バラエティ界に飛び立て、なぎちゃん!〜渋谷凪咲ちゃんのことが気になっているあなたへ〜
テレビに出ている女性タレントへの、「おバカ」「天然」もしくは「毒舌」というラベリングがずっと気になっていた。
MCのフリに当意即妙に答えるこの子は本当におバカなんだろうか。自分が世間を見て分析したことを、状況に応じて話すこの人は毒舌なんだろうか。
何でトーク番組のメインは男性芸人で、アイドルやモデルの女の子が「華」としてMC横に置かれているんだろうか。女性は、ラベリングされた枠から出ちゃいけないんだろうか。
そんなバラエティ界で、私の推し、NMB48の渋谷凪咲ちゃんが「プチブレイク中」らしい。従来のくくりで「おバカ」「毒舌」と評されることもあるけれど、彼女の魅力はそれだけじゃないってことが世間にも少しずつ伝わってきているように思う。
彼女なら、バラエティ界の女性タレントの枠を飛び越えてくれるんじゃないか、そんな期待を心の中に小さく抱きながら、活躍を見守っている。
渋谷凪咲ちゃんを取り巻く環境はこの一年で激変したけど、彼女はずっとずっと素敵な女の子だったし、それは今も変わらない。
彼女がNMB48に加入したのは2012年。私が推し始めたのが2016年。そこから今に至るまで、どんなことがあったのか。彼女の魅力は何なのか。オタク(わたし)が愛してきた「なぎちゃん」の話を、ちょっと聞いて行ってくださいよ。
1 渋谷凪咲ちゃんと大喜利
ほんの1年とちょっと前まで、なぎちゃんが大喜利が得意だなんて、全然知られていなかった。本人だって、こんなことになるとは思ってもいなかったと思う。
渋谷凪咲ちゃん=大喜利ができるという方程式が世間に知れ渡ったのは、2020年7月アメトーークの「小物MC芸人」の後からだ。
麒麟の川島さんが「あの人がいたら助かる」で名前を挙げて、「しっかり大喜利が強い、ビビるくらい」と評価してくれたのだ。
『トリニクって何の肉!?』でなぎちゃんと共演していた川島さんは、以前にもなぎちゃんの番組での解答について話してくれていた。
この番組での解答について、「渋谷凪咲ちゃんは頭が良いからわざと間違えているのでは?」というような声を見かけるのだが、なぎちゃん、一般常識クイズには弱い。こちらオタク、グループ内のイベントなどでも正解しているのを見たことがない。(オタクのくせにひどいことを言う)
でも、思いついた解答の中からピックアップして、「こういう表情で、こういう言い回しで、このタイミングで出したら面白いかな?ツッコんでもらえるかな?」っていうのはNMBとして出てきたバラエティで鍛えた感覚としてあって、その辺は意図してやってるんじゃないだろうか。そこを、川島さんは「大喜利力」と評価してくれたんじゃないかなと思います。知らんけど!!!
とにもかくにも、オタクが「なぎちゃんまたボケてるわ〜」「おバカやけどな〜」「でも笑わせに行ってんのよな〜」とふんわり捉えてたなぎちゃんの力を、「大喜利力」と全国放送でバシッと言語化してくれたあのアメトーークの川島さんのおかげで、なぎちゃんの今の活躍があるのは間違いありません。ありがたすぎる。毎年お歳暮を送らせてください。
2 武器を見つけるまでのなぎちゃん
なぎちゃんが「大喜利」という武器を手に入れたのは最近のことだけど、それまでも模索しながらずーっと頑張っていた。
48グループは「夢へのステップ」だ。歌やダンスを磨くだけじゃなく、何か人と違う武器を手に入れて突き抜けたい、という思いを多くのメンバーが持っている。
私が好きになった2016年ごろは、Twitterで「お天気お姉さん」という企画をやっていた。毎朝Twitterでお天気を伝えるというこの企画は、当時なぎちゃんが掲げていた「お天気お姉さんになりたい」という目標に向けたものだった。
NMBがコンサートで忙しくても、一日中握手会があっても、とにかく毎朝毎朝欠かさず続けていた。結局この夢は叶わなかったけれど、ラジオ番組に繋がるという結果も手にして(詳しくはこちらの記事に)
2017年の生誕祭では次の目標について話してくれました。
この頃なぎちゃんは、ライセンスさんがやっていた「ワケあり!レッドゾーン」という番組のレギュラーになったり、「NMB48学園」というラジオでモンスターエンジンさんに毎週たくさんいじられていたり。どれも先輩メンバーから引き継ぐ形での抜擢だったけど、面白くて話題になることも多く、手応えを感じていたのだと思う。
また、この時の生誕祭では仕事に臨む心構えについても話していた。
こうして、少しずつ、単発でバラエティ番組に出演したり24時間テレビでリポーターをしたりと、活躍の場が広がっていった。
翌、2018年の生誕祭でのスピーチは今振り返ると、先を見通す力に驚かされてしまう。
この言葉通りに、渋谷凪咲ちゃんは2018年に「土曜はダメよ!」2019年に「大阪ほんわかテレビ」でのレギュラーを獲得し、関西での知名度を上げ、2020年のアメトーークで『渋谷凪咲=大喜利ができるアイドル』という確固たる武器をもらって、全国区のバラエティで頑張っている。
