【社会考】「料理配達人」の5割は週20時間以上働いているよ
0.「今日の記事のポイント」
今日の記事は、下記のような内容になっていますよ。どうぞ最後まで楽しみながらお読みください。
☆「料理配達人は今では日常風景だよと、料理配達人は週20時間以上・月5万円以上働く人が結構多いよ」
☆「料理配達人は専業が4人に1人だよと、料理配達人の事故とケガは自分持ちだよ」
☆「フリーランスとフードデリバリー配達員とその専業者を見ると、厚生年金に加入させた方が良いんじゃないの」
☆「ギグワークとその発祥は?と、ギグワークと世界的傾向を見る」
☆「コロちゃんとギグワークと、事故とケガは自己負担はやめさせましょう」
1.「料理配達人は今では日常風景だよ」
朝コロちゃんがいつものように、コーヒーを飲みながら新聞をバサバサ読んでいましたら、「料理配達人の稼働時間:週20時間以上は5割」との見出しが目に入りました。
コロちゃんは、つい先週に「長男一家宅」へ子どもたちとの「留守番」に出かけて行ったのですが、その時の昼食に「ファミリーレストランの出前」を注文して配達してもらいました。
その時の「配達人」の方は、まだ30代ぐらいの男性でしたね。
コロちゃんは、自宅では「配達人」のお世話になったことはありませんでしたけれど、食事メニューの出前はすっかり「日常風景」となっているようですね。
そんなコロちゃんの体験もあり、今朝の新聞記事の「料理配達人の労働環境」にはちょっと興味がありましたね。
2.「料理配達人は週20時間以上・月5万円以上働く人が結構多いよ」
上記の新聞記事のネタ元は、フリーランスの支援団体「プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会」が発表した「料理配達人の働き方の実態調査」です。
コロちゃんは、さっそくこの「実態調査報告書」をポチポチと探し始めました。
(○゚∀゚σ)゚ミツケタ!。
この「調査」は、2024年7月18⽇~2024年8月5⽇にかけて2万6550名の有効回答数とありましたから、かなり大規模な調査ですね。以下で見てみましょう。
➀「週20時間以上は5割だよ」
最初に「1週間の稼働時間」を見てみましょう。下に書き出しますね。
◎「1週間の稼働時間」
➀「5時間未満 :15.0%」
➁「5-10時間未満 :17.6%」
➂「10ー20時間未満:17.9%」
➃「20ー40時間未満:23.4%」
⑤「40ー60時間未満:15.6%」
⑥「60時間以上 :10.5%」
うーむ、新聞記事の見出しとなった「週20時間以上5割」は、上記の「➃20時間~⑥60時間以上(23.4%+15.6%+10.5%=49.5%)」のことですね。
( ̄へ ̄|||) ウーム
確かに「週20時間以上働く(49.5%)」ですから、「新聞記事の見出し」に間違いはないのですが、コロちゃんの感想は「意外と労働時間が長い」というものです。
週20時間以上となると、週に5日働くとすると毎日4時間を働いていることになりますね。この時間では普通の「パート・アルバイト」の労働時間とあまり変わらないのではないでしょうか。
➁「月5万円以上は3割いるよ」
次に「平均報酬」を見てみましょう。下に書き出しますね。
◎「1週間の平均報酬」
➀「1000円未満 :3.9%」
➁「1000ー5000円未満:5.9%」
➂「5000ー1万円未満 :10.9%」
➃「1万円ー3万円未満:30.3%」
⑤「3万円ー5万円未満:18.4%」
⑥「5万円ー10万円未満:22.5%」
⑦「10万円ー15万円未満:4.2%」
⑧「15万円ー20万円未満:0.7%」
⑨「20万円以上 :0.6%」
うーむ、ボリュームゾーンは「➃1万円ー3万円未満:30.3%」ですね。
( ̄へ ̄|||) ウーム
だけどだけどコロちゃんは「5万円以上」に注目をしました。
「⑥5万円ー10万円未満:22.5%」+「⑦10万円ー15万円未満:4.2%」+「⑧15万円ー20万円未満:0.7%」+「⑨20万円以上:0.6%」=28.0%
なんと月5万円以上お稼ぎになる方が、約3割もいらっしゃいます。
この金額では「家計の助け」というよりは、この収入が「生活費の一部」になっている方も多いとコロちゃんは思いましたよ。
3.「料理配達人は専業が4人に1人だよ」
上記で「料理配達人」には、「週20時間以上働く人が5割」いて、更に「月5万円以上稼ぐ人が3割」いることを見てきましたが、コロちゃんは「この方たちには本業があるのかな?」と考えましたね。
