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衣装用生地の魅力とリスク

私たち株式会社コロンでは、衣装の制作にも数多く携わっており、

衣装用の生地手配をお客様からご依頼いただくケースも多々あります

今回は、衣装用生地の特徴や、一般的なアパレル生地との違いについて

詳しくお話ししたいと思います。


衣装用生地の特徴と自由度


衣装用生地は、チュールやレース、パールシフォンなど多岐にわたり、

特に目立つ色大胆なデザインが特徴です。

これらの生地は、舞台衣装やコスチューム、競技ダンスなど、

特定の場面で目を引くために使われます。

色鮮やかで、加工にも自由度が高く、

デザインに制約が少ないことが魅力です。

しかし、この自由度の裏には大きなリスクも存在します。

衣装用生地は、一般的なアパレル製品とは異なり、

耐久性としての色落ち、洗濯耐性、破損、解れ、

毛玉、滑脱(生地が裂ける状態)などの

日常的な使用に関する基準を

満たしていないことも多いためです。

衣装は、洗濯や長期の着用や日常的な使用を前提としていないため、

通常のアパレル生地とは違い、

デザインや見た目や限られた使用用途が重視される傾向があります。

例えば、競技ダンス用の衣装生地は、

遠くからでも際立つような鮮やかな色や加工が施されています。

ダンス衣装用のレース生地

しかし、これらの生地は色落ちや色移りの面で

洗濯に耐えられないことが多く、

そのため、こういった生地を日常的なアパレル製品に転用する際には、

十分な注意が必要です。


衣装用生地と一般的なアパレル生地の違い


一方、一般的なアパレル生地は、日常生活での使用を想定し、

耐久性コーディネートしやすさや取り扱いのしやすさが重視されています。

そのため、アパレル生地の色展開は、ベーシックなカラーに

差し色が加わる程度であり、衣装用生地のような大胆な色使いは

少ない傾向があります。

また、国内の生地問屋が取り扱う生地は、

ほとんどが生地検査を通過しており、品質が保証されています。


リスクと注意点



アパレル用と衣装用の生地が

業界内でそれぞれ品質基準として

明確に区分けする様なガイドラインなどが

存在する訳ではありませんので

衣装用生地には魅力がありますが、

その一方で耐久性や機能性にリスクが伴うため、

一般的なアパレル製品に使用する際には

ブランド側で責任をもって設定する必要があるので

注意が必要です。

例えば、販売後に大量に生地などの原材料に関する不良が発生すると、

その被害が全品に及びケースも多く

ブランドの信用を著しく損ねる可能性があります。

そのため、ブランドのコンセプトや品質基準や用途に合った

生地を選ぶことが重要です。

とはいえ、衣装用生地のデザインの自由度は、

ファッションデザイナーにとって非常に魅力的です。

チュールに加工がされた色鮮やかな衣装生地

ブランドの個性を強調するために、あえて衣装用生地を選ぶことも

一つの選択肢かもしれません。

ただし、その際は、必ず物性や耐久性を確認し、

ブランドの品質基準にふさわしいかどうかを

慎重に検討する必要があります。


まとめ

アパレル製品に衣装用生地の選定する事は

大きなリスクがありますが、適切に使用すれば、

ブランドに独自性をもたらす可能性があり

アパレル生地には無い魅力的な素材が多数存在します

もし、衣装用生地やアパレル生地に関してご不明な点がございましたら、

どうぞお気軽に弊社までご相談ください。

皆様のブランドづくりに、私たちもお力添えできれば幸いです。


株式会社コロン