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非常時に支えて頂いた取引先について

2020年、世界は未曾有のコロナ禍に見舞われ、非常事態宣言が発令されました。それ以降、度重なる非常事態宣言が続き、やっと2023年5月に新型コロナウイルスが5類感染症に移行することで、長かった制約の期間が幕を閉じました。しかし、それまでの間、ファッション業界やアパレル業界は厳しい停滞と損害に直面し、多数の取引先が職を失いました。

生産現場では、布マスクや防護服の縫製に切り替えるなど、コロナ対策関連の製品を手がけることで事業を継続しようと試みた工場も多くありました。

当社も現実問題として、アパレル製品のご注文がその時期に激減したので、このようなマスクや防護服の縫製をお受けした方が事業の継続になるのか、世のため人の為になるのかなとも思い悩みました。

ただし御注文をして頂ける今までお取引先などもあり、そのご要望にお応えする為、弊社では変わらずアパレルやドレスのみの受注と生産を続けてまいりましたが、その過程で、ある現場から防護服縫製を優先するためにアパレル製品の生産を断られたことや、廃業に至る協力工場も少なくありませんでした。

また、お取引先のブランド様からも、事業縮小や発注停止といった厳しい決断が続き、会社の存続が危ぶまれる時期もありました。しかし、そのような状況下でも、弊社にご注文をし続けてくださるブランド様が存在し、支えていただいたことには大変感謝しております。

あるブランド様は、感染対策を徹底し、入場制限、消毒、真夏でしたがマスクに加えフェイスシールドを装着して接客を行うなど、厳しい条件の中でも真摯にお客様に向き合い続けました。その姿に、私たちも大きな勇気と励ましをいただきました。そして、そのブランド様のご注文のおかげで、弊社も業績を維持することができました。また、ブランド様もお客様からの信頼を確実に得て、コロナ禍を乗り越え、大きく成長されることとなりました。

また協力工場や現場のスタッフの皆様にも感謝の意を表したいと思います。防護服やマスクの縫製は衛生面が重要視される一方で、アパレル製品ほどの精緻な縫製技術が求められないため、その生産期間中に技術が低下してしまうリスクがありました。
当社の場合、その様な状況も予測できたので、その時期に布マスクや防護服のご注文をほぼお受けするに至らなかった理由の一つでもあります。

逆にコロナ禍で仕事が激減し防護服や布マスクの縫製を行わざるを得ない状況の工場や現場が多数あったのも現実です

それでも、ある現場は当社のアパレル製品やドレスの生産の注文を受けて、感染のリスクを抱えながらも、感染対策を徹底し、技術を絶やすことなく生産を続けてくれました。

しかしながら、その時に布マスクや防護服を大量に受けていた工場に中には、需要がなくなってしまった後にそのまま廃業された現場や工場も少なくありませんでした。
いまでもその余波は残念ながら続いていると思います。

この様に、非常時にはどのブランドも工場や現場もスタッフも未曽有の大変な時期でした

その為、こうして支えてくださった取引先や協力工場や現場スタッフの方々は、弊社にとってかけがえのないパートナーです。

今後も、すべての方々との関係を大切にし、1着1着、1型1型を大切にしたものづくりを続けていきたいと考えております。

次回の投稿では、「Q・C・Dとパタンナーについて」についてお話したいと思います。


株式会社コロン