そこでこの「実態調査報告書」のあちこちを見て回ると、以下のような結果が記載されていました。
◎「配達以外の収入源:他の収入源はない25.4%」
◎「配達以外の収入源:正社員22.4%」
ふむふむ、この上記の結果は「配達専業が4人に1人の25.4%」で、残りの3人は「副業」として働いていますね。
✧φ(ロ-ロ๑)フムフム…
また「正社員(配達以外の収入源)は5人に1人の22.4%」です。
コロちゃんは、何となく「正社員」の方が隙間時間に「料理配達人」をしているのかと思っていましたが、実際にはそのような「正社員」は5人に1人程度のようですね。
「料理配達人」の方の他の収入源で一番多いのは、「事業所得(フリーランス)29.1%」でした。
しかし、コロちゃんが上記で注目するのは「◎配達以外の収入源:他の収入源はない25.4%」の方たちです。
この「料理配達人」の全国の人数は、正確な調査はないようですが、最大手の「ウーバーイーツ」だけでも10万人を超えていると言われており、実際には20万人以上いるとされています。
そうだとすると、「料理配達人」を専業として働いている人の数は、全国で5万人を下らない数となりますね。
しかし、最近になって急速に拡大している「料理配達人」ですから、諸制度の整備が追い付いていないと思いましたよ。
なお、この「プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会」が発表した「料理配達人の働き方の実態調査」をお読みになって見たい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。
https://blog.freelance-jp.org/wp-content/uploads/2024/08/Food-deliverer-Survey2024.pdf
4.「料理配達人の事故とケガは自分持ちだよ」
普通は働いていて、事故やケガがあった時には「労災保険」の対象となります。それが、この「料理配達人」の場合は対象外なのですよ。
「料理配達人」は、「労働者」ではないとされているのですよ。
最初に働き始める時には、会社と「①雇用契約」か「②業務委託契約」を結ぶことになっています。
①「雇用契約」は、会社の指揮命令下で働く契約です。
➁「業務委託契約」は、会社の指揮命令を受けません。独立した個人事業主として契約します。
この上記の「②業務委託契約」の場合は、「労災保険」の対象となりません。まさに「事故とケガは自分持ち」の社会ですね。
報道によると「ウーバーイーツユニオン」の「事故調査プロジェクト報告書(2020年)」には以下の事故報告が記載されていると報じています。
◎「報告のあった事故31件」
①「衝突事故:25.8%」
➁「転倒事故:22.5%」
➂「追突事故:16.5%」
◎「事故による負傷の内訳」
①「打撲・擦過傷 :45.2%」
➁「頸椎捻挫や人体損傷など:20%」
➂「骨折など :19%」
◎「けがの治療のため仕事を休んだ期間」
①「1~2週間 :42%」
➁「1ヵ月 :19%」
➂「1~3ヶ月未満:7%」
➃「3ヶ月以上 :13%」
うーむ、「衝突事故・負傷・ケガによる休業期間」のどれを見ても「配達人の方」のご苦労が分かりますね。
( ̄へ ̄|||) ウーム
「料理配達人」の方たちは、一般道路を自転車やオートバイで走って配達するのですから「交通事故のリスク」は常にあるでしょう。
それに「料理配達」のビジネスとしては、年間かなりの数の交通事故を抱えることでしょう。
コロちゃんは、この「ウーバーイーツユニオン」の「事故調査プロジェクト報告書(2020年)」を読んでみましたが、上記の「配達中の事故処理」についてのかなり厳しい指摘が記載されていました。
一方の主張のみでは分かりませんから、この場に詳細を引用・記載することは控えますが、「料理配達人」の事故処理負担の重さをうかがわせる内容でしたよ。
コロちゃんは、「料理配達人」の方々に心から「ご苦労様です」と言いたいと思いましたよ。
なおこの「ウーバーイーツユニオン」の「事故調査プロジェクト報告書(2020年)」を読んでみたい方は、下記のリンクのクリックをお願いします。
5.「フリーランスとフードデリバリー配達員とその専業者を見る」
上記で「料理配達人」のあれこれを見てきましたが、ここでその「規模感」を見てみましょう。「フードデリバリー配達人(料理配達人)」は、全国で何人ぐらいいるのでしょうか。
下記の表示をご覧ください。内容は下に書き出します。