私は、彼女の粘り強さと、お仕事への真摯な姿勢、そして、夢を微調整して自分に出来ることを見つけ、一つ一つ自分のものにしていく力をほんとうに尊敬している。
ちなみに、この2018年の生誕祭で、なぎちゃんは「NMBとまなぶくん」でずっと共演してきたかまいたちを例に挙げてこんな話をしていた。
彼女を構成するものの一つに、芸人さんたちへの大きなリスペクトがある。
3 関西芸人さんとなぎちゃん
なぎちゃんはずっと関西でお仕事をしてきたこともあって関西芸人さんとの関わりが深い。かまいたちとは現在放送中の「かまいたちの机上の空論城」で、前身番組の「NMBとまなぶくん」から共演している。ちなみにこの「NMBとまなぶくん」のクイズコーナーは時に大喜利のような流れになることがあり、渋谷凪咲ちゃんの大喜利力はここで鍛えられたことも大きいのだろうと思う。
かまいたちに恩返しを誓う渋谷凪咲さん。
さらに、ダイアン、見取り図とは「夕方NMB48」という番組で共演していた。
渋谷凪咲さんを芸人の後輩だと思っている盛山さん。
私が渋谷凪咲ちゃんと芸人さんたちの共演を見ていて強く感じるのは、なぎちゃんが「お笑いが好き」で、芸人さんたちを何より「面白い!!」と思っているということだ。なぎちゃんはお母さんの影響で、幼少期から綾小路きみまろのライブトークのCDや「兵動・小薮のおしゃべり一本勝負」、バナナマンとおぎやはぎの「epoch TV square」を見て育ったと話しており、自分でも深夜ラジオを聴いたりお笑いライブに行ったりするお笑い好き。
そんななぎちゃんが芸人さんと共演すると、「なぎちゃんが面白い」だけじゃなく、「この芸人さんってこんなところが面白いんだな!」と伝わってくるのだ。
盛山さんの銀歯をいじる渋谷凪咲さん。
4 ダイアンの魅力を教えてくれたなぎちゃん
私は、居住地が関西ではないのでダイアンさんについては、「東京ではなかなか伸びないね、といじられて大きい声で怒る人、とそれを後ろで見ている人」という認識しかなかった。(ごめんなさい、石を投げないで)
しかし、なぎちゃんとダイアンがコラボしているYouTubeを見て、ダイアンの「男子中学生の休み時間みたいなアホアホしい可愛いらしさと面白さ」に気づいてすっかり好きになってしまった。
津田さんがおこったり飛び跳ねたりしてるのも可愛いし、いつもボソボソ喋ってるユースケさんがはしゃいだり焦ったりしてるのも面白い…。
なぎちゃんのお笑い好きは関西に留まらない。芸人さんのラジオを聴くのが好きいう渋谷凪咲さん、最近の三四郎との共演も面白かった。芸人さんと共演するときに、「ハマりたい」「傾向と対策」というのではなく、「この芸人さんはこんなところが面白い!」「面白い芸人さんと、楽しい番組を作りたい」というモチベーションで臨んでいるアイドルは、なかなか稀有なんじゃないかな、と思う。
5 人生を救う渋谷家の教え
そして、なぎちゃんが育ってきた渋谷家の教えがまた最高なのだ。きっと、この教えが今の渋谷凪咲ちゃんを形作る基礎になっているのではないかと思うので、いくつか紹介したい。
これは、なぎちゃんのお母さんの言葉。なぎちゃんが誰かのことを悪く言ってるのは聞いたことがないし、バラエティで求められた時も、言い過ぎないように、悪口にならずに面白くなるように、よく考えて臨んでるんじゃないかと思う。
これもお母さんより。なぎちゃんは「お天気なぎちゃん」の後に「行ってらっしゃいなぎちゃん」という動画を毎日あげる企画をやってくれていたのだが、そのきっかけはお母さんのこの言葉だったそうだ。
これはお父さんの教え。何か失敗した時や人と喧嘩した時は、周りのせいにするんじゃなくて一回自分に矢印を向けて、自分に何か悪いことがなかったか、自分を見つめ直しなさい、と言われてきたという。
この話は私にもズシリと響くものがあり、忙しくて人に対してイライラしてしまった時に、思い出すようにしている。渋谷家の教えは、オタクの生活も救ってくれているのだ。
こうして渋谷家の教えを受けて育ったなぎちゃんは、テレビで活躍する今も、自分の中の「正義」を貫くことを大切にしていると話している。
こういったお仕事や人に対する真摯な姿勢があるからこそ、活躍の場がどんどん広がっているのではないだろうか。私は彼女の「可愛くて」「頭がキレて」「面白い」ところも大好きだが、こういった芯の強さにいちばん魅かれている。
「おバカ」「毒舌」「大喜利ができるアイドル」……タレントさんをラベリングするのは、その人の魅力を端的に世間に広めるためだ。そのラベリングを武器に、たくさんの人に知ってもらう。それは意味のあることなのだと思う。
でも、人間の魅力は一つとは限らない。「あの子って、ちょっとおバカだけど、大喜利もできるしセンスがいいよね」「見てると笑って癒されるよね」「結構いいこと言うんだよね」そんな風に“人間”として知ってもらえるタレントに、なぎちゃんだったらなれるんじゃないかと思う。そういう女性タレントさんが、どんどん増えていくといいなと思う。
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