馬籠宿から蓼科高原 豪雨の狭間で その1 サムライロード 車の運転能力
6月27日出発
中央高速の調布インターから高速道路を約300キロ、岐阜の馬籠宿へむかった。
車(ホンダフリード+)で長距離移動する旅行は、本当に久しぶりだ。梅雨入りしているので本日は曇りだが、天気図を見れば雨は確実にやってくる。
車の状態は燃料ポンプのリコール修理とタイヤ交換したばかりだ。
ただドライブレコーダーを取り付けた後、たまにナビの目的地設定がリセットされる現象が出たる。このトラブルは直っていない。
ドライバーは私、67才になる。それ故に子供達が心配する。
その心配の原因は昨今の高齢者の事故のニュースに起因する。
人が犬を噛めばニュースなる。ニュースは常に珍しい事件を大袈裟に扱う。だから実際にはどうなのかを調べてみた。
事故率のグラフをみると、やはり10代がダントツだ。
70代以上で、任意保険の掛け金が値上げすると聞いた。だとしたら、この手のニュースを取り上げすぎるメディアと保険屋の陰謀だろと思えてしまう。
車でGO!
今年は、3月に蔵王、仙台、石巻と旅行した。これは久しぶりの家族旅行だった。
俺67才 妻57才 息子30才 娘1,娘2 20代 全員自動車の免許を持っている。だから、現地でレンタカーを借りても、誰でも運転可能だ。
そうなると何だか知らないが、俺は運転をしない。家族はさせないようにする。理由は「危ない」からだそうだ。
「あのさぁ、俺は普通に運転しているけど」
これでもオートバイレースをやっていた事もある。またMT時代から長年車の運転はしている。
20代にレース中も含めてバイク事故を数回、車でスピンして崖に落ちそうにもなっている。だから経験は豊富だ。そして30才以降事故はない。ゴールド免許継続中だ。
これに対して、家族は言う。
「父は性格が危ない」その気質はレースではいいけど、街中では危険。
「後、お母さんが切れる」
私も妻も車を運転している。
「あるある」で、お互い他人の運転に細かく文句を言う。
そして喧嘩となる。それが危険だと言う。
運転能力の衰え
普通に考えれば運動能力が衰えていれば、運転能力も衰えているはず。
これはプロレーサーならある程度は問題ないが、一般人は確実に衰えている。
40年以上、オートバイレース、自転車レース(ロード、マウンテンバイク)、トライアスロン、スケートボード(サーフスケート)などやっているので、私は30才くらいから衰えを敏感に感じている。そして一応対策している。
誰でもスポーツしていると、普通の人より衰えを敏感に感じる。だけど過信もある。
「その過信が、父には大いにある」と家族は言う。
目の能力
色々と衰えはあるけど、目の衰えだけは止められない。
運動において、動きに対する認知情報は、目から80%程度得ている。だから視覚能力の衰えは運転においては致命的だ。
個人差もあるけど、その差はこんな感じだ。
視覚角
普通の成人 200度
老人 60度
私は190度あった。
動体視力
一番ヤバいのは動体視力。
動いているものを見る視力 20代0.8前後、一方70才代だと0.1まで低下することもある。
YouTubeでテスト動画があるが、信頼性は分からない。
最近、ブレーキが遅いと言われる回数が増えているので、動体視力の低下が原因かもしれない。注意したいと思う。
白内障
50才過ぎたら確実に少しずつ白内障に侵されている。
だんだん視野が暗くなる。夜間、特に夕刻は見えにくくなる。
瞳孔の反応
目の周りの筋肉の衰えで、反応は遅くなり、明るさに直ぐに対応できない。夕刻が特に見えにくくなる。
他に
筋力 アクセルペダルを踏み続けるなど、アクセル、ブレキー操作が上手く出来ないこともある。
柔軟性 首周りの筋肉が固まる、首を左右に向け難くなる。関節可動域がせまくなる。
つまるところ加齢で運転能力は確実に衰えている。ただ車の性能が上がっているので、気づき難い。
昔のMT、暗いライト、重いステアリング、全て手動の車だと直ぐに分かる話だ。ついでに若い子の自爆事故が減ったのは車の性能アップのおかげだ。
若い人も「自分の運転が上手いと思わない方がいい」
馬籠宿
旅の第一目的、馬籠宿だ。
ここはハイキングを趣味にする外国人観光客達に人気だ。
ネットでは馬籠宿から妻籠宿へ続く旧中山道を「サムライロード」と言い、そこを歩くために観光客が訪れている。
今までここをあまり知らなかった私。「散歩のひと」として、どんなもんかと確認しにきた。
馬籠宿起点をとして、旧中山道を妻籠宿まで、距離8キロ程の山道をサムライロードという。
目的地の妻籠宿で泊まるのもいいし、バスで馬籠宿へ戻ってくることも可能だ。
11時過ぎに馬籠宿へ到着した私と妻は、まずは宿場を歩く。
起点
フラフラと宿場の風景を見ながら起点となる展望台へむかう。
宿場の風情はある、外国人が好きそうな雰囲気だ。
しかし、ここだけを見れば、私の地元にもある。
展望台の横の広場、そこに「木曽五木(きそごぼく)」 ネズコ・アスヒ・ヒノキ・サワラ・コウヤマキ、江戸時代から尾張藩が保護した木々が植えられていた。
何時もだけど、ヒノキとサワラの区別がつかない。
その後、尾張藩はクリ・マツ・カラマツ・ケヤキ・トチ・カツラも保護指定し、伐採禁止の地域や樹種を拡大させることによって、森林の保護に努めた。昔の藩は国を守るために真摯だった。
サムライロード
この馬籠宿の起点から妻籠宿までの山道が、外国人に「サムライロード」と言われ人気がある。この日も何人かと出会う。アジア(日本も含む)人は一人だけの女性がいた。
日本人はこのような家族でのハイキングには、あまり興味がない。一方、欧米人は家族旅行でもハイキングする人が多い。
時間的な制約もあり、少しだけ歩いてみる。
何時ものように道を間違える私、そんな私に道を聞く白人の父と子供。
「GO This way」適当に言っておく。間違ってはいない。それでも、
「尋ねる人間を間違えている」と妻が言う。
熊がでるのか、たまに熊よけの鐘が設置されていた。
水と木々、真っ直ぐ伸びるヒノキと相まって、昔の中仙道を思い起こす。
棚田のある用水路脇でアマガエルを発見した。可愛い。
遅い昼飯は蕎麦とする。
今日は、岐阜に住む大学時代の旧友とホテルで会って食事をする予定だ。積もる話もあるので、この辺りでホテルへ向かう。
明日は多治見へ行く予定だ。
その2へ 続く。