「内閣府 フリーランス=ギグワーカー=Urberなのか?」より
上記の表示は、「内閣府のホームぺージ」に発表された「フリーランス=ギグワーカー=Uber」の説明資料です。
分かりやすく下に書き出しますね。
◎「フリーランス=ギグワーカー=Urberの関係性」
①「フリーランス :257万人」
➁「フードデリバリー配達員:20~30万人」
➂「上記➁の専業者:4~6万人」
ざっと、上記のような規模感が、現在の「フリーランス=ギグワーカー=Urber」の人数のようですね。
しかしこの人数は、毎年激増していますから、新しいデータが出るほど大きな数字になると思われますよ。
しかし、「フードデリバリー配達員専業者4~6万人」ですか。調べてみてわかったことなんですけど、この新業種は担当する「政府の省庁」が無いと言うのですよ。
おそらく、最近になって急成長した業種だから、「政府の対応」が出来ていないのだと思われますけど、ここまで身近な産業になっているなら一刻も早く対応して欲しいですね。
6.「厚生年金に加入させた方が良いんじゃないの」
ここまで書いて来て、コロちゃんの頭に浮かんだのは「厚生年金の加入条件」です。
もちろん、現在のところ「出前配達人」の方々は、「個人事業主であり労働者ではない」とされていますから「厚生年金の加入義務」はありません。
しかし、現実に「週20時間以上働く人が5割」もいて、「月5万円以上稼ぐ人が3割」もいらっしゃいます。
さらに「料理配達以外の収入はない」と言う人が「25.4%:5万人規模」もいるのです。
この「料理配達以外の収入はない25.4%:5万人規模」の方々は、この収入だけで生活しているのですから、実質的には「労働者」でしょう。
コロちゃんは、普段から「厚生年金の加入」は、老後の年金受領額の増額に繋がりますから、出来るだけ長く加入した方が良いと考えていました。
今のコロちゃんの「清貧生活」も、「厚生年金加入期間が合計すると40年近くあった」から成り立っているのですからね。
そこで現在の「厚生年金の加入条件」を見てみましょう。現在の「厚生年金の加入条件」は以下のようになっています。
下記のイラストをご覧ください。内容は下に書き出します。
「厚生労働省 社会保険適用拡大ガイドブック」より
上記のイラストは「厚生労働省」が発表している「社会保険(厚生年金)適用ガイドブック」です。
下の方に「新たな加入対象者」として、下記の4つの項目が並んでいます。
◎「新たな加入対象者」
➀「週の所定労働時間が20時間以上」
➁「所定内賃金が月額8.8万円以上」
➂「2ヶ月を超える雇用の見込みがある」
➃「学生ではない」
ざっと見ると「週20時間以上・月8.8万円以上の人」は、厚生年金に加入しなければならないのですが、「対象となる企業規模」に条件があります。下記ですね。
◎「厚生年金対象企業規模と開始年月」
❶「2016年10月~:従業員数500人以上の企業」
❷「2022年10月~:従業員数101人以上の企業」
❸「2024年10月~ :従業員数51人以上の企業」
ちょっと、ややこしいですよね。上記のように、現在は「❷従業員数101人以上の企業」が、厚生年金加入の条件となっています。
しかし、もうすぐ10月には「❸従業員数51人以上の企業」まで対象が拡大されます。
「厚生労働省」は、現在少しづつ「パート・アルバイト」の「厚生年金加入者」を増やしている過程なのです。
その目線の先にあるのは、将来の「高齢者の低年金状態」です。
先月の7月4日に、「厚生労働省」は「5年に1度発表される年金の財政検証」で、初めて「高齢単身男女のモデル年金」を発表しています。
それによると、現在30歳の女性(1994年生まれ)の2059年の年金額は10.7万円で、現在30歳の男性の(1994年生まれ)の年金額は14.7万円と推定されています。
この金額では、「高齢おひとり様」の生活を維持するにはなかなか苦しいのが現実です。特に女性の「将来年金額」が低い(月10.7万円)ですよね。
それで「厚生労働省」は、上記のような「厚生年金加入条件」の緩和を進めているのでしょう。
このように見て行くと、上記の「料理配達人」の皆さんも今後は「厚生年金」に加入できるように「法改正」を進めた方が良いとコロちゃんは考えていますよ。
7.「ギグワークとその発祥は?」
コロちゃんは、「ギグワーク」と聞いて「昔はそんなのなかったなぁ」と思いました。コロちゃんが20代の青年だった1970年代には「日刊アルバイトニュース※」という情報誌がありました。
