Productivity Weekly (2020-11-25号)
こんにちは。サイボウズ株式会社 生産性向上チームの平木場です。
僕たち生産性向上チームは毎週水曜日にProductivity Weeklyという「1週間の間に発見された開発者の生産性向上に関するネタを共有する会」を社内で開催しています。
本記事はその時のネタをまとめたものです。過去の記事は生産性向上マガジンで読めます。
今回が第三回です。
CircleCIのお話
CircleCI Cloudでセルフホストランナーが使えるようになった
CircleCI Cloud(circleci.com)でセルフホストランナーが利用できるようになりました。無料で利用できるわけではなく、Scaleプランでのみ利用できるようです。
これまでCircleCI Cloudではジョブを実行するためのマシン(ランナー)はCircleCIが用意したクラウド上にあるものだけしか利用できませんでした。
したがって、社内リソースを簡単に利用することができないと言う問題がありました。(社内ネットワークのファイアウォールにその都度穴を開けるなどして回避している事例を聞いたことがあります。)
そういった問題から、今までGitHub Enterprise Server&CircleCI Serverの組み合わせを利用せざるをえない組織もあったのではと考えます。
セルフホストランナーを社内ネットワークに配置することで、ファイアウォールに穴を開けるような方法をとらなくても、GitHub.com&CircleCI Cloudの組み合わせで社内リソースが必要なCIを実行することができるようになりました。
AWSの話
AWS Network Firewall
AWS Network Firewall がリリースされました。VPC向けに使えるマネージドなファイアウォールサービスです。
これまでは、Security Group(EC2向け)、Network ACL(Subnet向け)、Web Application Firewall(ウェブアプリケーション向け)、AWS Shield(DDoS対策)といったファイアウォールサービスがありました。
今回の Network Firewall はVPCに対して設定するファイアウォールになります。これにより、今まで以上に簡単に複数リソースに対してファイアウォールを設定できるようになります。
さらに、AWS Firewall Manager と統合されているため、AWS Organizations と組み合わせることで、オーガニゼーションを横断したファイアウォールの一元管理も可能になります。ただ、前回の Productivity Weekly でも話題になりましたが、 AWS Firewall Manager を利用するためには Organization の「すべての機能」を有効化しなければならないため、一括請求機能のみ有効にしている組織は使えません...
以下の実際に使ってみた記事が参考になります。
AWS Organizationsの設計に必須なOU設計のベストプラクティスを学ぶ
AWS Organizations には Organization Unit(OU) と言う概念があり、OUを適切に設計することで、管理を効率化できるそうです。
上の記事は、AWS Blog で公開されている、「Best Practices for Organizational Units with AWS Organizations」の日本語まとめ+補足になります。
これからまともに AWS Organizationsを 触っていく、サービスコントロールポリシー(SCP)を設定していく、という管理者の方には参考になるかもしれません。
ちなみに僕は入社したばかりでOUのことをさっぱりわかっていないので、これを気に必要最低限の知識は付けたいなと思います。
[新機能] S3 の利用状況が一目瞭然!しかも無料!「Amazon S3 Storage Lens」がリリースされました!
S3 の利用状況を分析してダッシュボード表示できる S3 Storage Lens がリリースされました。
無料メトリクスとは別に、有料の高度なメトリクスと推奨事項のリコメンドがあります。AWS Organizations と連携してマルチアカウントで分析も可能です。(Organization の「すべての機能」を〜以下略)
使ってみた感想としては、あらゆる情報や、どれくらいのペースで使用量が増えているのグラフが簡単に確認でき、ストレージの無駄遣いなどを見つけやすいそうと思いました。
テストの話
Fitbit 社での flaky test(不安定なテスト)の識別を機械学習でやっている事例
Fitbit 社での flaky test(不安定なテスト)の識別を機械学習でやっている事例の記事です。
Fitbit はモノレポでテストケースが 28,572 あって、テストが失敗したときに本当のバグか flaky か判定しているらしいです。flaky なテストの特徴(長期的に成功と失敗が入れ替わる、設定ファイルの変更による失敗など)を元に、機械学習で実現しているとのこと。
不安定なテストが落ちた時に、どう言う理由で落ちたかどうかを把握するのが大変です。(しかもそう言うテストは長くかかりがち)
どうしても安定できない場合はこう言う方法も参考になるかもしれません。
その他
ネットワーク越しリトライ考
ネットワークを介したやりとりはしばしばあらゆる理由で失敗します。そう言う時はリトライを行うのですが、ただ無心でリトライをすればよいというわけではありません。
この記事は、ネットワーク越しのリトライについてのやるべきこと、避けるべきことについての考えをまとめた記事です。勉強になります。
OSSプロジェクトのセキュリティへの姿勢を分析するツール
scorecardは OSS プロジェクトのセキュリティへの姿勢を分析するためのツールです。様々な観点からスコアを出します。
OSSのスコアを確認するだけじゃなく、観点が明確になっているので、自分が管理する OSS の改善のためのメトリクスとしても使えそうです。
コーディング向けフォントまとめ
コーディングに向いてるフォントのまとめです。サンプルコードが用意されており、どう言う表示になるのかが一眼でわかります。サンプルコードの言語を変えたりフォント同士の比較が簡単にできるだけでなく、テーマを変えたりリガチャの有無も絞り込めて多機能です。
現在使ってるフォントが気に入らない人は良いのを探してみてください。
macOSネイティブアプリのApple Silicon対応状況まとめ
先週に引き続きApple Siliconの話題です。
このサイトではmacOSで動作する有名なネイティブアプリがApple Siliconに対応しているかどうかが一覧で見れます。ただ動くかどうかだけでなく、Apple Siliconに最適化されているかどうか、Rosetta 2で動作するかどうかが把握できます。
Last updateを見る限り更新頻度は高そうです。新しいmacで開発できるかどうか気になってる人は参考になるかもしれません。
あとがき
最近 AWS Organizations に力を入れているのか、AWS Organizations 向けの新機能のリリースをよく見るという話になりました。
AWS Organizations ですべての機能を有効にしていない(=一括請求機能のみ有効にしている)組織もいるかと思いますが、これから AWS Organizations がますます便利になるのなら、すべての機能を有効にすることも検討していいかもしれません。
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