きな可能性があるとコロちゃんは考えていますよ。
これからの日本では「格差の連鎖」がない社会を目指していただきたいと、コロちゃんは痛切に思っていますよ。
なお、上記の「平成29年度:学力調査を活用した専門的な課題分析に関する調査研究」を読んでみたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。63ページありますよ。
8.「明日に続きますね」
さてここまでで、「お茶の水女子大学(代表:浜野隆教授)」が分析した「保護者に対する調査の結果と学力等との関係の専門的な分析に関する調査研究」のご紹介がやっと終わりました。
あとは、この「調査研究に対するコロちゃんの考え」を書きますが、ここまでで字数が7000字を超えてしまいました。
コロちゃんは、「編集長&株主様」から、以下のような業務命令を受けているのですよ。
うーん、コロちゃんは「編集長&株主様」から、このパソコンも貸与されているし、ブログ作成ソフトの「WordPress」の年間費用1.2万円も出してもらっているからなー。
立場が弱いんだよねー。
(๑′-﹏-๑)シュン
そんな訳で、今日のテーマの『「金持ち世帯」の子どもの成績は高く「貧乏世帯」の子どもの成績は低いのか?➀』は、明日に続きますね。
明日は、コロちゃんの考え方と意見を中心に書きますよ。
コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。
このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)
おしまい。