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なぜこんな絶壁に存在するのか?「覗き込むと転落の危険も」住宅街に浮く「恐怖で震える名もなき祠」『山王大権現(さんのうだいごんげん)』

2024/08/27 ヤフーニュース掲載記事

■この記事の好きなポイント■
GoogleMapにも載っていない、謎の御堂『山王大権現(さんのうだいごんげん)』。注目されることのない史跡も、新しい視点でアプローチすることで、地域の歴史に新たな光を当てていきたい。
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【プライスレス藤沢】
~藤沢の魅力を再発見~

藤沢市内で見つけたプライスレスな情報シリーズ。86カ所目は藤沢市大庭にある『山王大権現(さんのうだいごんげん)』です。

昨日記事にした『地蔵尊・謎の丸石・駒形双体道祖神』。

その3体の奥に写る、伐採された竹の根元にカメラを向けると…

急な斜面のてっぺんに、祠?のようなものが映り込みました。何か気になり、その場所へと向かった筆者。するとそこは…

住宅街の小高い丘。下から見えた小さな祠と合わせ、もう少し大きな祠もありました。大きな祠の横にまわってみます。

写真左『名もなき祠』、写真右『山王大権現』

大きな祠の正面がこちら。

大きな祠には『山王大権現』と書かれた扁額が取り付けられています。※大権現(だいごんげん/仏教用語)とは、仏や菩薩が人々を救うため、仮の姿(神の姿)となって現れること。
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日本ではもともと神道が主な信仰でしたが、仏教が広まると「神」と「仏」は同じものとして信仰されるようになりました(その後、江戸時代に「神仏分離令」が出され「廃仏毀釈(はいぶつきしゃく/仏教を廃する運動)」などが起こります)。これが神仏習合の考え方で、「権現に手を合わせること」は、神様と仏様の両方に敬意を示す行為と捉えられています。
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格子から祠の中をのぞくと、「蓮華座(れんげざ)」の上に座る石仏の姿がありました。

首元の亀裂は廃仏毀釈によるものかもしれませんね。その奥には、寄付者銘板と思われる板が残されていますが、文字が読み取れる状態ではありません。

そして『地蔵尊・謎の丸石・駒形双体道祖神』付近から見えた小さな祠がこちら。

扁額はないので名前はわからず。手すりのフェンスが足元よりも低いところにあるので、まるで宙に浮いたような感じになっています。それにしても...近づくだけで目まいがするほどの高さ。

祠の周辺には階段が設置されている

祠の前に立てなくはありませんが、以下の理由から正面に立つことはおすすめしません。
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足元が整備されていないので、祠の中をのぞくことに夢中になると、地面の凹凸に注意がいかず(足を取られ)、フェンスのある階段側へ転落する恐れがあります。
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筆者は怖くて祠の前に長時間立てず(震える...汗)。中を撮影することは諦めました。小さな子ども連れの親御さんは、子どもから決して目を離さないでください。

祠には賽銭も...

現時点では、GoogleMapにすら載っていない、絶壁に建つ名もなき祠と『山王大権現』。なぜこんな絶壁に存在するのか?多方面調べてみましたが詳細は判明しませんでした(元は竹林のようなので、建てた当初は絶壁に感じなかったのかもしれません)。

大庭城址のお膝元で、神仏の歴史に思いを馳せながら、参拝に訪れてみませんか?くれぐれもお足元にお気を付けて。

基本情報
名もなき祠と『山王大権現』
住所:藤沢市大庭
※駐車場は無いため、行かれる際は公共交通機関をご利用ください。

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