「あなたのペットが迷子になっても」ペット探偵が出会った人と動物の愛の物語 遠藤匡王 著 を読んで
ペット探偵の体験を、依頼主の名前やシチュエーションなどはプライバシーのために変更しつつ書いたのが、本書。
読んでみると、依頼を受けてから、本当にコツコツと地道に探していく様子がよくわかる。
多分、この著者かどうかは自信がないけれど、ペット探偵を取材した番組をテレビで観たことがあったけれど、やはりそんな印象を持った。
動物が好きで始めたが、ふたを開けてみたら結局は依頼主とのやり取りが多いというのも、うなづける。
私は16歳の柴犬がいなくなった経験はないけれど、うっかり首輪やハーネスが散歩中と旅行中に抜けたことが、それぞれ一回ずつ。そして、しつけ教室に入る時に首輪が抜けて、犬が道を飛び出していったことが一回。
今でも、あのシチュエーションで、車にひかれなかったのは奇跡だとも思うけれど、犬を見つけたときに、慌てずにしゃがんで、犬の目線で静かに名前を呼んで待っていたら来た。呼び戻しをするために通い始めた教室のおかげだと今でも思う。
本書を読んで、あのまま犬が戻って来なかったらと思うと、他人事ではない感じ。
犬を盗まれたり、ペットをうっかり逃がしてしまい、依頼主が離婚の危機になったりと、本当にハラハラドキドキ、時には泣きそうになりながら、各エピソードを読んだ。
毎章、ペット探偵のアドバイスが出ているのも、非常にためになった。
最後は、ペット探偵の必需品から、ペットがいなくなったらどうするべきかのアドバイスまで、本当に丁寧に書かれていた。でもペット探偵になれる人はそうはいないと思う。
ペットが迷子にならないようにするのが、まず第一だけれど、こういう探偵サンがいるのは本当に心強いなぁと、しみじみ。
そして、ペットが迷子になっても決して諦めないで、家を離れた犬猫には、私達が驚くほどのサバイバル能力があるというのも、驚かされた。
最後に、どうしてペット探偵になったかという話が書かれてあり、なるべき人がなったのがよく分かる。自分の飼っているポメラニアンとのエピソードもほほえましかった。