(※日刊アルバイトニュース:1968年創刊:価格20円:学生援護会)
アルバイトをやりたい「学生」等を対象とした情報誌でしたが、ペラペラの薄い紙面でしたね。この当時は「ギグワーク」と言う言葉自体がまだ使われていませんでしたね。
今コロちゃんがポチポチと調べてみると、「ギグワーク」と言う言葉は、「ギグ(Gig)」と「ワーク(Work)」を組み合わせてできた言葉で、「短時間・単発でできる仕事」と言う意味があるそうです。
そして、その発祥は2019年頃と言いますから、まだ最近ですね。「ギグ(Gig)」とは、アメリカのライブハウスで単発の契約で演奏を行なうミュージシャンに由来することばだそうです。
アメリカでの発祥が2019年ならば、1970年代に青年時時代だったコロちゃんが知らないのも当たり前ですね。
8.「ギグワークと世界的傾向を見る」
今頃コロちゃんがポチポチ調べてみると、アメリカでは、プラットフォームを通じて「ギグワーク」をする人の数が2021年には490万人と越えているとされています。
そして「日本」のギグワークをする人の人数は、上記の「内閣府」の推計では「257万人」とされています。
この「ギグワーク」の人数は、現在アメリカ・日本だけではなく「世界的規模」で増えているようです。
増えれば増えるほど「実質的には労働者」なのに「法的には個人事業主」との矛盾が噴き出てきています。
アメリカでは今年2024年1月に「ライドシェアの運転手などフリーランスの労働者が一定の条件を満たせば、企業の従業員と同様の待遇を受けられるようにする新しい規則」を発表しています。
また「ギグワーク」の「労働者としての社会的保護を受けられるような法改正」も、EUでは進められているようですね。
これらの「ギグワーク」の人数が増えれば増えるほど、「労働者保護規制」が強まる動きが世界的に生まれて来ているとコロちゃんは思いましたよ。
9.「コロちゃんとギグワーク」
上記の青年コロちゃんがアルバイトをしていた1970年代には、社会で働く労働者はほとんどみんなと言ってよいほど「正社員」でした。
そして単発で働くような仕事の多くは「学生アルバイト」が担っていましたね。「主婦のパート」もまだ少なかったように思われます。
当時の青年コロちゃんが、働いたことのある「アルバイト」には「建設現場の片づけ」等がありました。
早朝の5時頃ごろから早起きして「東京の高田馬場駅」に向かいました。駅から歩いて10分ほどの所にあった「公園」に着くと、多くの労働者が集まっていました。
そこで「手配師」に、その日の現場と日給を聞きだして双方が合意すると1日の仕事が決まります。「労働現場」はほとんどが「建築現場」か「道路工事現場」でしたね。
朝から1日働いて、夕方には「日給2500円」を受け取りましたね。それが1970年代前半の頃のコロちゃんの「アルバイト」でした。
このような「アルバイト」は、おそらく当時の「労働者派遣法」では違法だったのではないかと、今のコロちゃんは考えていますよ。
ただそのような「アルバイト」は「日本全体の雇用者数」と比べるとごく一握りだったでしょう。
現在の「日本」の200万人規模の「ギグワーカー」とは、まったく比較にもなりませんね。思えば「古き良き時代」だったと感慨深く思い出しましたよ。
10.「事故とケガは自分持ちはやめさせましょう」
今日は「料理配達人の労働条件」のあれこれを調べてみました。「料理配達人」の方々は、コロちゃんから見ると厳しい労働条件で働いています。
本来は「労働者」ならば、様々な労働規制で守られています。
それが契約上では「個人事業主」とされただけで、多くの「労働規制」をすり抜けて無権利状態になっているのです。
「年金」の扱いも同じことになっています。
「週20時間:月8.8万円以上」ならば「厚生年金」に加入できるはずなのに、「個人事業主の契約」のために、使用者は「厚生年金の企業負担分」を払わずに済んでいるのです。
このような「料理配達人の実情」は、おかしいとコロちゃんは考えます。
「人間を安く使い、事故とケガは自分持ちは止めさせましょう」と声を大にして言いたいですよ。
コロちゃんは、社会・経済・読書が好きなおじいさんです。
このブログはコロちゃんの完全な私見です。内容に間違いがあったらゴメンなさい。コロちゃんは豆腐メンタルですので、読んでお気に障りましたらご容赦お願いします(^_^.)
おしまい。
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